東出昌大「閉塞感を打ち破る映画」『菊とギロチン』初日舞台挨拶



『アントキノイノチ』、『64―ロクヨン―』などで知られる瀬々敬久監督の最新作、『菊とギロチン』の初日舞台挨拶が行われ、木竜麻生、東出昌大、寛一郎、韓英恵、渋川清彦、篠原篤、川瀬陽太、大森立嗣、瀬々敬久監督などを含めた総勢30名が登壇した。30人というテアトル新宿史上最多の人数で行われた舞台挨拶は、終始祭りのような賑やかさで、会場は活気に満ち溢れていた。(2018年7月7日 テアトル新宿)

大正時代末期、関東大震災直後の日本。閉塞的な空気が漂う中、「強く、自由に生きたい」という同じ願いをもつ二つの組織が存在した。女相撲一座「玉岩興行」とアナキスト・グループ「ギロチン社」である。二つの組織は互いに同じ意志を感じ、共に行動するようになる。「玉岩興行」の元遊女で人気力士、十勝川(韓英恵)と夫の暴力から抜け出し、一層強くなりたいという思いを持つ新人、花菊(木竜麻生)。「ギロチン社」の中心メンバー、中濱(東出昌大)と吉田(寛一郎)。中濱と十勝川、古田と花菊は仲を深め、次第に惹かれ合っていく。「自由に生きたい」という思いが受け入れられない時代の中で彼らはどのように抗い、立ち向かっていくかを描いた作品となっている。

キャストを代表して木竜麻生、東出昌大、寛一郎、韓英恵が公開初日の心境を語った。
木竜 みなさんが喋っているのを聞いていて、「ああ、こうやって映画が広がっていくんだ」と実感し本当に嬉しいです。今日観ていただいた方、それぞれ感じたこと思ったこと色々なことがあると思うのですが、(出演者の)みなさんのかっこいい姿とか、かっこ悪い姿とか全部お見せできたのではないかと思います。
東出 この作品はクラウドファンディングもそうなんですけれども、こうやって劇場に足を運んでくださるお客様がいるから、有志の方々がいるからできあがった映画です。本当にありがとうございました。おかげ様でといいますか、この仲の良い面々で作れまして、まとわりつくような夏の暑さを吹き飛ばす映画、閉塞感を打ち破る映画になったのではないかと思います。

寛一郎 撮影が終わって約二年経って、今日久々に会う人もたくさんいて、あの懐かしい現場を思い出しました。あんまり実感はできていないのですが、今日こうやってお客さんを目の前にしてみると、「ああ、今日公開なんだな」と「今」実感しました。この作品をよろしくお願いします。
 花菊のかわいがりをやらされるシーンがあって。転がりながら監督に「ダメなんだよ!!」とか言われながら毎日撮影していて。女相撲のみんなといつ監督のことをかわいがりしてやろうかと企んでいました(笑)そのくらい本気になれる現場って本当に少なくて、本当にいい思い出になったと思います。

その後、キャスト全員で劇中に登場する女相撲興行が唄う「イッチャナ節」を生披露。唄の途中でキャストが次々と四股を披露する展開に。寛一郎、東出、瀬々監督が続いて四股を披露し会場は笑いに包まれた。

そして瀬々監督へとマイクが渡り、締めの挨拶が行われた。「まだ今もこそ、この場は菊とギロチンです!この映画は皆さんのご支援があってできた映画です。来ていただいたみなさん本当にありがとうございました。みなさんの力があってからこそできました。今後もぜひ応援してください。本当に今日はありがとうございました!」と熱のこもった監督の言葉を最後に、『菊とギロチン』の初日舞台挨拶は幕を閉じた。

取材:神崎真由 撮影:南野こずえ

『菊とギロチン』
©2018 「菊とギロチン」合同製作舎
テアトル新宿ほか7月7日(土)全国順次公開!

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