横浜流星、あの時があったから今の自分がいる『いなくなれ、群青』初日舞台挨拶



シリーズ累計100万部を突破した小説を映画化!『いなくなれ、群青』の初日舞台挨拶が行われ、横浜流星、飯豊まりえ、矢作穂香、松岡広大、松本妃代、中村里帆、柳明菜監督が登壇した。(2019年9月6日 新宿バルト9)

捨てられた人たちの島、階段島。誰もこの島に来た理由を知らないが、すぐに受け入れ、みんな穏やかに暮らしている。島を出るには失くした物を見つけること。悲観主義の七草(横浜流星)は、理想主義の真辺由宇(飯豊まりえ)との再会をきっかけに徐々に変化していく、青春ファンタジー。

舞台挨拶の模様が全国の劇場でライブビューイングされ、七草役の横浜は「本当に、本当に1人でも多くの方に観ていただきたいです!」と力強く呼びかけ、繊細で複雑なストーリー展開について「実写化するにはすごく高い壁があった。監督やキャストと入念な準備をして臨めたのは心強かった」と感慨深く当時を振り返った。

心に響く言葉が多い本作だが、真辺を演じた飯豊は「リハーサルができなかったら、こういう風に撮れなかったと思います。簡単には理解できないような役柄で」と役への苦悩を吐露。真っ直で凛々しい真辺は非常に印象的であり、続けて「素敵な作品にしたいという思いがあった分、妥協しないで何回もリハーサルをやらせてもらって。自分も納得のいくような、自信を持ってみなさんにお届けできるような作品になったと思えています」と笑顔を見せた。

「小説の美しさを描き切ろうと思った。設定が不思議なファンタジーなので、リアリティにこだわった」と話す柳監督は、各キャラクターにかなりの難題を言ったそうで「真辺は投げる、七草はそれを押し込めているように見えるんですけど、抑えきれなくてこぼれ落ちた瞬間を映画に収めているので、素晴らしいお芝居をみなさんしてくれました」と称賛した。

また、好きなセリフの話題では松岡が「(七草が真辺に向かって言う)“正しいことへの正しさを信じすぎている”というセリフ。言葉って暴力にも救済にもなる。この作品は、セリフがこんなにも力強く人に届くのかが大きなテーマだと思っている」とコメントすると、キャスト陣もうなづいた。

物語のカギとなる「失くした物を見つけること」にちなみ、“これまでに失くしたもの”を劇中で使用された電話を使って告白することになり、ソワソワしはじめるキャストたち。中村は「チョコレートです。小学2年生のバレンタインで、友達からとある男の子に渡してと頼まれたチョコレート失くしてしまいました」と告白し、母親と謝罪しに行ったことも明かした。また「足の脂肪です。小学生の時、足のサイズが24センチだったんですけど、今現在22.5センチなんです」と矢作の驚愕の事実には、会場から驚きの声があがった。

「イキがっていた自分です」と話す横浜。理由について「想像もつかないと思いますが、中学・高校はちょっとヤンチャでカッコつけて、イキがっていたんです。今振り返ると、あの頃の自分はすごく輝いていたという瞬間があって」と好青年のイメージがある横浜の意外な過去が明らかに。

さらには「あの時があったから今の自分がいますが、イキがっていた自分を受け入れて、前に進んでいきたいなと、この作品を観てそう思いました」と懺悔のように話すと、松岡から「宣伝?」とツッコミが入り、「そう」と素直に認めて笑いを誘った。

最後の挨拶で横浜が「みなさんそれぞれの受け取り方をして欲しいです。自分の嫌いな部分に向き合って肯定して、前に進んでいくという物語でもあるので、少しでも自分を好きになってくれるきっかけになれたら嬉しいです」と作品に込められたメッセージを語り、笑顔で手を振りながら降壇した。

取材・撮影 南野こずえ

『いなくなれ、群青』
配給:KADOKAWA/エイベックス・ピクチャーズ
(C)河野裕/新潮社 (C) 2019映画「いなくなれ、群青」製作委員会
全国公開中

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