森岡龍、気を引きしめて演じた『地の塩 山室軍平』初日舞台挨拶



『地の塩 山室軍平』の初日舞台挨拶が行われ、主演の森岡龍、我妻三輪子、伊嵜充則、兒玉宣勝、KONTA、東條政利監督が登壇した。(2017年10月21日 新宿武蔵野館)

まだ社会福祉という言葉がなかった時代に、世の中の苦しむ人たちに手を差し伸べ続けた山室軍平の生きざまを描いた本作。山室軍平には『エミアビのはじまりとはじまり』の森岡龍、妻・機恵子は『さよなら歌舞伎町』の我妻三輪子が演じている。

制作経緯について東條政利監督は「山室軍平について勉強するなかで、彼が人のために何かをしたいという情熱が素敵だなと思いました。それを映画にしたいと思い、動き出しました。私は山室軍平と同じ同志社の出身だったんですけど、この映画のおかげで自分の母校をよく知ることができました」と情熱への情熱で生まれた作品であることを明かした。

主演の森岡龍は本作で初めて実在の人物を演じており「実在の人物ということもあって、いつも以上に気を引きしめて演じなければと思いました。15歳から67歳までの人生を体現するというのはすごく新鮮で貴重な体験をさせていただきました」と新たな挑戦が見どころにもなっている。

山室軍平の妻・機恵子を演じた我妻三輪子は、役作りについて「機恵子さんは芯がしっかりしていて意見もちゃんと持っている女性。私は普段ふにゃふにゃする動きが多いので、それを抑えようと思いました」と自身の特徴を告白しながら笑顔を見せた。

児童福祉の父と称えられた石井十次役の伊嵜充則は、過去に松平健が同人物を演じていたことを挙げ「なんで僕!と思った。どう演じようか迷いましたが、監督が受けとめてくれ僕なりに演じました。愛の心で観ていただければ嬉しいです」と恐縮しながらもやり遂げた様子。

東条監督の作品に10年ぶりに出演した兒玉宣勝は「10年ぶりに初恋の人に会うような、ドキドキして肩に力が入っていました。でもリハーサルではリラックスできました」と撮影当時の心境を吐露し、KONTAは「演じた役どころは厳しい人なのですが、監督はそんなことはありませんでした。非常にやりやすい現場で役者のことを尊重してくれ、この組に参加できたことを光栄に思っています」と東條監督を絶賛した。

「今の時代、出世やお金に目がくらむ人が多いのですが、人のため世のために生きていた人がいるということをストレートに伝えたいという情熱に乗っからさせていただきました。山室軍平も愛を携えて色んな人を助けるために布教していた人物ですので、みなさんも観た後に宣教師になったつもりでどんどん伝えていただけると幸いです」と森岡が役柄にかけてクチコミを呼びかけた。

取材・スチール撮影 南野こずえ

『地の塩 山室軍平』
2017年10月21日より、新宿武蔵野館、岡山シネマクレール他、全国順次公開
(C)山室軍平の映画を作る会

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