シネマ・ロサでスタンディングオベーション!『侍タイムスリッパー』初日舞台挨拶



『侍タイムスリッパー』の初日舞台挨拶が行われ、山口馬木也、冨家ノリマサ、沙倉ゆうの、庄野﨑謙、井上肇、安藤彰則、安田淳一監督が登壇した。(2024年8月17日 池袋シネマ・ロサ)

作品のストーリーは、幕末の武士・⾼坂新左衛⾨は落雷によって現代の時代劇撮影所にタイムスリップしてしまう。侍の姿だけあって上手く馴染んではいたものの、状況がなかなか把握できずにいた。ようやく自身がタイムスリップしたことを理解し、現代で「斬られ役」として生きていく覚悟をするのだが――。

自主映画で時代劇を撮るという無謀な試みにも関わらず、脚本が面白いという理由で東映京都撮影所が異例の特別協力をした本作。時代劇の敷居の高さを見事に取っ払い、上映劇場も池袋シネマ・ロサということもあり『カメラを止めるな!』の興奮再来と言わずにはいられない傑作コメディに仕上がっている。

普段は米農家でもある安田監督は満席となった客席を見渡し「お客さんが来てくださるか本当に心配だった。自主映画で時代劇ということでしっちゃかめっちゃかだったけど、みなさんの力で育てていただければ」と安堵の表情で挨拶。

⾼坂新左衛⾨を演じた主演の山口は初日を迎えた感想について「エンドロールが終わってお客さんの拍手が聞こえてきて感無量でございます。言葉にできません。シネマ・ロサというインディーズ映画のパワースポットみたいな映画館で初日を迎えられて本当に幸せだなと思っております」と喜びを嚙みしめた。

ライバル役の冨家は劇中での好きなセリフを挙げ「”一生懸命やっていればどこかで誰かが見ていてくれる”で。いつもこの言葉を心に刻みながら役者をやっているんです。今日のみなさんがまさにこのセリフのとおりで。感無量です」と思いの丈を述べた。

また、助監督役の沙倉は「たくさんの人に支えてもらってこの作品ができて。シネマ・ロサさんで上映が決まったときもみんなが自分のことのように喜んでくれて……本当に幸せでした」と涙に声を詰まらせると、隣にいる山口も感極まって思わず目を真っ赤に。

本作はカナダ・モントリオールで行われた『第28回ファンタジア国際映画祭』で観客賞金賞を受賞したばかり。安田監督が「北米最大のジャンル系映画祭と言われていて、観客動員数は10万人を超えるんです。観客賞金賞をいただきました!」と快挙を報告すると客席からは大きな拍手が起きた。

現地に行った山口は「海外の方のリアクションは非常に大きいんです。時代劇がわかってもらえるかドキドキしていたんですが、上映後に挨拶をしたときにスタンディングオベーションが起きて。僕は大号泣してしまったんです」と振り返り、山口の号泣話で盛り上がっていると、目の前でもスタンディングオベーションがはじまり、キャスト陣と客席の一体感にこの作品の魅力が最大限表現された。

最後の挨拶では安田監督が「この作品の構成は『蒲田行進曲』、ギミックは『マトリックス』、目指したところは『カメラを止めるな!』でございます。キャスト陣には光があたって、僕はコストが回収できればそれでいいんです」と笑いを誘いながら締めくくった。

取材・撮影 南野こずえ


『侍タイムスリッパー』
©2024未来映画社
池袋シネマ・ロサにて公開中

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