小川紗良、アテ書きのような役をいただけて嬉しい『ビューティフルドリーマー』初日舞台挨拶
『踊る大捜査線』シリーズでお馴染みの本広克行監督が、押井守の脚本『夢見る人』を実写映像化した最新作『ビューティフルドリーマー』。大学の映画研究会の部員たちが、映研に伝わるいわくつきの台本『夢見る人』を映画に作り上げるために、さまざまな困難に見舞われながらも撮影に挑む、コミカルタッチな青春ストーリーである。公開初日に舞台挨拶が行われ、主演の小川紗良、藤谷理子、神尾楓珠、内田倭史、ヒロシエリ、森田甘路、池田純矢ら出演者、そして本広克行監督が登壇した。(2020年11月6日 テアトル新宿)
『夢見る人』を監督する映研部員を好演した小川は、実際に女優業だけではなく映画監督としても活躍中。
「学生の時に3本短編映画を撮って、本広監督が以前にやっていた映画祭にかけてもらったことがご縁で、自分がやっていたようなアテ書きのような役をいただいたのが凄く嬉しい。現場では監督としての経験が生きていたらいいなと思いながらやっていました」と出演の経緯を語った。
舞台挨拶でMCを務めた池田以外の6名は映研部員役。
カメラ担当役の神尾が「(森田)甘路さんだったり、(ヒロ)シエリちゃんが、とにかくふざけていて」と語るほど、撮影を通して役者たちの仲が深まっていったという。「(出演者たち)みんなの距離が近くて、撮影当時はコロナも全然なかった時期なので、凄い『ぎゅっと』していたんですよね。そのときのみんなのワチャワチャ感がそのまま映っていると思うので、それを素直に楽しんでいただけたらと思います」(小川)
現場では完全な脚本を用いず、口頭の打ち合わせでセリフを作り上げるエチュードという即興スタイルで撮影が進行したとのこと。
小川は「現場で私たち、仲良くなり過ぎて、撮影の合間にトランプとかやってめちゃくちゃ盛り上がって。でも、その時間が意外とエチュード、即興芝居の稽古になっていたと後から思いました」と本広監督の手法に感心した様子。「エチュードで作っている感じがスクリーンに出ています。エチュードならではの細かいセリフとか、横でふざけているシーンがいっぱいあります」と、メイク役のヒロは観賞ポイントをアピールした。
エチュードに戸惑っていたと語ったのはプロデューサー役の藤谷と録音担当役の内田。
「いつカメラが回っているのかわからないので、撮影期間中はずっとカメラが回っていると考えていました」(藤谷)「監督がムチャ振りをするので、冷や汗をかきながら右往左往していました」(内田)
これらの意見に対して、本広監督は「みんなはムチャ振りに応えられる優れた人たち。台本通りやればいい時代は終わっている。実験映画なのです、この映画は」。
役者たちを大いに褒め称えた。
取材・撮影 シン上田
『ビューティフルドリーマー』
配給:エイベックス・ピクチャーズ
(C) 2020 映画「ビューティフルドリーマー」製作委員会
11月6日(金)からテアトル新宿、シネ・リーブル池袋ほかにて全国順次公開