IMG_2595
災害時の心構えや、人命救助の対処方法をシュミレーションするイベント『防災(暗闇)NIGHT』が、防災士の高階經啓さん、池田幸由子さんによって行われた。今年資格を取ったばかりの新米防災士だが、学んだことを少しでも多くの方に知ってもらうために開催に踏み切った。(2014年7月28日 武蔵小山創業支援センター)IMG_2542

「“わがこと”として考えるのがすごく大事。他人事だと思うと動き出せない」と強く訴える高階さんは、東京で東日本大震災レベルの地震が発生した場合に起こる恐怖を紹介。「地震が起きてから2時間後に東京都23区では82万人がトイレに行けなくなり、一番混雑する千代田区だと、4時間半トイレ待ちになります。30分、1時間は我慢できるかもしれない。でも、そうなるとトイレでない場所で用を足しはじめます。すぐに清潔な状態にはできません。翌日、1週間となると衛生的にも不快ですし、物取りの被害なども発生する危険があります」と話し、なかなかリアルに感じられない災害自体よりも、生理現象への意識で説明を行った。

「AEDという名前を覚えてほしい。使い方も怖くないことを知ってほしい」と語る池田さんは、東京都は救急車を呼んでも到着まで7~8分かかる現状を伝え、それまでにできる対処方法を披露。人形を使用した心臓マッサージや人工呼吸、AEDの使用方法を参加者に体験してもらうことを目的とし、消防団も協力のために駆けつけた。IMG_2614

【傷病者を発見した時の対処法】
・周囲の安全を確認する。
・3段階で声をかける。(肩を叩く強さと「大丈夫ですか!」の声を大きくしていく)
・呼吸の確認。(頭の方から胸を見る)
・周囲の人を呼ぶ。
「119番呼んでください」と言う。(「救急車呼んでください」と言うと「何番だっけ?」とパニックを起こさせるため)
「AEDを持ってきてください」と言う。(駅、コンビニには必ずある)。

【AED使用時の注意点】
・服を脱がすため、傷病者が女性だった場合、男性の野次馬には後ろを向いてもらう。
・AEDは心臓を挟むように装着するので、ブラジャーは金属が焦げるため切る。ネックレスも切るか、首の後ろに回す。
・汗をかいている場合や海などでは体を拭く。

【止血についての注意点】
・血が出ている場合、感染病防止の為に素手では触らない。コンビニ袋などを手にはめ、流出箇所をタオルで抑える。IMG_2549

『防災(暗闇)NIGHT』と称されているだけあり、照明を消して手巻きランタンを点灯した暗闇の中で防災食を食べるという疑似体験も行われ、缶のパン、カレー、うどん、飲むごはん、ポテトサラダ、カンパンなど様々な種類の防災食が並んだ。普段はなかなか口にすることのない物ばかりとあって、参加者からは「美味しい」「これはちょっと・・・」など冷静な感想を言い合う姿も見受けられた。

震災時シミュレーション支援アプリ「もしゆれ」、AEDがどこにあるか分かるアプリ「日本全国AEDマップ」、懐中電灯のアプリもなども紹介され、気軽に備えられることはまだまだあるようだ。災害は突然起こるもの。できること、知れることを常に意識すれば、最悪の事態を最小に食い止められるのではないだろうか。

東日本大震災以降、風化させない思いと流れていく時間の中には、忘れたくない人と忘れられない人が共存している。
何事も、失う前に気付けること。それこそが大事なのだろう。

取材・スチール撮影 南野こずえ