岩田剛典、マッケンは人懐っこい弟『名も無き世界のエンドロール』完成報告会見



岩田と新田が初共演し、見事なタッグを披露した『名も無き世界のエンドロール』の完成報告会見が行われ、岩田剛典、新田真剣佑、山田杏奈、中村アン、佐藤祐市監督が登壇した。(2021年1月7日 TOHOシネマズ六本木ヒルズ)

本作のストーリーは、幼馴染みのキダ(岩田剛典)とマコト(新田真剣佑)は強い絆で結ばれていて、共に成長してきた。自動車の修理工場で働く2人の前に人気モデルのリサ(中村アン)が現れ、彼女に興味を持っていたマコトは、突然仕事を辞めて姿を消してしまう。それから数年後のクリスマス・イヴ。彼らは「プロポーズ大作戦」を決行するのだが――。ラストに隠された予想外の展開に、心を揺さぶられる内容となっている。

裏社会で交渉人として生きるキダを演じた岩田は「心優しく穏やかなキャラクター。とある出来事をきっかけに人間がまるごと変わってしまう。大人の時期と学生の時期を大きく演じ分けるコントラストを意識した」と話し、学生時代のシーンでは「(新田と山田との中で)自分が一番年上なので考えすぎていた部分があって。撮影現場に入ると違和感なく幼馴染みの関係が築けて。ふたりには助けてもらった」と感謝を述べた。

本作は10年にもおよぶある計画が描かれており、新田は「10年前と現在を描いていて、10年前がより明るく楽しければラストが生きてくるので。幼馴染みの3人が楽しく生活しているシーンを観ている側も笑顔になるような感じにできればいいなと思って演じていました」と観客目線でのこだわりを披露。

強い絆で結ばれている幼馴染みの3人という設定だが、仲の良さについて岩田は「初日から和気あいあいとしていました。その日に連絡先を交換したりして」と早い段階から距離を縮めていた秘話を明かした。

岩田と新田は初共演となるが、お互いの印象について「マッケンとは、第40回日本アカデミー賞の新人賞を受賞させていただいた時に面識があったんですけど、撮影現場では初共演。メディアで見るイメージのままというか、明るくて天真爛漫なイメージ。現場が終わるころには年の違う兄弟みたいな、人懐っこい弟というような関係を築けた」と岩田はコメント。

新田も「クランクインして間もない頃に『ガンちゃん』って呼んでもいいですかと。それ以降は『ガンちゃん』と呼ばせていただいているんです。杏奈ちゃんは当時18歳で、年のレンジはあるんですけど、前から知り合いという雰囲気はちゃんと出ていましたね。僕はそれを見てほっこりしていました」と年齢差を感じさせない空気に満足したようす。

メガホンを握った佐藤監督も「最初からガンちゃんがいい兄貴でいてくれたので、僕は役者さんの関係性よりもストーリーをどうやってお客さんに伝えるかに集中させていただいた」と岩田を頼りにしていたことがうかがえた。

ヨッチを演じた山田は「10年前のパートに出てくる幼馴染みの役ですけど、10年後の出来事にも深く関わっているので存在感が残っているような役でありたいなと思いながらお芝居をしました」と自身の役が物語のネックになることも明らかにした。

ラストの重要なシーンは神戸で撮影が行われ、リサを演じた中村は「真剣佑くんのすごいパワーとぶつかり合うところで。2日間壮絶だった記憶があります」と振り返り、その中でも新田の最後の表情カットでは、監督いわく「1回目でOKのレベルだったにもかかわらず、5、6回撮りなおした」というストイックな新田も垣間見えた。

本作のキャッチコピー「ラスト20分の真実」にちなんで、充実した1年を過ごすための今年の抱負が発表され、中村は“ピアノを継続”、山田は“運動好きになる”。“笑顔”を掲げた新田は「1年を笑顔で終えるために目の前の仕事を1つ1つ頑張る」と補足し、岩田の“復活”は「今年1年が終わる頃には、エンタメが復活するよう希望を込めた」との思いを語った。

新田演じるマコトはドッキリを仕掛けることが好きという設定もあり、岩田と新田が声を合わせて「お誕生日おめでとう!」と言うと、1月8日に20歳になる山田へのサプライズとしてバースデーフラワーが登場。驚いた山田は「全然気づかなくて。(誕生日の)前日なのに誰も言ってくれなくて」と全員で隠していたことを知り、とびきりの笑顔を見せた。岩田からは「20歳は特別な年にしてほしい」、新田も「色んなことに挑戦して、失敗を恐れずに頑張ってほしい」とメッセージを送った。

最後に「サスペンスな部分をウリにしている作品ではありますが、自分としては究極の純愛であり、命の重みを伝えたい作品。ヨッチの『1日あれば世界は変わるんだよ』というセリフがありますが、1つの出来事で人はこんなにも変わってしまうことをストレートに描き、どんなことがあっても変わらない友情も表現されている。ぜひ大スクリーンで体感してください」と岩田が見どころを語って幕を閉じた。

■驚きと切なさに心奪われる『名も無き世界のエンドロール』レビュー

取材・撮影 南野こずえ


『名も無き世界のエンドロール』
2021年1月29日(金)全国ロードショー
©️行成薫/集英社 ©️映画「名も無き世界のエンドロール」製作委員会
配給:エイベックス・ピクチャーズ

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