デンゼル・ワシントン、11年ぶりの来日!東京国際映画祭『グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声』来日スペシャルトークイベント
東京国際映画祭にて『グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声』の来日スペシャルトークイベントが行われ、ポール・メスカル、デンゼル・ワシントン、コニー・ニールセン、フレッド・ヘッキンジャーが登壇した。(2024年11月4日 TOHOシネマズ日比谷)
初来日となる主演のポール・メスカル、オスカー俳優のデンゼル・ワシントン、前作から主要キャスト唯一の再登場となるコニー・ニールセン、新時代の暴君皇帝役フレッド・ヘッキンジャーの4人が大きな拍手に迎えられ登場。
ポールは「皆さんにお会いできてうれしいです。この作品の脚本を読んで、復讐を誓う男が血筋や信念を受け継ついで”英雄”になっていく、その変遷の両面を演じられたのは役者冥利につきました。」と感無量の様子で挨拶。デンゼルは実に11年ぶりの来日を「非常に楽しみにしていましたよ」と笑顔で明かし、この作品への出演について「5部門ものオスカーを獲得した名作の続編であること、素晴らしいキャラクターと脚本、そして素晴らしい監督(リドリー・スコット)と一緒に仕事ができることが決め手でした」と力を込めた。
登壇した4人のなかで唯一、前作にも出演していたコニーは「前作の物語から十数年後が描かれ、ますます贅沢や腐敗がはびこってしまう新しい時代のローマ帝国となった、その変化をリドリー・スコット監督がさりげなく映像の中で示しています。崩壊しつつある帝国に身を置く感覚を観客の皆さんも感じてもらえると思いますし、技術の進化によって彼が本当に描きたかったローマ帝国のありのままをスクリーンで描けるようになったと思います。映像トリックや引き出しの多さによって様々な角度から撮影していきました」と語った。
これほどの大作の撮影現場について、フレッドも「360度どこを見渡してもローマ帝国であるようなセットを、リドリー・スコット監督が作ってしまったんです。どこを見てもリアルな世界で、常に8~12台ものカメラが回っていて、すべてのスケールが圧倒的。私の衣装も、一目見て何もかもギラギラの派手さで、これこそ欲や腐敗によって帝国が堕ちていくことを表現するのにピッタリだと思いました」とその凄まじさを振り返った。
本作の予告編でも垣間見られる、劇中で最も迫力のあるアクション“模擬海戦”のシーンが流されると会場は息を呑んだように興奮が広がり、ポールは「3~4週間くらい、身体がボロボロになりながらアクションを撮影していました。このように大きな船に乗ったり、サイ、ヒヒとも戦った。バトルもレベルアップしているのは技術の進化もありますし、物語としてもさらに大きな使命が懸かっているからで、観客の皆さんにも楽しんでいただくためですね」と思い返した。
デンゼルは以前にもリドリー・スコット監督とタッグを組んだ経験があり、「本作のほうが楽でしたよ、私は客席からみんなの過酷なアクションを見ているような立場だったので(笑)。監督は『映画の70~80%はキャスティングで決まる』とおっしゃっていて、今回は我々を選んでいただいた。巨匠に全幅の信頼を寄せて俳優陣は演技に集中することができました」とジョークも交えながら監督への信頼を明かせば、フレッドも双子皇帝の1人という役柄のため「皇帝のロイヤルシートは日陰で、優雅に観覧できたのはラッキーで最高でしたよ(笑)」と重ねて会場を沸かせながら、「監督はマルチカメラで全てのアクションを同時に多くの角度から撮影するので、細切れにならず、一つの出来事・アクションに対する多くの人間の視点とリアクションを一気に撮影でき、観ているほうも一気に感じ取れるんです」と実際に現場を体験した俳優ならではのエピソードを明かした。
記者からの質問も挙がり「あれだけ多くのアクションに、アドレナリンを出し続けられる秘訣は?」と問われたポールが「リドリー!(笑)」と一言で片づけて笑うと、デンゼルが「26歳だからね(笑)」と若さにツッコんで会場を沸かせる一幕も。ポールは続けて「どの瞬間にも、毎分アドレナリンを与えてくれる監督なんです。トレーナーさんにもお世話になりました。夢のような作品、夢のような撮影セットですし、これだけ沢山の人が愛する作品の続編ですから、これでアドレナリンが出ないなら俳優という仕事は考え直したほうが良いですね!」と監督をはじめ製作陣への感謝とともにコメント。
一般のお客さんからの質問では「続編の予告編を見たときに主人公ルシアスが、前作の主人公マキシマスの息子である(つまりコニーが演じるルッシラとの間に生まれた)ことを知って驚きました。コニーさんは当時から、本作の主人公がマキシマスの息子であることを知っていたのでしょうか?」と鋭い質問が。
これについてコニーは「ノーです。まさかこんな形で話が続くとは想像もしていませんでした」と本人も予想外だったそうだが、しかし続けて「でも、小さな息子ルシアスをマキシマスに紹介するシーンで、私の役作りの感情の中では“もしかしてこの2人には昔、実らないロマンスが少しあったのでは”と抱えていた秘密のようなものを感じて演じていました」との思いを明かした。
本映画祭のコンペティション部門審査員を務める橋本愛が花束ゲストとして登場したが「やばーい。ダメダメ」と動揺を隠せないようす。続けて「みなさんにお会いできることを心から光栄に思います」と述べ、終始緊張を隠せない橋本に対して優しく寄り添うデンゼル。
「来日した日本や東京の印象は?」と橋本が問いかけると、デンゼルは「僕はまだ一歩も外に出ていないよ(笑)」と笑顔を見せ、コニーは「明治神宮に行って、七五三という行事で着物を身につけた子供たちがたくさんいたので本当に美しくて感動しました」とさっそく日本文化に触れたそう。ポールとフレッドは、新宿ゴールデン街のカラオケに行ったことを明かし、それぞれ滞在を楽しんでいることがわかった。
取材・撮影 南野こずえ
『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』R-15
配給:東和ピクチャーズ
©2024 PARAMOUNT PICTURES.
11月15日(金)全国劇場公開
<第37回東京国際映画祭>
開催期間:2024年10月28日(月)~11月6日(水)
会場:日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区