撮りたいのは 世界基準の映画!『Ben-Joe』制作発表会
撮りたいのは 世界基準の映画! ――『Ben-Joe』制作発表会――
2015年2月22日、豊田市福祉センター(愛知県 豊田市)で開催され、大好評のうちに幕を閉じた『小坂本町一丁目映画祭(こざかほんまちいっちょうめえいがさい)』。今回『vol.13』では一般作・招待作あわせて13作品が上映され、監督・出演者が登壇し大いに会場を沸かせたが、映画祭の最中ひとつの発表があった。オリジナル新作映画『Ben-Joe』の制作発表である。
“三河映画”――愛知県三河地域を中心に活動する“三河映画”ザ・フィルムズコミューンが制作する、映画プロジェクト。地元在住の映画監督・岩松あきら氏がメガホンを取り、愛知県三河地域を拠点に企画・制作~撮影~完成までを行っている。
“三河映画”第一弾作品は、『幸福な結末』(2011年/122分)。岩松あきら監督はじめ三河地域の人々の情熱によって創り上げられた、ヒューマン・ファンタジーである。
今回“こざほん”にて制作発表会が開催された『Ben-Joe』は、“三河映画”プロジェクトの第二段作品なのだ。
2年以上の準備を費やし、すべてのキャストが決定した『Ben-Joe』。今年いよいよ本格的な制作始動・撮影クランクインと言うことで、この日、制作発表が執り行われた。
『Ben-Joe』――生きにくい世の中で、それでも生きていかなければいけない、一人の女の子の物語。誰もが、他人事ではない――そんな、物語。
“三河映画”プロジェクトが、三河で映画を撮る理由――その答えが『Ben-Joe』のテーマでもあると言う。“三河映画”の想いを、物語と共に伝える――『Ben-Joe』は、そんな映画を目指すと言う。
岩松あきら監督
「我々は、とにかくこの三河の地から良い映画を作っていこうと言う想いでやっています。地元の人と協力して繋がっていかないと良い映画は出来ないと思うので、ぜひ三河の皆さんと繋がっていきたいと思っています。それを観た他の地方の方々が、「あんな風に元気にやっているなら、うちでもやっていきたい」と、段々と熱が伝播していけたらいいと思ってます。皆さんと一緒に良い映画を作っていけたらと思ってますので、宜しくお願いします」
スタッフを代表して岩松監督が力強い挨拶をすると、会場から惜しみの無い拍手が送られた。
そして、いよいよ出演者が登場した。キャストは、この日が初公開であった。
石川野乃花(早紀)
「今回、ヒロイン役を勤めさせていただきます。宜しくお願いします。このような作品に係わらせていただくのは、私にとって凄く大切な1ページになると思います。素敵な作品を、素敵なスタッフ、素敵なキャスト……素敵な仲間たちと、最後までやり遂げたい想いで一杯です。まだ未熟な私ですが、この作品で何か素敵なものが見つけられたらと、そして、観てくださるお客様に何かを伝えることが出来たらとの想いに向き合っていきたいと思っています」
大島葉子(早紀の母親)
「まだ、これから画にする作品なので何とも言えませんが、皆さんの熱い想いと、キャスト・スタッフ・監督の熱い想いで乗り越えて、素晴らしい作品にしたいと思いますので、ご期待ください。宜しくお願いします」
かとうむつみ(早紀の姉)
「今年に入ってからずっとこの映画のことでドキドキしてるんですけど、映画作りと言うものに携わったことがなくて、皆さんのエネルギーの渦のようなものに圧倒されています。私も全力でエネルギーの一員になりたいと思いますので、宜しくお願いします」
獅子見琵琶(施設の仲間)
「ずっと舞台をやってまして、映像と言うのは初めてなんですけれども……私の人生に起こることと言うのは全て、偶然もどんなことも必然だと思っております。今回このお話を頂いたと言うことは素晴らしい必然であると、自分の中に言い聞かせてここに立っております。この素敵な偶然を素晴らしい必然にすべくチャレンジしていきますので、どうぞ皆さん宜しくお願いします」
山本佳代子(施設の仲間)
「今回、主人公・早紀の考え方や生き方、強さを考える切っ掛けとなる役だと監督から伺いまして、非常に遣り甲斐を感じております。監督から課題が出ておりまして……“艶やかさ”と言われておりますので、一生懸命頑張りたいと思います。宜しくお願いします」
時間にして20分ほどの制作発表であったが、全スタッフ・全キャストから熱い想いがひしひしと伝わってきた。
“ご当地映画”を撮るのではない……“三河映画”が撮りたいのは、“世界基準の映画”だ!――そんな想いに、鳥肌が立った。
三河から世界へ――そんな想いを本気で抱く“三河映画”の熱き情熱に、そして、映画作りを支える三河地域の厚きサポートに、俄然注目していきたい。
映画『Ben-Joe』は、夏から秋に向けて本格的に撮影がスタートする。
取材・高橋アツシ