ディーン・フジオカ、この作品が海を越えて駆けていけるよう『海を駆ける』初日舞台挨拶
深田監督が観る者すべてに問いかけるファンタジー『海を駆ける』の初日舞台挨拶が行われ、主演のディーン・フジオカ、太賀、鶴田真由、阿部純子、セカール・サリ、深田晃司監督が登壇した。(2018年5月26日 テアトル新宿)
本作はインドネシアを舞台に、謎の男・ラウ(ディーン・フジオカ)の周りで不可思議な現象が起こるファンタジー。世界から注目を浴びる深田晃司監督が手掛ける、フランスとインドネシア合作の日本映画となる。
不可思議な現象を起こす謎の男・ラウを演じたディーン・フジオカは「みなさんと今日はここでお会いできて嬉しく思います」とインドネシア語で挨拶し、太賀も「太賀マンジャ」と自己紹介。マンジャとは甘えん坊という意味で、インドネシアで “太賀マンジャ”とあだ名で呼ばれていたことを明かした。
また、現場では「どうやったらインドネシアで太賀マンジャが成功するかをみんなで真面目に考えていた。それくらい現場のマスコットだった」とディーンが暴露し、太賀も「いけるんじゃないかと思った自分を反省します。まずは日本でがんばろうと」と苦笑い。深田監督も「この映画がインドネシアで公開されたらオファーされますよ」と追い打ちをかけた。
現地のロケでは、雨を止ませる祈祷師・レインストッパーを起用していた話題になり、ディーンは「日本でレインストッパー業をやったら、成功すると思いますよ」と太鼓判を押すほどの存在。さらには「雨雲が近づいてくると祈りはじめ、雨雲がいなくなる。スムーズに撮影ができた。クランクインからオールアップまで雨で困ったことはなかった」と目の当たりにした光景に驚いたようす。深田監督も「スピリチャルなことは信じないようにしてきたが、これは信じた方が得」と振り返った。
印象に残ったシーンについて「海を駆けるシーン」と答えた太賀。続けて「海の中に実は橋があるんです。服が濡れてはいけない段階なのに、橋に入る前に海にダイブしてズッコケて。ずぶ濡れになるっていうのが印象に残っていますね」と失敗談を吐露。鶴田は「息子(太賀)と二人でご飯を食べているシーンが結構好きです。家族の絆とか他人には見せないリラックスした感じがいい」と見どころを話した。
最後の挨拶でディーンが「この作品って、観た人それぞれの価値観や人生観が問われる作品だと思うんです。観た人が話し合うことで面白さが深まっていくと思う。日本、インドネシア、中華圏、フランスのみならず、さらにこの作品が海を越えて駆けていけるように、応援をお願いします」と呼びかけた。
「いい映画は何かと考えると、鏡のような映画だと思っています。観た人それぞれの考え方があぶり出されてくる映画になっていれば良いなと思います。津波の被害にあっている人はどこの国にもどの時代にもいるし、世界はバラバラなようだけど、1つの海で繋がっているとも言えると思いました。世界の色んな人に観てもらって、感じてもらいたいなと思います」と本作の思いを込めて、深田監督が締めくくった。
取材・スチール撮影 南野こずえ
『海を駆ける』
配給:日活 東京テアトル ©2018 “The Man from the Sea” FILM PARTNERS
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