『ゆれる』を観て人生が揺れた。俳優・梅本隼悟
夢を夢のままで終わらせない!
次のステージへの挑戦を続けるアツイ人たちを応援する「次世代映画人」
映画『ゆれる』を観て衝撃を受けた青年は役者を志し、その2日後には大阪から上京。憧れのオダギリジョーに近づくために。一番好きな時間は「ベンチプレスを上げている時」と笑顔で語った俳優・梅本隼悟(うめもと しゅんご)さんをご紹介。
夢を探して1年間フラフラしていた
「大阪の某テーマパークで22歳まで働いていました。その後、色々と悩みながら1年間フラフラしていたんです。そんな時、レンタルビデオ屋で1本の映画をたまたま手に取りました」
『ゆれる』を観て人生が一変
「僕はオダギリジョーさんを知っている。でも、オダギリジョーさんは僕のことを一切しらない。『ゆれる』を観て色んな感情がわき出てきて、涙が止まらなくて。その感覚を今でも忘れられないんです。まったくの赤の他人に対して、こんな気持ちになるのかと感じました。僕も誰かに何かを与えられるようになりたいと思って役者を志し、2日後に上京しました」
止まらない勢いで上京
「オダギリジョーさんが1期生だった俳優養成スクール『アップスアカデミー』の資料を取り寄せたのですが、募集が締め切られていました。でも勢いで事務所を訪れたんです。意気込みを買われて、その場でオーディションを行っていただいて合格しました」
役者としてのターニングポイント
「段階的に目標を設定していますが、役者をはじめてから最初の目標だったのが、小規模でもいいから劇場公開される映画の主演を務めることでした。『フリー・マイセルフ』で実現し、その時に“思い切りやる”ということを得ました。今までも思い切りだと思っていましたが、それを越えたことを確信し、成長を感じました」
役からの開放
「新選組の舞台『鳥合~Ugoh~』で野口健司役を演じるために、ジムで体を鍛えていました。ヒマさえあればジムに通う日々で。でも終演した途端にジムに行かなくなりました。あんなにトレーニングが好きだったのに(笑)解放されてラーメンを食べまくっていました」
5年後、10年後の自分
「世代を代表する俳優であり、日本を代表する俳優になります。すごく生意気かもしれませんが、世界から見ても今よりレベルが上がっている演劇界で名を連ねられるようになっています。その後も俳優業を通して社会貢献はしていきたいです」
応援してくれる仲間たち
「僕には責任があります。人間としての成長は必要不可欠なので、モチベーションの高い居酒屋でバイトをしているのですが、全員が全員の夢を応援するというスタンスなんです。彼らの思いも背負って俳優をやっているつもりでいますし、目標の1つである世界三大映画祭のレッドカーペット登壇も職場の仲間たちは実現すると信じてくれています」
今後の活動について
「映画情報番組『シネガッチャ』のMCを務めていますし、ドラマ24『新宿セブン』にも少し出演しています。12月には舞台『オラショの樹の下で』、来年も舞台に出演予定です」
映画・ドラマ・舞台・MCなどへの幅広い挑戦は己の可能性を信じている裏返しであり、めまぐるしい彼の勢いとストイックさは、はるか昔に培ったたまものと感じずにはいられなかった。陸上で大阪3位入賞の経歴を持っており、少なからずその時に得た瞬発力と精神が根付いているのだろう。憎めない笑顔、語り出すと止まらない情熱、段階的に設定している目標……。オダギリジョーと肩を並べてスクリーンに映える日もそう遠くはないはずだ。
取材・スチール撮影 南野こずえ