『無伴奏』舞台挨拶レポートIN名古屋!


_1100388
3月26日に公開初日を迎えた『無伴奏』の舞台挨拶が3月27日(日)、愛知県名古屋市のセンチュリーシネマで行われ、主演の成海璃子と池松壮亮が登壇した。

直木賞作家・小池真理子の同名小説の映画化作品で、学生運動や安保闘争に揺れる1969年の仙台を舞台に、高校三年生の響子(成海璃子)がバロック喫茶「無伴奏」で大学生の渉(池松壮亮)と出会い、大人の女性へと変貌を遂げるラブストーリー。

ヒロインの響子について、成海は「響子は素直なんですね。今みたいにいつでも連絡が取れるわけではないので、会った時に『一緒にいたい』とか素直に感情を伝えるので、そこを特に響子として意識していました」と明かした。
また、作品の舞台である1970年前後について池松は「(当時は)色んなものが純粋だったんじゃないかと思って、その純粋性みたいなものに憧れがあります」と述べた。_1100390

昨年の2月から3月にかけて行われたの撮影を振り返り、成海が「ほんと寒かったよねえ」と池松に笑顔で語りかけた。
渉が暮らす友人の祐之介(斎藤工)の自宅の茶室でのシーンでは、茶室が狭いため撮影時のカメラの位置に試行錯誤したことや、成海が茶室の「にじり口」の出入りが上手くできず、毎回体をぶつけてしまい共演者たちに笑われてしまったという微笑ましい撮影エピソードが明らかになった。

自身にとっての『無伴奏』を問われると、成海は「凄く思い入れも強いぶん、まだ客観的に見られていないですね。5年後ぐらいに『ああ、やって良かったな』って思うのかもしれないですね」、池松は「大切ですね。矢崎さん(監督)の映画特有のどんどんどんどん好きになるというか、二回目が更に良くなるというか」と思いを語った。_1100395

池松は成海について、「本当に素晴らしいんですよ。真ん中が似合うと言うか、主役が似合うと言うか。爆発しそうな隠し持ったエネルギーとか芯の強さとか、人として凄く豊かな方ですね。響子という役をぶれずに全うした、凄い人だなと思います」と述べると、成海は「渉が池松くんで良かったなと思いましたね。私はジタバタしていたんですけど、(池松は)いつもどっしりしているというか、頼れる人です。またいつか一緒に仕事をしたいなと思いました」とお互いへの信頼を垣間見せた。

それぞれ名古屋の思い出を語り、20歳の頃に数ヵ月名古屋に滞在した経験があるという池松が「あれだけダメなんですよ、小倉トースト。他は好きなんですけど。何で(あんこを)かけちゃうかなあって」と観客の笑いを誘っていた。

二人ともに「一生懸命作った作品なので、たくさんの方に観て頂きたいです」と結び、穏やかに熱い思いを語り、終始和やかな雰囲気で舞台挨拶は幕を閉じた。

取材 文:小林サク スチール撮影:高橋アツシ

『無伴奏』
監督:矢崎仁司
原作:小池真理子『無伴奏』(新潮文庫刊、集英社文庫刊)
キャスト:成海璃子/ 池松壮亮/ 斎藤工/ 遠藤新菜 /松本若菜 /酒井波湖 /仁村紗和/斉藤とも子/藤田朋子/光石研
2015年/日本/カラー/16:9/5.1ch/132分
配給:アークエンタテインメント
新宿シネマカリテほか全国公開中

記事が気に入ったらいいね !
最新情報をお届け!

最新情報をTwitter で