ちゃず、2年間限定で離島に移住していました『夫とちょっと離れて島暮らし』公開前記者会見
12月25日から新宿K’s cinemaにて公開される映画『夫とちょっと離れて島暮らし』の記者会見が先日、五反田『みしょーれ奄美』にて開催された。
本作は、東京暮らしのイラストレーター・ちゃずが、夫を東京に残して奄美群島・加計呂麻島・西阿室集落に期間限定移住した模様を描いたドキュメンタリー。
映画『恋の渦』『サッドティー』などへの出演歴がある女優の國武綾が初監督したことでも話題を呼んでいる。
会見には、ちゃずと國武監督が登壇。
2年間限定の移住を決めたきっかけについて、ちゃずが振り返った。
「2018年から20年まで、加計呂麻島に期間限定で移住していたんですけど、夫とは別居して行っていました。なんで行っていたかというと、自営業でしている絵描きの仕事の行き詰まりがあって。生まれて26年間ずっと東京で育ったので、はじめて加計呂麻島に行ったときに、近所さんとのお付き合いや大自然というのが、今まで暮らしていた世界とは違っていた。すごくいいな、こんな世界に住んでみたいと思ったのです」
移住してから、夫との別居エピソードや島暮らしの日々の様子を綴ったインスタグラム漫画が人気となり、フォロワーは約10万に。初めての著書『イラストレーターちゃずの夫とちょっと離れて島暮らし』(ワニブックス)の出版もあり、メディアに取り上げられる機会が増えることに。
國武監督がちゃずの島暮らしを知ったのは、著書の出版告知を兼ねたラジオ出演だった。
「FMラジオ番組にちゃずさんが出演していたのを、私がたまたま聞いて知りました。凄いイキイキした喋り声がラジオから聞こえきて、島に移住したらそういうふうになれるのかなと思い、ちゃずさんのことを検索してフォローしました。それから2020年2月、『あと2か月で島を去ります』という、ちゃずさんのインスタ投稿を見て、島にいるうちに撮影をさせていただきたいと、まったく映画を撮ったことがないのにDMを送りました」
國武監督の想いが通じ、トイレとお風呂を除く撮影が始まった。
「2020年2月は7日、3月は10日ぐらい撮影していました。3月のときはちゃずさんの家に、この作品のプロデューサーで私の夫でもある中川究矢とふたりで泊まりました。スーパーもコンビニもない西阿室集落。そういうのがおもしろくて行ったというのもあります。インスタグラムを見ているだけでは、わからなかったことです。自然や人の暖かさとかに本当に衝撃を受けました、東京から来た身としましては。この良さをこのまま映画で伝えられたらいいんじゃないかなと思いました」
集落の人々との触れ合いは、ふたりにとって新鮮な驚きだったという。
「ここに来るまで東京に住んでいるときは、お隣さんに挨拶するぐらいでした。でも、集落に住んだら~兄さん、~姉さんって、下の名前で呼ぶようになって。父が亡くなって家族団らんの時間がなくなり、精神的に落ち込んでいたときに島に行ったから、家族の良さや実家の匂いをより感じて。そこがすごく良くて、安心できるというか。島の人たちは、私の絵描きの活動も応援してくていれます。集落の看板を描かせてもらったりとか。ここに住んでいて役に立っているのかもという気持ちになり、愛着が湧きました」(ちゃず)
「集落は大きい家族なんですね。ちゃずさんは、会う人、会う人に『こんにちは』って。挨拶って、こんなにするんだっけと思うぐらい。コミュニケーションがこんなにうまくいっていることにとても興味が湧きました」と語る國武監督は、2021年2月に暮らしの拠点を奄美に移した。
本作完成後、奄美で行われた先行上映には7日間で500人以上を動員。
「私が奄美に住んでいるものあって、映画のポスターを張ってくれるとか、住民のみなさんが協力してくれました。島の口コミはツイッターよりも広まるのが早いんですよ」
島の豊かな自然、島のリアルな生活、島で暮らす人々との暖かい交流……。
島の魅力をそのまま切り取っているドキュメンタリー映画と評判は上々という。
「多くの方々に、この作品を届けていきたいと思います」と國武監督は語る。
取材・撮影 シン上田
『夫とちょっと離れて島暮らし』
©映画「夫とちょっと離れて島暮らし」製作委員会
12月25日(土) より新宿K’s cinemaにて2週間限定公開!ほか全国順次公開予定