堤真一、柳楽のハグに「なんでやねん!」『泣くな赤鬼』公開記念舞台挨拶



『泣くな赤鬼』の公開記念舞台挨拶が行われ、主演の堤真一、柳楽優弥、川栄李奈、竜星涼、堀家一希、武藤潤、兼重淳監督が登壇した。(2019年6月15日 新宿バルト9)

重松清の短編集『せんせい。』に収録されている「泣くな赤鬼」の映画化となる本作は、赤鬼先生と呼ばれる教師のもとで、甲子園出場を目指していた野球部の元教え子であるゴルゴと10年ぶりに再会するが、余命わずかと知る。残された時間とともに教師と生徒の絆を描く感動作。

ゴルゴを演じた柳楽は「堤さんと、先生と生徒の間柄をしっかりと描いた作品で本当に最高でした!」と見どころをアピールし、「この熱い映画を、やっとみなさんとやっと共有できることを嬉しく思います!」と和田役の竜星は喜びをあらわにした。

いっぽう、赤鬼先生を演じた堤は「昨日が初日で、うちの社長が観に行ったら10人くらいしかいなかったらしいです(笑)」と話しつつも、「言うな!っちゅう話ですね」と自らツッコミを入れて早々に笑いを誘い、撮影時は坊主のカツラだった堀家の髪型について「今がカツラっぽい!」と緊張気味の堀家を和ませた。

ゴルゴ(柳楽)の高校生時代を演じた堀家は柳楽の芝居を見学し、「好きになりました。笑顔が可愛いんですよ。人としていい人なんだろうなというのを感じて。こういう風になりたいなと思いながら演じました」とまさかの告白をしたが、「僕も好きになりました!」と柳楽が返し、客席からは笑いが起きた。

また、和田(竜星)の高校生時代を演じた武藤について竜星は「いい参考になったんですよ。(武藤の演技を)見せてもらってから柳楽さんとのシーンがあったので、すべて繋がっていたんじゃないかなと思います」と振り返った。

ドラマでも共演したことのあるキムラ緑子について、川栄は「リハから全力で号泣されていて、沢山学びました」と絶賛。キムラと連絡先を交換したが「携帯を変えてしまって、連絡先がわからなくなっちゃって。また会った時に聞こうと思っています」とおっちょこちょいなエピソードを笑顔で吐露。

再会したい人はいますか?との質問に対し、中学の野球部の監督をイメージしながら演じたという堤は、「その先生に観ていただきたかったんですけど、2ヶ月前に亡くなっちゃったんですよ。本当はお会いしたかったけど会えない」と感慨深い思いを語り、竜星は「(なでしこジャパンの)岩渕真奈選手と小学校の時に一緒にサッカーをやっていたので、また一緒にサッカーをやってみたいなと思いますね」と意外な繋がりが明らかになった。

メガホンを取った兼重監督について、堤は「こんなに優しい監督ははじめてで。怒らないし、イライラもしない。現場で助監督よりも走っている。若い人たちにも必ず今の心情をきっちり伝えてくれて。人との距離感を大事にしてくれる監督になかなか出会えない」と敬意を表し、感無量の兼重監督。

客席に向かって堤がボールを投げ、受け取った方に登壇者全員のサインが入ったサインボールをプレゼントする“赤鬼先生による始球式”が行われ、キャッチした方が竜星のファンだとわかると「握手してもらい!」と堤が計らい、竜星はハグをして沸かせた。

最後の挨拶で兼重監督が「僕の先生と言える先輩監督から、目に見えるものだけがすべてじゃない、目に見えないものを映像にするんだと教えて頂いて、それをいつも思いながら撮っています。今回は前半は劣等感やライバル心を軸に描き、中盤と後半は夢や想い、最終的に愛になっていく。そういう目に見えない空気感みたいなものを感じて頂けたら幸せです」と作品に込めた思いを語った。

川栄は「この映画を観て、先生と生徒はもちろんなんですけど、家族や友達にいつも救われていることを実感しました。みなさんの生きる活力になったらいいなと思います」と自身の感想も含めて語り、柳楽は「人間をしっかり深く描く作品に参加させていただいて本当に嬉しかったです」と話し、続けて「堤さん、ハグしてもらってもいいですか?」とリクエスト。「なんでやねん!」と言いながらも照れくさそうに抱擁する堤。

そして「若い人たちとお仕事ができたことが僕にとってもいい経験で、成長することができたと思います。こういう作品って、お客さんがなかなか入らないんで(笑)良かったと思う方は紹介していただいて、少しでも多くの人に観ていただきたいと思います」と最後まで堤が笑いを交えて呼びかけた。

取材・撮影 南野こずえ

『泣くな赤鬼』
©2019「泣くな赤鬼」製作委員会
絶賛上映中!!

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