美に効く映画【サプリ】Vol.1 『アパートの鍵貸します』


美魔女ライター 藤井まゆみ『美に効く映画【サプリ】』


映画好き”と色んな場所で言葉を発していると、『何か面白いオススメ映画ないですか?』と質問されることが多い。『その人にとって、何が面白いだろう?』と考え 小出し小出しで、『これはどうですか?』と頭の中をぐるぐるとさせ、呈示する傾向がある。実は、頭の中で筆者が『面白い』と定義付けして、人に薦めるポイントが一つある。それは作品の中に『笑い』があることだ。人は『笑う』ことで脳を活性化させ、”幸せ”な気分を味わうことでき、アンチ・エイジングに効果があると言う。それは科学的にも立証されている、真に『若返りの薬』なのだ。

筆者が推薦する『若返りの薬』である作品とは、今から50年以上前に公開された『アパートの鍵貸します』という、昨今言われる”ロマ・コメ”(ロマンティック・コメディ)のジャンル映画である。主人公は、かっこよくも金持ちでもない。ただのしがないサラリーマン。ニューヨークの古いボロアパートに住み、仕事が終わると一人寂しく 家で解凍ディナーを食べながら、一人寂しくテレビをつける。とてもではないが、ありきたりな上、地味でどこにでもいるような『ヒーロー』にはなれるはずもない普通の男である。

しかし、そんな冴えない主人公であっても、お金は欲しいし上司に媚びて出世をも願う。ずるがしこさを巧みに生かし、バカ丸出しで上司にいい顔をする八方美人さで出世を願うのだ。そして一方、恋もする。叶わぬ恋であっても男は突き進む。『エリート』や『ヒーロー』になれなくても、彼には”相手を思う”素直でひたむきな心をぶつけ、不器用であっても頑張ってしまうところが、この主人公の可愛いくも滑稽な姿であり、感情移入できてしまうのだ。

この作品の興味深いところは、決して悲観的なストーリーではないこと。主人公の”悲哀”を面白可笑しく描いているのだ。彼の孤独さや強がりは、言わば彼の性格である(脳天気とも言える)『前向きさ』から出る個性的なジョークで物語は展開していく。

この作品は、一人暮らしの寂しいサラリーマンのおかしな生活が中心に描かれており、その彼のユニークな生活に、第三者観から『笑い』が止まらなくなってしまうのだ。『アパートの鍵貸します』は、単に”ロマンティック・コメディ”というジャンルにすっぽり纏めてしまうと申し訳ない、”シャレ”の効いた『笑い』の作品である。観て幸せな気分になり、スッキリ”笑って”若返っていただける作品である。

ライター 藤井まゆみ (モデル・オスカープロモーション所属)

第1回国民的美魔女コンテスト・美肌美魔女賞・受賞。
『美ST』のTEAM美魔女として多方面で活躍する一方、LAの留学を経験するほどの大の映画好きと知識の豊富さを活かし、映画ライターとしても活動。
“映画を見て美しくなろう”をコンセプトに、美に効く映画を処方します。
ブログ http://bimajo.jp/blog/fujii/index.html
藤井まゆみのビューティシネマ ジャーナル http://ameblo.jp/mayumi-fujii/

『アパートの鍵貸します』
キャスト:ジャック・レモン、シャーリー・マクレーン、フレッド・マクマレイ
監督: ビリー・ワイルダー

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