ファンタジスタに、ファンド出すだ!木場明義監督『つむぎのラジオ』制作中


unnamed-3のコピー映画制作団体【イナズマ社】主宰・木場明義(こばあきよし)監督といえば、国内外の映画祭で入選・入賞を果たしている“映像のファンタジスタ”である。今年3月シアターカフェ(名古屋市 中区 大須)で、【Welcomeファンタジスタ! 木場明義監督特集】が開催されたのも記憶に新しい。

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近年は、SFやファンタジー風味を利かせたコメディなどの短編映画をメインに制作してきた木場監督だが、数年ぶりに長編映画を制作するとの一報が舞い込んできた。
映画のタイトルは、『つむぎのラジオ』。
身近にあるのにもかかわらず、まだまだ偏見の多い統合失調症を題材にした物語なのだそうだ。

今回、木場監督のインタビューを取ることが出来た。『つむぎのラジオ』クランクイン直前という大変慌しい時間の中、木場監督はメールにて回答を寄せてくれたのだ。

Q. 『つむぎのラジオ』は久々の長編映画ということですが、監督はどのくらいの尺からが長編とお考えですか?

木場明義監督 一般的には1時間を区切りに短編と長編を分けますが、個人的な感覚では「長編撮るぞー」って考えると、90分くらいのボリュームのストーリーを考えるかなぁ。

Q. 短編と長編では、撮り方、取り組み方に違いはありますか?

_1100343木場監督 自主映画ですと短編の方が映画祭など発表の場も多く、気軽に観てもらえますし、リスクが少ない分実験的な事もしやすいですが、やはり監督としては長編で勝負したいので俄然気合いが入ります。そもそも映画産業は長編で成り立っておりますしね。長編映画を撮れる環境にあるのなら撮るべきだと思ったりもしますし。
また短編と長編では脚本を書くのにも推敲するにも時間の掛かり方が全然違うので大変です。僕が書くのが遅いのもありますが…。当然読みなおしするのも時間掛かりますし、一回通して役者さんと読み合わせするだけで3、4時間掛かっちゃいますし。要するに時間掛かります。ちなみに『つむぎのラジオ』は1年くらい掛けてちまちま書いたのを、さらに半年くらいかけてちょこちょこ直したものですが、だからといって時間掛ければいいってわけでもないですしね…。当然準備なんかも大変ですけど大変さについてはなるべく考えないようにしています。大変ですからね。
でもまぁ、短編でも長編でも、映画作りは楽しいです。

Q. ヒロインの長谷川葉生さんは木場監督作品初出演だと思います。長谷川さんを起用した理由は?

07c37005-21d3-4589-b5d6-4377木場監督 今回のヒロインは役どころも難しい上に、なかなかイメージに合う方がいなかったのですが、長谷川さんを紹介して頂きまして、写真や映像を拝見させて頂いていたのですが、実際お会いするといい意味でイメージとのギャップがありまして、ちょっと一緒にやってみたいという好奇心が湧いたのでお願いしました。毎回キャスティングは迷いますし、実際に撮影してみないと分からないところがありますので悩ましいですけれども。

Q. そして、木場監督作品お馴染みのキャストさんもズラリ揃ってますね?

aaaf382e-a78b-4515-adb2-35ab木場監督 今回の準主役の中山雄介さんという役者ですが、初めて僕の作品に出演して頂いた『スリッパと真夏の月』という作品では、彼は同時期に別の現場で髪の毛を白髪にしたのですが、キャスティングが決定するまで白髪にすることを隠していたので、恥ずかしいカツラをかぶせて出演させてやりました。結果いい味出して頂きました。すばらしい役者さんです。

9347e5da-4f65-46c1-8948-8737また同じく『スリッパと真夏の月』に出演して頂いた米澤成美さんは当時、撮影が真夏にも関わらず家の電気を止められていたという強者です。すばらしい役者さんです。

IMG_20160520_225044また今回マスター役でお願いしている藤井太一さんは『さよならファンタジー』という作品で主演をしていただいていたのですが、文句なしの実力派俳優で安心してお願い出来る貴重な素晴らしい役者さんです。

ここ数年僕はほんとにすばらしい役者さんに恵まれておりまして、僕の小規模な作品でもみなさんしっかりやっていただいているので本当に感謝しております。ですので映像関係者の皆様、是非とも安心して起用してくださいませ。

Q. 撮影前の作品なので、敢えて質問します。「こんなシーンを必ず撮るので、絶対観て!」ってシーンがあれば、教えてください。

木場監督 今回は作品の構造的にはミステリーとも言える作り方をしております。また、過去と現在を頻繁に行き来する構成で物語は進んで行きますので、時間の繋がりと作品の冒頭で投げかける謎を追いながら楽しんで頂ければと思います。

木場明義監督、貴重な時間を割いていただき、そして丁寧に回答していただき、本当に有難うございます。

『つむぎのラジオ』は、クラウドファンディングで制作費を募っている。
木場監督ファン、イナズマ社フリークが援助の声を挙げられるように、きめ細かい特典(プライズ)も用意されている。
そして、新たに興味を持った映画ファンが手を差し伸べやすいように、様々な値段帯(プライス)が設けられている。
ちなみに、特典の一つである試写会は、東京・大阪・名古屋で開催予定だそう。

クラウドファンディングの締切は、6月30日。
『つむぎのラジオ』に、新たなる“表現の翼”をもたらすもの――それは、あなたの応援なのかもしれない。

《『つむぎのラジオ』クラウドファンディング詳細は、こちらへ》
【長編映画『つむぎのラジオ』制作支援のお願い。】
https://motion-gallery.net/projects/tsumugi

取材 高橋アツシ

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