ディーン・フジオカ「腐りかけ」と自虐。『結婚』初日舞台挨拶

2017/06/242021/02/14

『結婚』の初日舞台挨拶が行われ、ディーン・フジオカ、柊子、萬田久子、貫地谷しほり、西谷真一監督が登壇した。(2017年6月24日　角川シネマ新宿)

直木賞作家・井上荒野の同名恋愛小説を実写映画化した本作。主演のディーン・フジオカは、数々の女性を翻弄する結婚詐欺師の古海健児役を華麗に演じ、今までのイメージを覆している。

MC　ご挨拶をお願いします。
ディーン・フジオカ　ついに公開初日を迎えることができました。まだ公開していなかったのが意外なぐらい感慨もひとしおです。
柊子　寒い季節に撮った撮影の日々が、みなさんにお会いすると昨日のことのように感じるくらい、自分の胸に強く刻み込まれた作品になったなと思います。
萬田久子　ディーン演じる結婚詐欺師、いかがでしたでしょうか。ディーンにだったら騙されていいと思った方も（笑）
貫地谷しほり　私の役は観ていない方にどう説明していいのかすごく難しい役だったので、ご覧になったみなさまにお話できるのが楽しみです。
西谷真一監督　初日にお客さんがどれくらい入るか心配でしたけれど、こんなに沢山集まっていただいて。心からありがとうございます。

MC　結婚詐欺師役という今までのイメージが大幅に変わった役どころですが、大変だったことは？
ディーン　今回、難しかったのがピアノを弾きながらセリフを言ってセリフが返ってくるシーンで。普通だったら先に自分が弾いた音を現場で流しながら演技するところを、ミュージカルみたいに通しでやったのですごくやりがいのあるチャレンジでしたね。

MC　演じた古海とのギャップや共通点は？
ディーン　僕は犯罪はしたくないので、ああいう生き方はしないだろうと思いますけど。俳優はお芝居をするという嘘があってそれに説得力を持たせて、求められた役で求められた場所で求められた時にやるお仕事で。詐欺師は法律を破っていて真逆なんだけど、実作業的にはすごく近いんじゃないかなと。ギャップは犯罪者か犯罪者じゃないかです。共通点は、誰かになりきる自分を説得するみたいな。そんな感じです。

MC　ディーンさんのイメージと古海とのギャップは？
柊子　プロモーションで取材を受けている姿を拝見していて、ディーンさんの笑顔って見ているこっちもつられてしまうような、私も一緒に楽しくなっていて。映画の中の古海の笑顔とは違うなって。
萬田　ディーンがどういう風に結婚詐欺師を演じるんだろうなと思っていたんですけど、ギャップがないぐらい結婚詐欺師になりきるというか、すごく自然に演じて。そういう意味では上手に詐欺師できるかもよ（笑）
貫地谷　私は家の中でリラックスしている古海さんが多く、騙そうというシーンがそんなにないので。現場でもイメージ通り爽やかで、監督と役について相談している姿が印象的で、真面目なイメージを持っていたのでギャップを見たかったというか。見れる期間がなかったので。
ディーン　そうですね、あっという間に雨に打たれて・・・。
貫地谷　それ言いたい！私は西谷監督と3度目なんですけど、前回のキスシーンも当日言われて、今回も直前に言われて。雨に打たれているシーンで、ディーンさんは背が高いから私の口にえらい水が入ってくるんですよ。溺れそうでしたね（笑）監督のしわざであやうく溺れるところでした。

MC　それぞれが感じる大人の色気とはなんでしょうか？
萬田　抽象的ですけど、作り出すものではなく醸し出すものだと。作れないもん。
西谷監督　大人の色気は果物の腐る直前というか、一番美味しい時。今回のディーンさんにも、みなさんにも感じますね。柊子ちゃんにはまだ感じないかもしれないけど。
ディーン　腐りかけです（笑）

MC　大人の恋愛の魅力と、人を愛することの定義とは？
ディーン　大人って付くと、なんかセンシュアルというかセクシャルというか。
貫地谷　大人になるとどう恋愛がはじまるんですかね。中高生って「好きです」「じゃあ付き合いましょう」って流れになるじゃないですか。
萬田　『小さな恋のメロディ』という映画が大好きだったんですけど、あの純粋な恋愛を今でもしたいなと思いますけどね。大人になっても駆け引きなしの、結婚とか何も考えないで一緒にいたいっていう・・・恥ずかしいわ（笑）
ディーン　終わりを意識しているか、限りある命を理解できているかがあった上での恋愛っていうことなのかなぁ。
西谷監督　オスとメスの蝶が乱舞しているような奇跡、綱渡りのロープを歩いているような破滅的な感覚を味わいながらの恋愛を感じますね。

MC　最後にメッセージをお願いします。
ディーン　（観客が持参したボードに）「振込先教えて」って書いてあるよ！じゃあ、後で（笑）1回目はまずは楽しんでいただいて、2回目は古海の心境、3回目は一人一人の女性の目線で観ていただいて、その後は何度でも繰り返し観てください。一人でも多くの人にこの映画の魅力を伝えていただけたら嬉しいです。

取材・スチール撮影　南野こずえ

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