ジュノンボーイがふんどし姿に!『サイモン&タダタカシ』初日舞台挨拶
『サイモン&タダタカシ』の初日舞台挨拶が開催され、キャストの阪本一樹、須賀健太、間宮夕貴、小田学監督が登壇。キャストの3人は和装姿を披露した。(2018年3月24日 シネ・リーブル池袋)
本作は男ばかりの工業高校に通うタダタカシが、親友・サイモンとともに“運命の女”を探す旅に出る青春ロードムービーだ。エネルギッシュなタダタカシと、彼への恋心を押し隠して「好きな人の好きな人探し」を手伝う内気なサイモン。少年2人のコミカルで切ない旅路が瑞々しく描き出されている。
サイモンを演じるのは「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でフォトジェニック賞を受賞した阪本一樹。本作が映画デビュー作の新星だ。
初日を迎えた心境を訊かれた阪本は「宣伝のためにダルマ作りをしたり、須賀さんの分も合わせて二百度参りしたんです」と答えた。須賀が「ありがとうね、ホントに」と慌てたように応じると、場内には笑いが。阪本は続けて「それもあって、たくさんの人に観てほしいなと思っていたので、今日公開できて本当に嬉しいです」と結んだ。
一方、タダタカシ役の須賀健太は本作について「撮影はとても楽しかったので、それをたくさんの人に観てもらえることが嬉しいです」とコメント。さらに「なんかこう…子どもが旅立つ感じ?」と少々難解な例えをまじて喜びを表現すると、隣に立つ阪本からなにやら囁かれたようで、「ちっちゃい声で“どういうことですか?”って訊くな!」とツッコミを入れた。
また、今日までに印象に残ったことを訊かれ「宣伝で変わったことをたくさんやったなというのが印象深くて…2人、全身タイツでカウントダウンとか…先ほど言ったダルマ作りとか、デザインもいちから…」と語りだした阪本を「撮影の話はないの?さっきからダルマが押されてるけど、ダルマ作りの映画じゃないから!」と須賀が制止。
それを受けて阪本は、監督のモニターで間宮演じるマイコの撮影シーンを見たことについて「ちょっとセクシーなシーンで、まじまじと見ていたら、須賀さんが羨ましがってました」と仰天の告白。思わぬ反撃に須賀は「いやいやいや、とんでもない爆弾を押し付けてきた!」と大慌て。
まだインタビューに答え慣れていない雰囲気がある阪本の天然なコメントに、デビュー20年の須賀が絶妙なツッコミで応じる。スクリーンの外でも息がピッタリな主演2人に、場内は大いに盛り上がった。
本作は『PFF(ぴあフィルムフェスティバル)』のスカラシップ作品。PFFは園子温や矢口史靖といった日本を代表する名監督を輩出してきた、映画監督の登竜門だ。小田監督は『第36回PFF』でジェムストーン賞を受賞、さらに受賞者の中から1名のみが権利を得られる「PFFスカラシップ」に選出され、本作の制作・公開を実現した。
小田監督は本作について「とてもバカな映画だと思うので、楽しんでいただければ」と紹介。また、阪本が初主演で自身が初監督の作品であることにも触れ、「阪本くんと稽古していた頃の動画を見返すと、今の状況が感動的。最初は公園でクソみたいな雑談しかしてなかったのに、そこから始まって作品ができあがって、こういう状況まできたのがすごいなって。お互い成長して、また別の作品を一緒にできたらいいなと思う」とこれからの目標を語った。
また、イベントの途中で嬉しい発表が。本作が韓国で開催される『第19回全州国際映画祭』のコンペティション部門にノミネートされることが決定したという。発表の直前に今後の野望として、本作で海外の映画祭に行きたいと口を揃えていたキャスト・監督には最高のサプライズとなり、歓声とともに大きな拍手が巻き起こった。
小田監督は「すごいですね…人ごとみたいにすごいなって思いました」と驚きを隠せない様子。まだ海外に行ったことがないという阪本は「やった、韓国行きたかった」と嬉しそうにコメントした。
さらに、阪本が先月行われた先行上映回で宣誓していた“ふんどし姿での感謝の言葉”が実行されることに。
須賀と雨宮が支えるカーテン内で着替えを終えた阪本は、観客の「サイモン&タダタカシ、公開おめでとー!」の掛け声とともに、「御礼」と書かれたふんどしと作品名が書かれたハッピ姿をお披露目。客席から大喝采が上がった。
ふんどし姿のままマイクを握った阪本は「撮影中は何もわからなくて、皆さんに助けてもらいました。特に監督とは一対一で稽古することが多く、とても助かりました。須田さんはいるだけで安心できる、お兄ちゃんみたいな存在。本作は自分にとって大切な作品になりました。いろいろな人に観てもらえるように頑張ります」と、緊張に言葉を詰まらせながらも力強く客席に語りかけた。
取材 澤田絵里