木村文乃、童心に返った気分『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』公開記念舞台挨拶



『メアリと魔女の花』で、世界に鮮烈なデビューを飾ったスタジオポノック初の3編から成る短編アニメーション『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』の公開記念舞台挨拶が行われ、声優を務めた尾野真千子、木村文乃、鈴木梨央の女性陣と共に米林宏昌監督、百瀬義行監督、山下明彦監督が登壇した。(2018年8月25日 TOHO シネマズ日比谷)

「カニーニとカニーノ」脚本・監督 米林宏昌
サワガニの家族、父トトとカニーニ(木村文乃)、カニーノ(鈴木梨央)の兄弟は川底で巨大な魚達から身を隠しながら平和に暮らしていた。ところがある日、大嵐がカニーノを襲い、危機一髪の所をトトに救われるが、身代わりにトトが巨大な泡の固まりに飲み込まれて連れ去られてしまう。カニーニとカニーノは愛する父を探すため、生まれて初めての旅に出発することにするのだが――?

「サムライエッグ」脚本・監督 百瀬義行
東京の府中に暮らす少年シュンは、野球が好きで活発な小学生。ダンススクールで働く母(尾野真千子)からの温かい愛情を受け、元気にのびのびと生活していた。しかしシュンは母の留守中に、極度のアレルギーの原因である「たまご」が入ったアイスクリームを誤って口に入れてしまう。突如起こった身体の異変に、シュンがとった行動とは――。実話を元に描く母と少年の愛と感動の物語。

「透明人間」脚本・監督 山下明彦
古ぼけたアパートで暮らす透明人間の「青年」は、誰にも見つけてもらうことが出来ず、コンビニの自動ドアにもATMにも認識されない。ついには重力からも見放され、次第に身体が空高く舞い上がっていってしまう。「このままでは消えてしまう」と命の危機を感じた透明人間はー?都会の隅で生きる見えない男の孤独な闘いを、手に汗握るアクションで魅せる意欲作。


MC 尾野さんは『サムライエッグ』で声を担当されて、まだ絵が出来ていない状態で声を入れたと伺ったのですが、大変だったんじゃないですか?
尾野 そうですね、動かないんです。絵が。何か様子がおかしいわけです。
百瀬監督 プレスコっていいまして、最初に台詞をとってそれにあわせて絵を描くっていう順番が違う方法を取らせてもらいました。
尾野 そう、それが言いたかった。

MC 完成した映画をご覧になった感想を、木村さんから伺えたらと思うのですがいかがでしょうか。
木村 私達が普段見ている自然というものが、視点を変えるだけでこんなに違って見えるんだな、と思ったのが第一印象で、何よりもびっくりだったのがタヌキとかサギや、かなり気持ち悪い魚とか、ああやって描かれると逆に川に行って見てみたいと思って。私達が演じたカニーニとカニーノには脅威でしかないんですけど、人間の目線から見た違いっていうのが結構あって。童心に返ったような気分になりましたね。

MC そのあたり、監督としては気をつけていた部分なんですか?
米林監督 そうですね。実際に奥多摩のほうに足を運んで、水中カメラで撮ってみたりしたんですけども。アニメーションにする時に誇張したほうが良いだろうなと思ったので、水中はより華やかな世界にしたり、魚はより怖くしたり、アニメーションならではの作り方を意識しました。

MC 鈴木さんはいかがですか?
鈴木 世界観が凄くて映像も綺麗で、キャラクターとかの表情も可愛くて、18分間という時間の中でも物語がたっぷりと詰まったほっこりする作品でしたね。

MC 尾野さん、木村さん、鈴木さんにとって、ご自身に「ちいさな英雄」という存在はいらっしゃいますか?
尾野 ちいさな英雄ですか。なんだろう…私にとっては事務所の方々ですね。小さくないんです、大きいんです、とっても。陰で色んなことを私のために頑張ってくれたりとかすると、私にとっては大きいけど、端から見たらすごくちいさな英雄のような…なんかつまんない回答よね、これ。
木村 三作品通してもそうなんですけど、今回、赤ちゃんがとにかく印象的にキュートに力強く描かれていると思っていて。ついつい可愛い、とかそういうふうにだけ思ってしまいがちですけど、この人たちが私達を支える世代になっていくんだな、と。立派な英雄なんだなって思ったりしました。
鈴木 私は、女の子の友達で一人だけ本当に心から信頼している友達がいて。本当に優しくて、自分の中での一番の大切な友達で、英雄ですね。

最後の鈴木の回答に、会場全体がほっこりとした温かい雰囲気に包まれ、鈴木を見つめながら楽しそうに話す尾野と木村の様子から共演陣の仲の良さが伺えた。尾野と木村は観客に手を振ったり声をかけるなどのファンサービスを披露し、会場は大きく盛り上がり、終始笑顔が絶えない和やかな空気の中で舞台挨拶は終了した。

取材 福井原さとみ

『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』
全国絶賛公開中!
配給 東宝(C)2018 STUDIO PONOC

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