Winny事件がグランプリに。山田孝之「単純に観たい」『ホリエモン万博【CAMPFIRE 映画祭】』



『ホリエモン万博【CAMPFIRE 映画祭】』が開催され、審査員の堀江貴文、有村昆、家入一真、山田孝之、阿部進之介、伊藤主税が登壇した。(2018年2月4日 ベルサール六本木)

『ホリエモン万博』は堀江がプロデュースする都市複合型エンタメフェス。2月3日、4日の2日間にわたり、六本木内の20カ所以上の会場で様々なイベントが催された。

その一つである『CAMPFIRE 映画祭』は、家入が代表を務めるクラウドファンディングサイト『CAMPFIRE』を活用して映画を作ろうというイベント。午前中の映画企画コンペでは、当サイトにて資金調達に挑む応募者の中から選ばれた4組の代表者がステージに立ち、観客と6人の審査員の前でグランプリを競った。

4組はすでに、山田・阿部が参画している若手俳優を応援するサービス『ミラーライアー』のキャスティングサポートを受ける権利を獲得済み。またグランプリには、伊藤が代表を務める『and pictures』によって、制作およびショートトライアルプロジェクトの1作品としての劇場公開がサポートされる。

コンペはまず企画を紹介する短い映像が上映され、その後スライドを使ったプレゼン、審査員のコメントの流れで進行。

鉄道模型甲子園を目指す女子高生たちの青春映画『ジオラマガール』、雪国の父娘物語を映画と演劇を融合させて描く『ポゾラン』、完成済の映画『ロリさつ』を紹介するための予告編的な続編『ロリさつ・10才』、P2Pファイル共有ソフトをめぐり2000年代に実際に起きた事件を題材とした『Winny』の4作品の企画が紹介された。
審査員のコメントは次のようなもの。

『ジオラマガール』:「部活モノにはヒットの法則があり、公開前からこういう感じだろうなという安心感がある。ただ、予定調和になりそうなのが惜しい。何か1つ裏切るもの、突拍子もないものがあり、だからやるんですと言われると観てみたくなる」(有村)
『ポゾラン』:「作品のどこに個性を出していくかというところが、(この作品では)映画からの演劇なのかなと思う。面白い企画だけど、映画に感情移入していた観客が演劇に移ったところでアンチに変わってしまうのでは、という怖さも感じる」(伊藤)
『ロリさつ・10才』:「今の(プレゼン用の)映像だとちょっと。テーマがテーマだけに宣伝をするにあたっては、ビジュアル的に引かれない、もっとライトな入り口を用意しないと手を出しにくい作品になってしまうと思う。でもちょっと気になる」(阿部)
『Winny』:「個人的には非常に観てみたい。ただ、再現ドラマにはなってほしくない。事実をそのまま再現してしまうと、じゃあドキュメンタリーでいいじゃんとなってしまう。あえてドラマでやるなら監督の目線に振り切って描いてほしい」(有村)

4組のプレゼン後、結果発表前にトークショーの時間がもうけられた。
堀江は当イベントについて「4作品それぞれ個性的な部分があった。プレゼンテーションもディザームービーもすごくよくて、非常にレベルが高くすばらしい。クラウドファンディングが、できてきた当初思い描いていたような、こういう作品を応援するプラットフォームになればいいなと思う」と話す。

また「すごい新人がどんどん出てくることへの恐怖心はある?」との質問に対し山田は「(むしろ)超嬉しい。俳優が少なすぎると思ってて。そもそも僕がこんなに忙しいのもおかしい。増えてほしい」と返答。新たなスターの誕生を願っていることを明かした。

その後、アワードセレモニーで審議の結果が発表。グランプリには『Winny』が選出された。
本企画について山田は「単純に観たいというのもあるし、すごく難しそうだと思った。かなりリサーチをしないといけない」、伊藤は「早く撮りたいとなりがちだけど、あせらず、まず企画を温めて脚本をしっかり作るべきだと思う」とエールを送り、映画企画コンペは終了した。

取材 澤田絵里

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