%e3%83%a1%e3%82%a4%e3%83%b3%e2%98%85%e6%98%a0%e7%94%bb%e3%80%90%e3%83%86%e3%82%a3%e3%83%95%e3%82%a1%e3%83%8b%e3%83%bc%e3%80%91%ef%be%8c%ef%be%97%ef%be%9d%ef%be%81%ef%bd%aa%ef%bd%bd%ef%bd%b6%e5%a5%b3
“ティファニー”、その名を口にする時唇には笑みがこぼれる、優美でゴージャスな響き。伝統と共に遊び心と革新も携えた、世界的ジュエリー・ブランドのすべてに迫るドキュメンタリー映画が今秋公開される。
1837年にニューヨークで創業したティファニーは、1940年に本店を現在の五番街に移転する。そう、『ティファニーで朝食を』の冒頭で、オードリー・ヘプバーン演ずるヒロイン、ホリーが早朝にタクシーから降り立つ場面のあの店舗である。ホリーが憧れの眼差しで見つめたように、たくさんの女性がティファニーに恋をしてきた。

本作では、”キング・オブ・ダイヤモンド”と呼ばれた創業者、チャールズ・ルイス・ティファニーの逸話、ニューヨーク本店で公開されている世界最大級のイエローダイヤモンド”ティファニー ダイヤモンド”のエピソード、ブランドカラーである”ティファニー・ブルー”や、パッケージの”ブルー・ボックス”に見るブランディングの勝利など、初めて知るエピソードの数々にワクワクしっぱなしだ。

また、ティファニー歴代のデザイナーたちにスポットライトを当てているのもとても興味深い。海中生物や植物など、自然界に着想を得たモチーフを採用したジーン・シュランバーゼー、日本でも馴染み深いビーンやハート、ティアドロップのデザインで有名なエルサ・ペレッティ、オリーブなどをモチーフにした大胆なスタイルが特色のパロマ・ピカソなど、デザイナーたちの輝く個性と、それらをひとつのブランドとして包み込んできたティファニーの懐の深さに驚嘆する。

2013年に女性初のデザインディレクターに就任したフランチェスカ・アムフィティアトロフのインタビューをまじえながら、彼女の新作ジュエリーの製作過程や、人気女優ジェシカ・ビールとのアカデミー賞授賞式のジュエリー選びの舞台裏も出てくる。
ティファニーは映画業界との関わりも深いのだ。前述の『ティファニーで朝食を』のみならず、リース・ウイザースプーン主演『メラニーは行く!』のティファニーでのプロポーズ場面や、『オーシャンズ11』でのジュリア・ロバーツのジュエリー選びのエピソード、アン・ハサウェイ、ケイト・ハドソン主演の『ブライダル・ウォーズ』で二人がブルー・ボックスに熱狂するシーンなど、盛り沢山に紹介されており、映画ファンにも嬉しい。

ハリウッドの人気スタイリストや映画監督、女優など数々の各界セレブがティファニーへの想いを熱っぽく語るのも見逃せないが、アメリカの国民的スポーツ、アメフトのスーパーボウルを始めとする様々な競技のトロフィー製作、ニューヨーク・ヤンキースのロゴとの関係、グランドセントラル駅の時計の製造などのエピソードも語られ、ジュエリーだけにとどまらない、ティファニーのものづくりの多才さと底力を実感する。創業の地ニューヨーク、そしてアメリカ社会の精神にも深く同化し結び付いているからこそ、ティファニーはアメリカを代表するブランドとなり得たのかもしれない。

本作はニューヨーク五番街にある高級デパートに密着したドキュメンタリー『ニューヨーク・バークドルフ 魔法のデパート』を監督したマシュー・ミーレーが手掛けており、ティファニーの魅力をあらゆる方面から多角的にとらえている。ティファニーファンならずとも必見のドキュメンタリーだ。
知っているようで知らない、ティファニーのすべて。きっと次から、ティファニーを見る目に深い輝きが増すことは間違いない。

文:小林サク

『ティファニー ニューヨーク五番街の秘密』
監督:マシュー・ミーレー 配給:ファインフィルムズ
11月5日~新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかロードショー
© 2016 DOCFILM4TIFFCO LLC a subsidiary of QUIXOTIC ENDEAVORS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

この記事が気に入ったら
いいね ! で応援

Twitter で