主演男優賞の山口馬木也「お礼を言いたくて」サプライズ登場『侍タイムスリッパー』侍まつり!扮装舞台挨拶
今年一番の話題作であり、数々の映画賞の受賞やノミネートが相次いでいる『侍タイムスリッパー』。キャスト陣が劇中の衣装で登場した「侍まつり!年忘れ扮装舞台挨拶」が行われ、沙倉ゆうの、庄野崎謙、紅萬子、福田善晴、田村ツトム、安藤彰則、きらく尚賢、ムラサトシ、安田淳一監督が登壇した。(2024年12月28日 TOHOシネマズ梅田)
映画『侍タイムスリッパ―』、略して「侍タイ」(サムタイ)は、8月17日にインディーズ映画の聖地・池袋シネマ・ロサの1館で封切られてから355館で拡大上映が決定し、現時点で興行収入も8億円を超えた。
舞台挨拶の前半はキャスト陣によるコントで客席を沸かせ、12月27日に発表が行われた「第37回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞」にて、主演男優賞(山口馬木也)、監督賞(安田淳一)、作品賞の3冠を成し遂げたばかりということもあり、客席からは持参した日刊スポーツの新聞を掲げで祝福するファンも多数。
安田監督は「本当にみなさんのおかげです。ありがとうございました!監督賞も嬉しいですし、主演男優賞も泣けました。一番嬉しいのは作品賞。キャストのみなさん、スタッフのみなさん、そして応援していただいているお客様の力でいただいた賞だと思っています」と感謝を述べ、さらには「とにかく制作費を回収することだけを目標にしていて、賞をいただくことはこれっぽっちも考えていなかった。そもそも自主映画時代は賞らしい賞をもらっていなかったので、このカテゴライズが商業映画になった途端に本当にいいのかなと思う賞をいただいている。嬉しいんですけど、浮き足立ってる感じがずっと続いています」と心境を吐露した。
助監督役であり助監督も務めた沙倉は「日本最大客席数のシアターで、侍タイのメンバーでお礼を言えることが本当に嬉しいです!」と感激。節子役の紅は「あるテレビで“すごいよねー、素人さんばっかり集まって(作った映画)”と、素人扱いされました。別の場所では“芸人さんたちが集まって(作った映画)”と、ついに芸人にされました。でも賞をいただいたので全部許します」と笑いを交えて喜びをあらわにした。
ふたたび役に扮装できることを非常に楽しみにしていた庄野﨑だが、新幹線が遅延したため舞台挨拶の登壇に間に合うか不安を感じていたが「新幹線のなかでコントの台本が送られてきて。僕の山形彦九郎が台無しになりました(笑)」と笑顔でコメントし、初の舞台挨拶登場となるムラは「大変な現場でした。お蔵入りになるんじゃないか、完成しないんじゃないかと思っていましたが、いざ封を切るとコレですよ!」と振り返った。本作はリピーターが多く、今回で100回目の鑑賞という常連客もおり、200回を目指していることも明らかになった。
特別ゲストには、世界の盗塁王である元阪急ブレーブスの福本豊が登場。「最後にポロっと泣かされました。ほんまに良かったです」と感想を語った。
キャスト陣が客席に降り、練り歩いてファンと交流をする「お練り」が行われた後、主演の山口馬木也がサプライズで登場し、まさかの展開にキャストも客席も歓喜。「みなさんに一言お礼を言いたくてですね、ちょっと仕事が早く終わったので、新幹線に乗ってと思ったら新幹線が止まったんで、制限速度を守りながら車を飛ばして先ほど到着しました。みなさんのおかげで本当にこのような素敵な賞をいただくことができました。ちょっとおこがましいですが、(ファンの)みなさんを代表して、そしてキャストのみなさんを代表して賞をいただいたと思っています。本当にありがとうございました!」とお礼を言うためだけに急きょ駆けつけた。
最後の締めでは山口が「今回、日刊スポーツ映画大賞で監督賞、作品賞、そして主演男優賞をいただきましてですね、この映画が100日を超えたくらいから、僕はちょっと寂しい思いをしていたんです。なんか、みなさまのそばから離れていっているような気がしてたんですけど、賞をいただいたことでまたもう少しだけみなさまのおそばにこの映画があってくれるんじゃないかなということを今また期待していますし、今日、こうやってお顔を改めて拝見すると、まだもう少しこの映画がみなさまのおそばにあってくれるのかなと思えて嬉しいです。最後になりますが重大なことを言います。みなさま、良いお年をです(笑)」とほっこりコメント。ファンが遠方から駆けつけてくれたり、SNSで呼びかけてくれていたこともあり、安田監督は「この大きな会場を埋めようと思ってくださって本当にありがとうございました」と感謝を述べた。
この日はMOVIX京都で扮装ありの舞台挨拶が先に実施されたが、安田監督によるコントの台本は朝方に完成し、さらには舞台挨拶の直前に安田監督指示のもとでキャストがコントの練習を裏で何度も行っていた。
また、なんばパークスシネマでは扮装なしの舞台挨拶で沙倉、紅、福田、田村、安藤、安田監督に加え、村田左之助役の高寺裕司も駆けつけ、プレゼント大会や紅が作った台本でのコントを披露。8月17日から各地で頻繁に行ってきた舞台挨拶も今年最後となるため、三本締めで幕を閉じた。
取材・撮影 南野こずえ
『侍タイムスリッパ―』
©2024 未来映画社
配給:ギャガ 未来映画社
絶賛公開中