函館市民との手作りな映画。『海炭市叙景』記者会見レポート!



函館市民の協力を得て制作された映画として注目されている『海炭市叙景(かいたんしじょけい)』。2010年10月28日(木)、第23回東京国際映画祭にて記者会見が行われた。登壇者は写真左より、熊切和嘉監督、小林薫さん、南果歩さん、三浦誠己さん、加瀬亮さん。

質問:一言ずつご挨拶をお願いします。

 熊切和嘉監督(以下:熊切監督) 大勢の人の思いが沢山込もった映画ですので、それを映画祭で上映して頂いて本当に嬉しく思っています。

小林薫さん(以下:小林) 函館の方々の手作りな映画でして、協力金、お弁当や移動の運転など、市民の方から力を頂いた作品だと思っています。異例な制作だったと思います。

南果歩さん(以下:南) 函館市という地方都市、そこの人・土地・空気・景色が全てフィルムに焼きついていると思います。 沢山のボランティアの皆さんが全編協力で出来た映画で、スタッフだけでなく、キャストも現地でオーディションを行い、市民の方が出演しており、スタッフ・キャスト、プロとアマの境界線がないような、新しい映画の形じゃないかと思うほどの素晴らしい融合がありました。

三浦誠己さん(以下:三浦) もっとも観たい映画だと思いましたし、観て欲しい映画だと思いました。函館の皆さんにご協力を頂いて、東京で撮る映画とまた違った空気間や、雪を待つ、太陽を待つ、雲を待つ、というような映画本来の姿というか、贅沢なことができた現場だったので、役者としても、これからの人生の考え方も、180度変わった思い出深い作品です。

加瀬亮さん(以下:加瀬) 今の時代に、このような小さな企画が生き延びて純粋に形になったことをとても嬉しく思います。

質問:プロとアマの役者さんが一緒にやる中で、違和感などはありましたか?

加瀬 違和感というよりは、すごく色んな偶然や生々しさが画面に入り込んでくれたと思いますし、役者として十年近くやってきた自分の、肉付いた余計なアカを意識させられてすごく勉強になりました。

小林 プロということへの戸惑いをどこかで抱えていないと、フレッシュさや芝居のドキドキに出会わなくなってしまうなと思います。 加瀬君と同じように、(芝居に向き合っている素人の方と一緒にやる事で)我々が余計なモノを逆に意識してしまうという意味での鏡にはなりますね。

三浦 僕は素人の方よりNGが多いと監督に叱られました(笑)

 その土地に土着している人たちと一緒にできたことで、オールロケで撮る意味、その土地でしか生み出せないモノを頂いた気がしています。
※画像はクリックで拡大できます。


『海炭市叙景』 
海炭市とそこで人生に苦い想いを抱えて生きる人々の姿を、優しく包み込むように描かれている。不遇の小説家・佐藤泰志の幻の小説を映画化。函館を舞台に、市民の協力を得て作られた作品。
監督:熊切和嘉 出演:谷村美月、加瀬 亮、小林 薫、南 果歩、竹原ピストル 
2010年/ 152分/日本語/日本/配給:スローラーナー 
©2010 佐藤泰志/『海炭市叙景』製作委員会
2010年11月27日(土)函館シネマアイリスにて先行ロードショー。
12月18日(土)渋谷ユーロスペースにて 他全国公開。
公式HP:http://www.kaitanshi.com/

映画祭名称  第23回東京国際映画祭
開催期間2010年10月23日(土)から31日(日)
公開劇場六本木ヒルズ(港区)ほか
チケット情報 2010年10月8日より前売り券発売開始!!
公式HP http://www.tiff-jp.net/ja/
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取材・スチール撮影 南野こずえ

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