山田杏奈、女優として生きていく覚悟『ミスミソウ』初日舞台挨拶



『ミスミソウ』が初日を迎え、舞台挨拶に山田杏奈、清水尋也、大谷凜香、大塚れな、中田青渚、紺野彩 夏、櫻愛里紗、遠藤健慎、大友一生、遠藤真人、内藤瑛亮監督が登壇した。(2018年4月7日 新宿バルト9)

注目を集めている若手女優・山田杏奈の映画初主演となる本作は、『ハイスコアガール』『でろでろ』などで知られる人気漫画家・押切蓮介の代表作であり、映像化不可能と言われた最強トラウマ漫画の実写映画化。

東京から田舎に転校してきた野咲春花(山田杏奈)はイジメを受けており、学校での唯一の味方は同じように転校してきた相場晄(清水尋也)。ある出来事をきっかけに春花は復讐をはじめるが……。本作は「パズル」「先生を流産させる会」の内藤瑛亮監督がメガホンを取り、美しくも残酷なトラウマ・サスペンスとなっている。

主人公・野咲春花を演じた山田杏奈は「自分が携わった映画が公開を迎える時は、いつも感慨深いのですが、今日は特にいよいよだなという感じがしていて。それは初主演だからかなと思います。人生ですごく大切な1日になるんだろうなと感じています」と映画初主演への喜びを噛みしめながら挨拶をした。

フレッシュな俳優が多いなか、内藤監督は撮影当時について「雪まみれ、血まみれで過酷な撮影で。100点満点中、1億点くらい頑張ってくれた」とキャスト陣を称賛。クランクアップでは内藤監督からキャストへ卒業証書が贈られたとのことで、実物を持参した山田は「劇中では卒業できなかったけど、撮影を終えてみんなで卒業できて良かった」と振り返った。

話題作への出演が続いている清水だが、演じた相場について「普段はすごく優しい人間なので、(演じた役が)好きだからこそ暴力を振ってしまうというのが全然かわからなくて。想像で演じようと思いました」とおどけ口調でコメントし、場を和ませた。

監督から山田へ手紙が読まれるサプライズが行われ、「初主演という責任はきっと重かったと思います。その苦しみは山田さんにしか計り知れないものだと思います。監督の降板により映画の制作は頓挫しかかっていました。1か月後に撮影しなげれば頓挫してしまうというなかで、僕へ監督の依頼がありました。決め手となったのはあなたのオーディション映像でした。引き受けるリスクは理解していましたが、それでも撮りたいという思いが勝りました。山田さんがいてくれたからこそ撮れました。感謝しかありません」という苦戦した制作経緯と共に渾身の思いが語られた。それに対して山田は「(前の監督が降板して)もうダメかなと思った。撮ることができて本当に幸せだなと思っています」と目に涙を溜めたながら笑顔を見せた。

どんな役者を目指したいか?という質問に対して「この作品をやらせていただけたことで、これから女優として生きていくという覚悟もできたので、自分に厳しく頑張っていきたいなと思いました」と山田は強い意気込みを語り、高校を卒業したばかりの清水は「学生という言い訳ができなくなった。芝居って上手いだけじゃ生き残れないなと思ったんです。上手い芝居より深い芝居への努力をしていきたいと思っています」と今後の抱負を語った。

最後に内藤監督から「清水君以外はオーディションで選んでいるのですが、5年後、10年後にもっと活躍していて、彼らが実は『ミスミソウ』に出ていたよと言われるような役者に育って欲しいなと思います。単なるいじめだけの話ではなくて、加害者側の心情や、田舎の町に閉じ込められた社会も描かれていて。新学期がはじまると自殺してしまう生徒が多くて、学校で苦しんでいる人は学校には行かず『ミスミソウ』を観にきてほしいなと思います」と独自の目線で作品を訴えた。

取材・スチール撮影 南野こずえ

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