美に効く映画【サプリ】Vol.15『グランド・ブダペスト・ホテル』
美魔女ライター 藤井まゆみ 『美に効く映画【サプリ】』
今年のベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞、公開されたアメリカでは館アベレージの売り上げが歴代NO.1となる大疾風を巻き起こしている「グランド・ブタペスト・ホテル」。女性ならその映像美に酔いしれることは間違いないし、曲者ぞろいの人間模様を観てるだけでも飽きずに男性も楽しめてしまう。
1932年、ヨーロッパ最高のホテル’グランド・ブタペスト・ホテル’に泊まりにくる客たちは皆、セレブリティなお金持ち。この客たちの求めているものは、’伝説のコンシェルジュ’と名高いグスタフの完璧な(笑)「おもてなし」にある。ある日、彼の常連客の1人である伯爵夫人が殺害され、グスタフはその容疑をまんまとかけられてしまう。身の潔白を晴らすため、愛弟子のホテルベルボーイと2人で奮闘する様が芸術的に、そして人間関係が複雑に入り混って面白おかしく描かれている。
「ザ・ロイヤルテネンバウムズ」「ムーンライズ・キングダム」でアカデミー賞候補になったウェス・アンダーソンが監督・脚本を務める。映画ファンなら説明は不要であるが、絶大な人気を誇る彼の映画は、不思議な人間たちを愛らしい映像で奇妙に包みこんだ芸術品。今回の作品は「個性的な人物達が行ったり来たりと、豪華オモチャ箱の中で悪戦苦闘する世界観」である。その箱を、私たちは上からニヤニヤと眺めている感覚に陥るのだ。コミカルながらも謎解きミステリーとしての緻密な展開とホロリとさせられるドラマ性の深さ。「ここまで究極の’おもてなし’を受けていいのか?」と、作品の’至れり尽くせり’に恐縮してしまうほどのラグジュアリーさ。見終わった直後には、立って拍手をおくりたくなったほどである。
映画に登場する主人公コンシェルジュ•グスタフ同様に大満足なサービスを観客に贈り届けるかのような本作。「ウェス・アンダーソンの最高傑作」と呼び声が高いのは言うまでもない、劇場必見の世界を魅了するエンターテイメントムービー!夏の初めから’お腹いっぱい’に体感していただきたい。
ライター 藤井まゆみ (映画コメンテーター/モデル:オスカープロモーション所属)
第1回国民的美魔女コンテスト・美肌美魔女賞・受賞。
『美ST』のTEAM美魔女として多方面で活躍する一方、LAの留学を経験するほどの大の映画好きと知識の豊富さを活かし、映画コメンテーター・映画ライターとしても活動。“映画を見て美しくなろう”をコンセプトに、美に効く映画を処方します。
ブログ http://bimajo.jp/blog/fujii/index.html
『藤井まゆみのビューティシネマ ジャーナル』 http://ameblo.jp/mayumi-fujii/
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『グランド・ブダペスト・ホテル』
キャスト:レイフ・ファインズ、トニー・レヴォロリ、F・マーレイ・エイブラハム、マチュー・アマルリック
監督/脚本:ウェス・アンダーソン
© 2013 Twentieth Century Fox
6月6日(金)TOHOシネマズ シャンテ、シネマカリテ他 全国ロードショー
公式サイト :http://GBH.JP