岡田将生、スター大泉洋の隣で「自分も輝きたい」『そらのレストラン』公開記念舞台挨拶
大泉洋が主演を務める北海道映画シリーズの第3弾『そらのレストラン』の公開記念舞台挨拶が行われ、主演の大泉洋、本上まなみ、岡田将生、深川栄洋監督が登壇した。(2019年2月2日 シネクイント)
本作は、北海道・せたな町を舞台に、海の見える牧場とチーズ工房を営む亘理(大泉洋)が、仲間の富永(高橋努)、野添(石崎ひゅーい)、石村(マキタスポーツ)、神戸(岡田将生)らとともに、1日限定のレストランを開くまでの奮闘を描いており、家族そして仲間との強い絆をテーマに、笑って泣けて心温まる物語。
開始早々「俳優もバラエティもこなす北海道の大スター」とMCから紹介された大泉は「そろそろ北海道の大スターって呼ぶのをやめてもらっていいですか。大スターって呼ばれて出てくるのは、僕か錦野(旦)さんくらい」と話すと、客席から「洋ちゃん!」と呼びかけられ、嬉しそうに「もう、洋ちゃん!洋ちゃん!って。誰だ、岡田君って言ったの!」と早速ぼやいた。
「北海道の大スターの妻役を演じさせていただき、光栄に思います」と本上がかぶせ、岡田も「北海道の大スターの友達をやらせていただきました。スターの隣にいると自分も輝きたいなという気分になります!」と乗っかり、すかさず大泉が「大丈夫、岡田君も輝いていますよ!」とフォローを入れると、「今、僕が喋る番なので喋らないでください。スターは黙っていても輝いているので」と岡田が制止し、笑いを誘った。
さらには岡田の衣装について「すごい高い絵画のニセモノを売っている詐欺師みたい」と大泉が触れると、「次はそういう役が来るかな」と岡田はポジティブに切り返した。また、深川監督は「ホームグラウンドということで、大泉さんがいつもより活き活きしていました。主演俳優以外の役回りがとても多く、ホスト役のように迎えてくれた」と称えた。
「どんな作品だったか?」という質問について本上は「多くの出会いがあった作品。演じたこと絵という役も実在する方がいて。人口密度は少ないけれど、全力でカバーできるような仲間たちの存在があって、一体となって暮らしている。その生き方に魅力を感じた」とせたな町の人々への思いを語った。
岡田は「僕が演じた神戸は、東京から北海道に逃げる役で。僕自身もこの仕事に嫌気がさして、逃げたくなる時があって。そうか、北海道に行けば良かったんだと思うくらい。自分自身と少し重なる部分があった」と吐露。大泉に「病んでいるのか、お前」と問われると、過去の出来事であることを補足。
撮影現場に高級なお酒を持ち込んだという大泉は「みんなでちょっとずつ飲んで、残ったら自分で飲もうと思っていたら、とんでもない勢いで飲みきりやがりまして。持ってこなきゃ良かった」と悔しさを告白しつつも、「物を食べるということに対して、苦労して作っているものや命をいただいて、我々は生活しているんだなと思ってもらえれば撮ったかいがあります」と真面目に訴えながら、「好感度を上げようとしていたって書かないでください!」とマスコミ陣に釘をさした。
キャスト同士の仲の良さをそのままシーンに使用している本作だが「撮影の1か月間、役のまま人間関係が続いていた」と深川監督が話すと、大泉が「手前で風吹さんと(本上)まなみちゃんで、僕らが奥に映っているシーンだから奥の音は使われないと思っていたら、結構使われていて。確実に(役名ではなく)「マキタさん」って呼んでいたし「ざけんな岡田!」とか言った覚えがある」と振り返ると、深川監督は「いつもギリギリだなと思って見ていましたが(その辺は)使ってないです」と助言。
MCが「ある方から手紙が届いています」と手紙を読み上げはじめると「パパへ、最近いいことが起きないと言っていたけれど、大丈夫だよ。私がいるからね。漢字テスト、パパのおかげで合格したよ」と娘さんから大泉への手紙であることが序盤で判明し、お腹を抱えながら笑いをこらえる大泉。
映画を観て感動したという内容の終盤には「大人になったら、パパみたいに上手に泣ける女優さんになりたい」と書かれており、思わず「天才じゃないですか!冒頭、まったく関係ないですね。僕が人々の前に出たときにぼやくのはいいけれど、娘に「最近いいことない」って言ったのは暗いじゃないですか……なんで書いちゃうんだろう。漢字テストは関係ないじゃないですか!」とぼやきまくり、客席は笑いの渦に。
本来なら感動的な場面になるはずだが「ちゃんとサプライズにして欲しかった」とさらにぼやいた理由として、奥さんから「コレ、映画会社の人に渡して」と直接手紙を預かっていたことを明かし、付け加えて「中身は見てない。見ていたら直していますよ」と苦笑い。
翌日が節分のため、「福はうち」の掛け声とともに客席に向かって豆がまかれ、どさくさに紛れて大泉は「俺だって食べたい!」とポケットに入れたり、フォトセッションでは「フォトセッション中も喋りたいんです!」とマイクを持ったまま対応し、客席を飽きさせないよう盛り上げた。
最後の挨拶では大泉が「娘からの手紙があるってことは薄々わかっていたんですけれど、中身に驚かされました。7歳の娘が観ても「泣いた」と言ってくれまして。幅広い層に楽しんでいただける作品だと思いますので、たくさんの方に観ていただければと思います」とコメントし降壇。
しかし、会場から姿が見えなくなっているにも関わらず「映画は『そらのレストラン』、役者は大泉洋、大泉洋でございました。ありがとうございました」と選挙演説のようなマイクパフォーマンスをし、サービス精神をとことん見せた。
取材・撮影 南野こずえ
『そらのレストラン』
配給:東京テアトル
©2018『そらのレストラン』製作委員会
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