森田剛、伊原六花、冨家ノリマサらが熱演『ヴォイツェック』開幕前会見


パルコ・プロデュース2025『ヴォイツェック』の公開ゲネプロが行われ、開幕前会見に森田剛、伊原六花、伊勢佳世、浜田信也、冨家ノリマサ、栗原英雄が登壇した。(2025年9月21日 東京芸術劇場プレイハウス)

ドイツの劇作家ゲオルク・ビューヒナーが遺した未完の戯曲である『Woyzeck』。今回の脚本は2017年にロンドンで上演され、高い評価を集めた、ジャック・ソーンのアダプテーション版。ビューヒナーの原作を現代的に解釈し、冷戦下の1981年ベルリンを舞台に、政治的緊張感と心理的・感情的な深みを強調したドラマで、観客を圧倒した。このニューアダプテーションが、9月23日(火・祝)より日本で初の上演となる。

暗い過去に苦しみながらも愛を求めるヴォイツェック役に挑むのは森田剛。ヒロインのマリー役には伊原六花など、個性溢れる実力派キャストが政治的緊張と心理的葛藤の渦巻く冷戦下のベルリンに生きる人々を演じる。

Q.初日を迎える今のお気持ち、意気込みをお願いいたします。

森田(ヴォイツェック役):ついに初日という日が来たなという感じで、あっという間の約1ヶ月の稽古を終えてワクワクしています。

伊原(マリー役):素敵なキャストとスタッフのみなさんと作り上げてきたのでまずは必死に生きようと思います。

伊勢(マギー役/ヴォイツェックの母役):モンスターみたいな難しい作品にここまでみんなで一緒に来れたことが嬉しいです。これから本番が楽しみでもあります。

浜田(アンドリュース役):稽古も毎日楽しくほがらかに過ごすことができました。あとは本番を楽しく乗り切って行けたらなと思います。

冨家(大尉役):稽古中から主演の剛くんが背中で引っ張ってくれていて。震えるほどの作品なので、その震えが自分に伝わっていて。本番を震えながら迎えたいと思います。

栗原(医師役):ついにここまで来たなという感じです。怒涛のごとく舞台稽古をみんなでやって今日を迎えました。

Q.稽古場でのエピソードや、演出家の小川絵梨子さんからどんなお言葉をもらいましたか?

森田:小川さんからは、「仲間を信じて自分ではなにもぜず、相手に委ねる」ということを言われました。100%信じて、自分も信じてもらって役として生きられたらと思います。

伊原:「出てしまえば、私が言ったことなんてうるせえバカでいいから」と仰っていて。それで力が抜けました。

伊勢:「今起こっていることに反応するだけで良い」と言われました。
浜田:「前に進んで、相手に委ねて、ひとりでやらずに、いつも舞台上にいる人と一緒に時間を過ごして、その場を生きることを大事にしたい」ということを言われました。

冨家:「相手を感じること。とにかく相手を感じること」を頭の中に刻みながらやっています。稽古場での休憩時間ではみなさんすごく仲良くがよくて、癒しの時間でした。

栗原:ほぼみんなが言われた通りです。マムシの絵梨子でしたから、なかなかしつこく。毎日毎日アドバイスを受けました。

Q.台本を初めて読んだ時と、稽古を重ねて本番が近づくにつれて、ご自身の役についての印象は変わりましたか?

森田:ものすごく変わってます。ものすごいスピードで生きている感じがします。毎日の稽古の中で発見が続いていて、日々進化していくのかなと思います。

伊原:パッとの印象は変わりませんが、稽古を通して役や生きている場所が鮮やかに感じられるようになりました。

浜田:180度変わりました。森田さんと一緒のシーンが多いのですが、稽古やコミュニケーションを通してつながりが深くなったことがリンクして。かなり変わりました。

冨家:最初に台本を読んだ時、役も含めてほぼ理解ができなくて。この物語の中で自分という歯車がどういう風に作用していけばいいのかな?ってすごく考えて。稽古での1ヶ月でやっと見てきたものがあります。

Q.演じる役に共感できた点や苦労した点はありますか?
森田:人間として愛したい、愛されたい、認められたい、自分の居場所を探すという気持ちには共感や憧れはあります。

伊原:必死に生きる姿には共感できます。楽しい時は楽しみ、喧嘩する時は喧嘩し、泣く時は泣くという、ちゃんと生きている部分にはすごく共感できるなと思います。

伊勢:上流階級の役で嫌な女にも見えますが、よりよく生きたいという欲望や、弱者をいじめたいという気持ちは強いものを持っていると生まれるんだなと感じながら。六花ちゃんをいじめるのがちょっと楽しかったりしたので(笑)自分の中にもそうした部分があるんだなと感じました。

浜田:自分の弱さやコンプレックスから目を背けることで楽しく生きて行こうという部分は誰しも多少は持っているんじゃないかなと思っていますし、自分も共感できました。

冨家:僕は軍人の役なので、従事している軍人の思いは共感とはまたちょっと違うんですけれども理解はできますね。

Q.愛を求めて生きる青年が描かれていますが、みなさんが愛してやまないものは?
森田:空とか見ていますね、朝起きたら。みなさんとの稽古の時間がいとおしい時間で宝物になりました。みなさんとの時間に愛情込めて、最後まで駆け抜けたいです。

伊原:おうちにいるモモンガとトカゲです!

伊勢:剛さん演じるヴォイツェックと子役の2人の子です。

冨家:人と目が合って、意思疎通ができた時に小さな愛を見つけるのが僕は好きで。そういうチリを積もらせていけば大きなものになるんじゃないかなと思って日々探しています。

Q.楽しみにされているお客様に向けてメッセージをお願いいたします。
森田:とにかくやるだけで。本気でやりますので、観に来てください。その場で起きることを素直に感じてもらえたらと思っています。楽しみにしていてください。

取材・撮影 南野こずえ

パルコ・プロデュース 2025『ヴォイツェック』
原作=ゲオルク・ビューヒナー
翻案=ジャック・ソーン
翻訳=髙田曜子
上演台本・演出=小川絵梨子
出演=森田剛 伊原六花 伊勢佳世 浜田信也/中上サツキ 須藤瑞己 石井舜 片岡蒼哉/冨家ノリマサ 栗原英雄

◆東京公演◆
2025年9月23日(火・祝)~9月28日(日)
2025年11月7日(金)~11月16日(日)(リターン公演)

◆地方公演◆
岡山/岡山芸術創造劇場 ハレノワ 中劇場 10月3日(金)~5日(日)
広島/広島JMSアステールプラザ 大ホール 10月8日(水)・9日(木)
福岡/J:COM北九州芸術劇場 大ホール 10月18日(土)・19日(日)
兵庫/兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール 10月23日(木)~26日(日)
愛知/穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール 10月31日(金)~11月2日(日)

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