高橋一生、恋をする後押しになれば『九月の恋と出会うまで』公開記念舞台挨拶
未来と現在のタイムパラドックスを描いた『九月の恋と出会うまで』の公開記念舞台挨拶が行われ、W主演の高橋一生、川口春奈、山本透監督が登壇した。(2019年3月2日 新宿ピカデリー)
本作のストーリーは、不思議なマンションに引っ越してきた北村志織(川口春奈)が、部屋から聞こえてくる“未来からの声”に疑問を抱きながらも頼みごとを引き受けるところからはじまり、ある事件をきっかけに隣の住人である平野進(高橋一生)に出来事を話すのだが……。切ない嘘とひたむきな想いを映し出したラブファンタジーとなっている。
ファンからの歓声や握手に応じながら客席から登場した、キャストと監督。上映後の舞台挨拶ということもあり、小説家志望の平野を演じた高橋は「どうでしたか?」と客席に問いかけると、大きな拍手を返され笑顔を見せた。不思議な現象に戸惑う志織役の川口は「昨日から公開で、こんなにたくさんの方に来ていただけて嬉しいです」とにこやかに挨拶をした。
意外にも恋愛映画初主演となる高橋だが、公開の実感を聞かれると「昨日の時点でソワソワしていました。今こうして皆さんのお顔を拝見させていただくと、面白かったと思ってくださっている方が多いのかなと思って、嬉しく思っています」と安堵の表情。「ちょうど1年前に撮影したので、1年間あっという間でしたし、やっと皆さんに観ていただけて嬉しいです!」と川口は喜びをあらわにした。
お互いの好きなシーンの話題になり、高橋は「ケチケチ言っているシーン」を挙げ、理由について「ケチという単語の中にも、気持ちが少しずつ近づいていく感じが好きだった」と話し、山本監督からも「できる限りケチって言い続けて欲しい」と指示されたとのこと。
川口が選んだのは「平野が志織を看病するシーン」。「(志織のおでこに)冷えピタを貼ってくれるぎこちない感じが良いですね。キュンとくるし、平野の人柄を垣間見れた」との理由を述べると、前髪を除けながら「失礼します」と高橋がアドリブで言ったことも明らかになった。
他のキャストとのシーンが少なく、2人だけのシーンが多かったと当時を振り返っていると「花粉がひどくて。公園がスギだらけで」と、花粉症の川口は撮影を抜けて病院に行った秘話や、海のシーンでは風が強かったため「(高橋の髪が)スーパーサイヤ人になっていた」と川口が笑いを誘った。
お互いのキャラクターで好きなところを尋ねられると、川口は「(平野は)抜けているというか、変わっているし可愛らしい一面」と答え、高橋は「(志織の)未来からの声に言われるがまま、真っ直ぐに信じてくれる純粋さ」と回答。また、山本監督が「志織のスマホケースはラベンダーの押し花を使っていて『時をかける少女』へのオマージュを込めている」とタイムリープ作品ならではの小道具のこだわりも。
“書店員が選んだもう一度読みたい恋愛小説”の第1位に輝いた、松尾由美による同名小説が映画化された本作だが、2回目に観て欲しいポイントとして「タイプリープの側面を抜きにして観ても、純粋に人が人を想うという過程が自然に作られているので、もう一度観てもらっても楽しめる」と高橋は言い、川口は「大好きな人と観に来てほしいです。真っ直ぐな想いが綺麗だなと私も思ったので」と自身の感想も交えてコメント。
最後に川口が「1回だけとは言わず、2度3度と大切な方とまた観にきていただいて、温かくほっこりしていただけたら本当に嬉しいです」とアピール。高橋も「監督のもとに「また恋がしたいです」というメッセージが届いたそうで。人が誰かを想って恋をするって、とても勇気がいることなので、その後押しになる映画になってくれているのであれば、やらせていただいて良かったと思うので。人を想うという気持ちに、改めて触れていただければなと思います」と本作の意義を呼びかけた。
取材・撮影 南野こずえ
『九月の恋と出会うまで』
公開中