高杉真宙、僕が自分の中にいる感覚。劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』大ヒット御礼舞台挨拶



劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』大ヒット御礼舞台挨拶が行われ、高杉真宙、Lynn、藤井ゆきよ、牛嶋新一郎監督、主題歌を担当したsumikaの片岡健太、小川貴之、荒井智之、黒田隼之介が登壇した。(2018年 9月8日 川崎チネチッタ)

累計発行部数260万部を突破した小説『君の膵臓をたべたい』は、2017年に実写映画化され大ヒットを記録。衝撃的なタイトルとは裏腹に切なくも儚い2人の時間を描いており、本作ではアニメーションならではの映像美とともにsumikaによる楽曲をマッチさせ、幻想的な世界観を醸し出している。

主人公・僕を演じた高杉は「sumikaのみなさんと舞台挨拶ができて嬉しいです。ちょっと緊張しているんですけど」と喜びを交えて挨拶し、ヒロイン・桜良を演じた声優のLynnは「普通のことをしている毎日が大切なんだよという作品ではあるんですけど、でもこういう特別な瞬間が幸せだったりして」と笑顔を見せた。sumikaの片岡は「普段は映画館では客席側で観ていて、こちらの方に立つのが初めてなのでドキドキバクバクしています」と初の舞台挨拶に緊張の面持ち。

オープニングテーマ・劇中歌・主題歌を手がけているsumikaだが、オープニングテーマ「ファンファーレ」について聞かれると、「曲から先に作ってほしいと言われたんです。つまり、曲ができないと絵が描けないということだなと。いい曲を作らないと何もはじまらないなというプレッシャーがあった」と片岡が制作秘話を吐露した。

曲を聞いた牛嶋監督は「ものすごくエネルギッシュだなと思いました。曲に対して同じエネルギーでぶつけると絵の方が負けるだろうなと思って、曲に寄り添うように絵をコントロールしました」と音楽と映像のリンクにこだわりの強さを感じられ、映像を観た片岡は「音楽に対して誠実に向き合っていただけて、愛情にあふれたオープニングになったなと思いました。(曲を)嫁に出すと言いますか、家族になれて良かったねという気持ちになりました」と感動したことを明かした。

劇中歌「秘密」が使われているシーンでは、絵コンテが先にある状態でどれだけ曲をマッチングさせるかにsumikaはこだわったと言い、初めて声優に挑戦した高杉はそのシーンについて、「僕と桜良のハッピーエンドだと思ってやっていました。2人が距離を近づけていく上で最大のところかなと思ったので、映像を観たときは鳥肌がすごかったですね」と振り返り、Lynnは「全編通して一番穏やかな心と言いますか、声の出し方もやわらかいお芝居になっていたかなと思います。この幸せな状態で終わってほしいみたいな(笑)」とお互いに印象的なシーンであることがうかがえた。

また、作品の感想を聞かれた黒田は「曲を作って完成したのではなく、映画の中で聞いてようやく完成したんだなと思いました。最初は泣くような話ではないんですけど、最初からずっと泣きながら観ました」と告白。「原点を振り返りつつも新しいバンドの可能性に出会えたという、僕たちにとっても宝物のような作品になりました」と荒井は思いのたけを述べた。

最後の挨拶では片岡が「この映画は物語の中だけではなくて、自分の人生にプラスにして、ポジティブに歩いて行くために作られた作品だと個人的に思います。一緒に楽しい人生を歩んで行きましょう」と思いを込め、高杉は「この作品に関わることができて、幸せだなと思っています。僕(というキャラクター)とともに成長させていただいて、自分の中にいるような感覚で。観た後にそれぞれのキャラクターがみなさんの中で生き続けて、成長していただけたら嬉しいなと思います」と呼びかけて締めくくった。

取材・撮影 南野こずえ


劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』
©住野よる/双葉社 ©君の膵臓をたべたい アニメフィルムパートナーズ

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