アフリカの元子ども兵たちの現在に迫る『RETURNEES(リターニーズ)』レビュー


映画『RETURNEES(リターニーズ)~元こども兵 それぞれの再起~』の舞台は東アフリカ・ウガンダ北部。反政府武装勢力LRAに拉致され、子ども兵として戦いに繰り出された人たちとその家族を2年にわたり追い続けたドキュメンタリーである。タイトルにあるRETURNEESの意味するところは、戦場から故郷へ帰還した人々。2023年に故郷に戻り、日常を取り戻そうとする元子ども兵たちの姿が、日本のNPO『テラ・ルネッサンス』による支援活動を通じて描かれている。

不幸なことに、元子ども兵たちの困難は帰還してからも続く。仕事難、村人から向けられる偏見、トラウマから蘇る悪夢といった問題に直面する。それでも、家族を養うために農業に取り組む若者や、仲間と共にビジネスを始める女性は、未来への希望を胸に歩みを止めない。

紹介されているエピソードや映像は衝撃的なものばかり。アフリカで起っている惨劇について、大半の日本人は情報をあまり持たないこともあって。理解し難い現実も少なくない。一例を挙げると、かつて拉致された被害者と、拉致の実行犯であった加害者が共に帰還して、再スタートを目指すという現実。加害者が罪をつぐなったとはいえ、わだかまりは残らないのだろうか。いろいろと考えさせられる場面は多い。

帰還した者たちの心理的ケアや職業訓練などを、地域との橋渡し役をする『テラ・ルネッサンス』のひたむきに取り組む様子も興味深いものがある。小川真吾氏を中心とした活動は20年以上も続いているとのこと。2026年には500名を故郷に戻す計画が進行中という。遠く離れたアフリカの地で、有意義な活動をしているこの団体の存在に誰もが驚かされるであろう。

文 シン上田


『RETURNEES(リターニーズ)~元こども兵 それぞれの再起~』
監督・撮影・編集・菊地啓
プロデューサー・上田 未生
製作・日本電波ニュース社
2026年4月3日(金)キネカ大森、4月5日(日)シネマアミーゴ、4月25日(土)第七藝術劇場ほか全国順次公開

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