あの佐川一政が出演するドキュメンタリー『カニバ/パリ人肉事件38年目の真実』戦慄のトークイベント



1981年、『パリ人肉事件』と言われる猟奇殺人事件がフランス・パリで起こった。日本人留学生の佐川一政が、愛した女性を射殺し、遺体を食べたのである。
事件の2年後、佐川は心神喪失で不起訴となり、日本へ強制送還。精神病院に入るものの、後に小説家やタレントに転身。事件から38年が経過した現在、佐川は入院中という。

『カニバ/パリ人肉事件38年目の真実』は今から約3年半前に、自宅療養中だった佐川一政と、その介護をする弟の佐川純を撮影したヴェレナ・パラヴェルとルーシァン・キャステーヌ=テイラーによって作られたドキュメンタリー映画。各国の映画祭で途中退場者が続出した衝撃作である。

公開初日には、出演者とスタッフらによるトークイベントが開催。映画に出演した佐川純(佐川一政の実弟)と里見瑤子、佐藤寿保、根本敬、姫乃たま、角由紀子、叶井俊太郎、石丸元章、ケロッピー前田が登壇した。(2019年7月12日 渋谷ロフト9)

「この映画がフランスで公開されて1年が過ぎても、日本ではどの配給会社も買付けを拒否。20社ぐらい当たっても拒否されました」と映画プロデューサーの叶井氏は語る。
最終的に配給元となったニュースサイト『TOCANA』の編集長の角氏も、佐川一政に対する世間の強い風当たりを感じたという。
映画公開に伴い、現在1000部限定で復刻発売されている佐川一政の著作による漫画『まんがサガワさん』は、猟奇的内容ゆえに印刷所からことごとく拒否。
「やっと見つかった印刷所からは、『やってもいいけど高いよ』と言われましたが、お願いしました」
事件から38年が経過しても日本人には佐川アレルギーが残っているようだ。

弟の純も兄が描いた漫画に関しては受けつけないと断言。映画の中で10分近く、この漫画のページをめくり、残虐な絵と内容についてダメ出しを続けていた。猟奇的な兄の介護をする常識的な弟と誰もが思うはずである。
ところが、その後のシーンにおいて弟が衝撃の性癖を公開……。
イベントの終盤で、有刺鉄線やいくつかの危険物を取り出し「気持ちいい」という実演を行ったのだ。

この映画には2つの大きい見どころがある。
約20年前にビデオで共演してからデートもする間柄になり、今も思いを寄せている里見と再会した兄。衝撃的な性癖をカミングアウトした弟。
誰もが衝撃を受けるであろう。
各国の映画祭で途中退場者が続出したというのは決して宣伝文句ではない。直視できないシーンは数多くある。

取材・撮影 シン上田

『カニバ/パリ人肉事件38年目の真実』
7月12日よりヒューマントラスト渋谷ほかにてロードショー

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