『ソーシャル・ネットワーク』来日記者会見



第23回東京国際映画祭にてオープニング作品として上映された『ソーシャル・ネットワーク』の来日記者会見が10月25日(月)ぺニンシュラホテルにて行われた。脚本のアーロン・ソーキンさん、主演のジェシー・アイゼンバーグさんが登壇。(写真・左よりアーロンさん、ジェシーさん)

Q:まず、日本の皆さんにご挨拶をお願いします。

アーロン・ソーキンさん【脚本】(以下、アーロン)
今回、日本に来れて光栄です。東京国際映画祭のオープニングでグリーンカーペット歩き、とても感激しました。ジェシーと二人で世界中を(プロモーションのため)回ってますが、日本でもいろんな質問に答えていきたいと思います。

ジェシー・アイゼンバーグさん【主演】(以下、ジェシー)
日本に来れて光栄です。日本でこの映画を観てもらうのは大切だと思ってますし、
また、日本ですでに試写などでご覧になられている方の、反応がいいと聞いているので感激しています。

Q:日本に来て、気に入った場所、食べ物はありますか?

アーロン ホテルの窓越しだけでしか風景は見られないのですが、それでも、素晴らしいと思います。また、お会いした人もすばらしいです。
ジェシー 僕はNYにすんでおり、マンハッタンの日本人がいっぱい住んでいる地区の隣の街に住んでいるので、日本のものに馴染みがあったつもりでしたが。(来日して)本場の日本の食事をし、舌が超えてしまいました。

Q:アーロンさん、この映画をつくるのにあたり、どういうところに惹かれて、脚本化したのでしょうか?

まず、私はファイスブックに惹かれて、脚本化したのではありません。この映画に一番責任があるデヴィッド・フィンチャー監督は「ドランゴン・タトゥーの女」をスウェーデンで現在、撮影中です。彼も日本に来たかったのだけど、来日できなくて残念がってました。そういうことなので、彼のかわりに、僕がお答えします。
まず、この映画はフェイスブックに入っていようがいまいが、楽しめる映画です。
友情、権力、階級、裏切りという古典的なテーマが、フェイスブックという非常に現代的な舞台で繰り広げられているからです。

Q:実在の人物、事柄を書くことについて。

アーロン ノンフィクションを書くとき、僕が気をつけていることがあります。この映画の登場人物は主役のマーク(※マーク・ザッカーバーグ フェイスブック創設者 本作の主人公)以下みんな若い。そんな若い人たちや、大きな反響をもたらすハリウッド映画を書く時は、特に責任があると思っています。事柄、歴史、それに関わる人に対する責任が。医者は害を与えないと言います。私もそれを基準に「物事を作りあげない」、「(実在の人物に)害を与えない」ということを念頭において、脚本を書きます。
そして、アメリカにはそういう法律があります。その法律がなくても、私は(実在の人物、事柄を)傷つけるつもりはありません。

ジェシー マークは既にメディアの注目を集めている存在だったから、僕がこの役をやると決まった時、彼の名前だけは知っていた。しかし、彼自身がどういう人だとか、どういう顔なのかは知りませんでした。現場では「本人の真似をするな、これはフェイスブック自身がテーマでもなく、ましてやマークの映画でない。これは、今、生きている同時代の人々の物語だから」と言われました。僕は実在の彼らのことは意識しないで、この映画にのぞみました。

Q: この映画は単なるサクセスストーリーでないと感じました。ラストシーンにはどんなメッセージが?

アーロン 脚本家は俳優がどういう表情をするかまでは書けません。ジェシーのような素晴らしい俳優が再現し、人間として素晴らしく演じてくれてうれしいです。
メッセージは言いたくありません。観客が観て、自分で決めて欲しいから。既に、本作は全米で公開されていますが、観た人は同じ映画なのに、違う感想をもって映画館を出てきます。これはうれしいことです。私がメッセージを語ることで、これから見る人に先入観を持って欲しくないとも思います。

ジェシー 最後のシーンは(マークが)罪悪感につきまとわれていたからとった行動ではないかな。昔の友人に法廷でひどいことを言われ、まるで自分自身が怪物のようになっていたから、ああいう行動をとったのではないかと思います。

作品情報『ソーシャル・ネットワーク』
公開情報2011年1月15日(土)丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
監督デヴィッド・フィンチャー、製作総指揮:ケヴィン・スペイシー、脚本:アーロン・ソーキン
キャストジェシー・アイゼンバーグ、アンドリュー・ガーフィールド、ジャスティン・ティンバーレイク、ルーニー・マーラ、他
配給ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
 原作:ベン・メズリック著「facebook世界最大のSNSでビル・ゲイツに迫る男」(青志社)
全米公開:2010年10月1日 原題:The Social Network 上映時間:2時間
公式HPhttp://www.socialnetwork-movie.jp
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