美に効く映画【サプリ】Vol.16『フライトゲーム』


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美魔女ライター 藤井まゆみ 『美に効く映画【サプリ】』

俳優リーアム・ニーソンと言えば、1993年のスピルバーグ作品『シンドラーのリスト』でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされ、演技派を突き進んできた’性格俳優’のイメージがある。しかし、2008年に公開された作品『96時間』を観た誰もが彼に驚いたはずだ。主役を張るニーソンの人生転機ともいえる「アクション俳優」としての活躍ぶりがピッタリとハマっていたからだ。彼は60歳近くになり、濃厚な’アクション俳優’に移行したのだ。

最新作『フライトゲーム』はニーソンの転機となった『96時間』を遥かに超える、怒涛のアクションが繰り広げられる。彼は人生に疲れきった航空保安官ビル・マークスを演じている。マークスはNY発ロンドン行き旅客機警備のため、客に装い機に搭乗する。すると彼の携帯に不可解な匿名メールが届く。「1億5千万ドル送金しなければ、20分ごとに1人殺す」。誰が何の目的でこんな脅迫をしてくるのか?乗客乗員146人に容疑をかけ、マークスは“空を飛ぶ”密室の中で必死に犯人を探すのだ。flight-game2

ニーソンのアクションヒーローは完璧なエリートではない。家族を愛し悲しさを持つ、庶民型’ダメ親父’ヒーロータイプである。本作では、ニーソン演じるブっ飛び航空保安官が疑わしき乗客たちを片っ端から脅しまくり、犯人の割り出しに自暴自棄になる。それは悲しい過去のトラウマやダメな自分を払拭したいがゆえの姿。実生活でも5年前に女優で妻のナターシャ・リチャードソンを不慮の事故で失くしてしまったニーソンだから、哀愁がひしひしと伝わってくるのだ。映画を観る観客はニーソンに応援したくなる。「頑張れ!オヤジ!」と。

頑張るオヤジ、ニーソンの迫真演技も然ることながら、本作はオープニングから観客の脳をドキドキと刺激するほどの仕掛けだらけ。推理ミステリーの展開と畳み掛けアクションを融合しているのがユニークで、近年稀に見るほど’分かりやすい’アクション映画として面白く出来ている。監督は、こちらもニーソン主役のアクション映画「アンノウン」に引き続き、スペイン出身の若手ジャウマ・コレット=セラ。CMやミュージックビデオ監督出身である彼のスタイリッシュな映像に目が釘付けになる事は予めお伝えしておこう。

アカデミー賞常連の晩年アクション俳優、リーアム・ニーソンの活躍ぶりに目を見張る『フライトゲーム』は、もう2人のアカデミー賞女優、ジュリアン・ムーアと今年『それでも夜は明ける』で助演を受賞したルピタ・ニョンゴの存在も大きい。演技派をカッチリ揃えたアクション映画の説得力のスゴさは説明無用。オリジナルタイトル『Non-Stop(ノンストップ)』にある通り、必死の演技派オヤジ、リーアム・ニーソンの“ノンストップ・アクション”の醍醐味である作品であるのだ。劇場でしかと確認を!

ライター 藤井まゆみ (映画コメンテーター/モデル:オスカープロモーション所属)fujii_mayumi

第1回国民的美魔女コンテスト・美肌美魔女賞・受賞。
『美ST』のTEAM美魔女として多方面で活躍する一方、LAの留学を経験するほどの大の映画好きと知識の豊富さを活かし、映画コメンテーター・映画ライターとしても活動。“映画を見て美しくなろう”をコンセプトに、美に効く映画を処方します。
ブログ http://bimajo.jp/blog/fujii/index.html
『藤井まゆみのビューティシネマ ジャーナル』 http://ameblo.jp/mayumi-fujii/
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『フライトゲーム』
キャスト:リーアム・ニーソン、ジュリアン・ムーア、ミシェル・ドッカリー、ルピタ・ニョンゴ、監督:ジャウマ・コレット=セラ
(C)2014 TF1 FILMS PRODUCTION S.A.S. – STUDIOCANAL S.A.
提供:ギャガ/ハピネット  配給:ギャガ
公式サイト http://flight-game.gaga.ne.jp
2014年9月6日(土)、新宿ピカデリーほか全国ロードショー

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