岩井俊二監督、奇跡的なキャスティングと自信!『リトルレター』&『ラストレター』試写会



ショートムービー『リトルレター』&映画『ラストレター』の試写会が行われ、メガホンを握った岩井俊二監督が登壇した。(2019年12月21日 LUMINE0)

確固たる作品を世に送り出し続ける岩井俊二監督が手掛けた最新作『ラストレター』が、キットカットとコラボレーションしたショートムービー『リトルレター』(6分55秒)。受験生の娘(森七菜)と母(映見くらら)がキットカットをきっかけに心通わせるストーリーで、12月23日より特設サイトにて公開となる。

ショートムービー『リトルレター』の主演で、映画『ラストレター』にも出演している森七菜について「いそうでいない。歌もいい声で。色んなものを持っている子で、これからが楽しみですね」と今後の活躍に太鼓判を押した。

『リトルレター』では森が走るシーンが多く「撮影の半分くらいは走るシーンだった」と振り返り、こだわった点について「母役の映美くららさんのキャスティング。短い作品なので、一瞬で説得力を持ってハッとさせるキャスティング」と短編ならでは見どころを述べた。劇中では紙パッケージになったキットカットの外装で折り鶴を折るなど、受験生を応援する思いが込められている。

岩井監督の代表作でもある『Love Letter』、1月17日より公開の『ラストレター』、さらにはショートムービー『リトルレター』と、“手紙”への特別な思い入れを聞かれると「パソコンを整理していたら、昔書いた「夏の手紙」という短編がありまして。ちょっと『Love Letter』の原形になるようなもので、その頃から手紙の話を作りたかったんです」とかなり前から思い入れがあったことがうかがえた。

また、「手紙を書くという佇まいは日常から消えているなと。便箋に向かって書くという姿も美しいんですけど、読むっていうのがまたいい。今回の映画『ラストレター』では、広瀬すずちゃんと森七菜ちゃんが読むシーンが多くて、読んでいる佇まいも何ともいいものだなと」と違った角度からも手紙の魅力を語った。

さらには自身が受け取った手紙の話になり「作った映画を観てくださった何人かの先輩監督から、お手紙をしたためていただいて。宝物ですよね。高畑勲監督、篠田正浩監督、大林宣彦監督からいただいて。すごく励みになります。ここまでやってきて良かったくらいの気持ちにさせられました」との素敵なエピソードを披露。

映画『ラストレター』は、夏の仙台を舞台に、手紙の行き違いをきっかけに、知られざる過去が明らかになっていく切ないラブストーリー。松たか子、広瀬すず、神木隆之介、福山雅治といったキャストに加え、『Love Letter』で共演した中山美穂と豊川悦司の出演も話題になっており、重要なシーンでの登場は鳥肌もの。ファンならずとも2人の存在感には圧倒される。

豪華なキャスティングについて「スケジュールが合わず、イメージ通りのキャスティングはそうそう上手くいかない。今回は見事にスケジュールが合って。奇跡的なキャスティング」と自信をのぞかせた。

イベント終了後の囲み取材では、今後「〇〇レター」で作品を作る可能性について「Love Letter、Last Letter、Little Letterと“L”にこだわってきたんです。思いついたらあるかもしれません」と笑顔を見せ、先輩監督からもらった手紙がどの作品だったかを聞かれると「大林宣彦監督は『リップヴァンウィンクルの花嫁』だった気がします。高畑勲監督は『リリイシュシュのすべて』で、篠田正浩監督は『リップヴァンウィンクルの花嫁』でした」と答えた。

取材・撮影 南野こずえ

『リトルレター』特設サイト
https://nestle.jp/brand/kit/juken2020/little-letter

記事が気に入ったらいいね !
最新情報をお届け!

最新情報をTwitter で