87歳主演のじぃじ、次回作に意欲!『劇場版 米寿の伝言』初日舞台挨拶
『劇場版 米寿の伝言』初日舞台挨拶が池袋シネマ・ロサで行われ、西本匡克、西本健太朗、西本銀二郎、長谷川かすみ、山田姫奈、中川パラダイス、ガクカワサキ監督、プロデューサーの西本浩子が登壇した。(2025年5月10日 池袋シネマ・ロサ)
本作は“演劇の道”に進みたかった元教師の父の夢を叶えるべく、娘がプロデューサーになり、“演劇の道”を進んでいる息子たちに声をかけ、西本家の挑戦がスタート。家族三世代で作り上げた、異例の製作経緯でも話題となっており、死んだ祖父と孫の中身が入れ替わる家族の奮闘と絆を描いた「主演・85歳の素人おじいちゃん」によるハートフルコメディとなっている。
初日を満席で迎え、そして夢を叶えた舞台挨拶の開始早々、「おめでとう!」と登壇者と客席から大きな拍手が送られると、静かに喜びを噛みしめていたのはじぃじこと米蔵役を演じた匡克。映画初出演で初主演、さらには5月15日には本当に88歳の米寿を迎えるが、「もうすぐパパになります。パパと言っても88(パパ)の米寿です」とボケて笑いを誘いつつ「映画にできるとは夢にも思わなかった」と語った。また、次回作について問われると「命のつづく限りまたやってみたい」と意欲をみせた。
実孫であり、孫のキョウヘイ役を演じた健太朗は「家族と舞台挨拶ができることはなかなかないので、本当に幸せです」との思いを吐露し、同じく実孫で孫のキッペイ役の銀二郎は「舞台と映画という約7年のなかで、まだまだ知らないおじいちゃんの姿から吸収し、ともに役を作り上げてきた」と振り返った。
実の娘であり、本作のプロデューサーを務めた浩子は「舞台上でのお父さんのキラキラした顔を横で見させていただいて、逆に私がプレゼントをいただいた」と、父の活き活きした姿に感激しているようす。とてもユニークなタイトルについてガク監督は「お察しかと思いますが、完全に『ルージュの伝言』からです(笑)」と白状し、加えて「おじいちゃんが出る映画という意味も込めた」と明かした。
本作は舞台からの映画化となっているが、どちらにも出演している長谷川は「もともとは西本家のおじいちゃんという見かたをしていたのに、大尊敬する役者の大先輩」と敬意を表すと、匡克は「どうしましょう。こんなに褒められたらびっくりポンですよ」とおちゃめな照れ隠しで会場を沸かせた。
劇中でゴスロリの衣装を披露した山田は「メイクを取ると子役の子が私だと気づかなかった」と話し、作品の見どころを聞かれた中川は「(劇中に)発明品が登場しますが、みんなの手作りで。(舞台時からの)7年の思いが詰まっている」と注目ポイントを披露。
『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督が企画ミーティングに参加していたことが明かされ、ガク監督が「映画はお金と時間があればけっこう何でもできますが、努力のなかでできる等身大の方法を教えていただいた。ハラハラしたりラストが気になってもらえたら、それは上田監督のおかげ」とアドバイスを取り入れて製作したことがうかがえた。
最後の挨拶では「それぞれの家族の生き方のひとつとして、何かをつかんでもらえればありがたい」との思いを匡克が述べ、幕を閉じた。
取材・撮影 南野こずえ
『劇場版 米寿の伝言』(上映時間:61分)
出演:西本匡克、西本健太朗、西本銀二郎、長谷川かすみ、山田姫奈、舟木幸、荒川大三朗、山本紗々萊、仲野温、山﨑翠佳、市川欣希、中島来弥、中川パラダイス、浜野謙太
監督・脚本:ガクカワサキ、プロデューサー:西本浩子
(C)米寿の伝言
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