MUSIC ON,GET MONEY.
『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ホットファズ-俺たちスーパーポリスメン!』『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う』。この作品群に無条件で反応してしまうそこの貴方!間違いなくお友達になれる気がします!一度ツボにハマると抜け出せない中毒性の高い映像センスで世界中から愛されているエドガー・ライト監督が、本格的ハリウッド長編映画デビューとなる最新作を引っさげて6年ぶりの来日を果たし都内で会見が行われました。※たまたま私物のSONY製品で、楽しそうに報道陣にカメラを向けるエドガー・ライト監督。(2017年7月31日)

Q. 音楽と演技を合わせるために曲をかけながら撮影した部分はあるのでしょうか??具体的なシーンがあれば教えてください。
監督 実際に現場では音楽をかけて撮影を行いました。リハーサルの段階から音楽は全部かけていて、セリフがないシーンも大音量で楽曲をかけたり、主人公のベイビーだけが楽曲を聴いている場合は、アンセル(・エルゴート)自身がヘッドフォンで楽曲を聴いて撮影もしていました。全ての登場人物がその楽曲に反応しているというシーンであれば、みんなにイヤーウイッグを耳に入れて、みんなに聴いてもらいながら演技をしてもらっています。それぞれメソッドは異なりますが、全編音楽をかけながらの撮影をしていて、ここで大きな鍵となったのは実際に劇中で使用する音楽を、役者さんもその時に聴きながら演技をしてもらっていました。

Q. 主人公が後遺症を持っていて、音楽聴くことで覚醒するというのはどういったところから生まれたんでしょうか?
監督 初期の段階から幾つかのアイディアがあって、それがひとつになったという感じです。もともと常に音楽を聴いているキャラクターで、音楽を聴いている時にしか機能できないというところをとても気にいっています。オリバー・サックスの『音楽嗜好症』という書籍の中に、この主人公が患っている耳鳴りの症状について書かれているのをみて、実は僕自身、7・8歳の時に耳鳴りの症状を持っていることを思い出しました。家族の中で引き継がれているもので今はないんですが。人によっては耳鳴りを抑えるために一日中音楽を聴いている方がいるというのを知って、はっとしたんです。ベイビーがなぜいつも音楽を聴いているのかという理由付けになるなと思いました。ちなみに、このベイビーというキャラクターは僕ととても似ているところがあります。音楽はいつも聴いていますし、音楽は自分のインスピレーションであり、モチベーションになってくれるものだからです。

Q. 監督が仲の良い、カーアクション映画の巨匠ウォルター・ヒル監督からは何かアドバスを貰いましたか?
監督 ウォルター・ヒル監督は知り合いになってから6・7年ほど経っていて、親しくさせていただいているんですけど、正直『ベイビー・ドライバー』のアイディアを話すのはちょっと緊張しました。“あなたの作品へのトリビュートなんです”というのもの緊張してしまって、アドバスは貰わなかったような気がします。実は、映画の最後の5分で声だけなんですがヒル監督に出演して頂いているんです。僕自身それがすごく嬉しかったのは、スピリチュアルな面で監督にありがとうの気持ちを表現出来たかなと思っているんです。
ちょっと面白いエピソードがありまして、作品の試写やプレミアでお誘いはしていたんですが、中々ヒル監督が足を運ぶことが出来ず、“もしかしたら『ベイビー・ドライバー』みたくないのかな…”と心配をし始めていたところ、“いや、お金を払いたいんだ。お金を払ってこの映画をみたい。そうやってサポートすることが僕にとって重要だから”と仰ったんです。なので“初日に観に行くよ!”といわれました。お金払うなんて!と僕の方は思ったんですが、奥様と初日にセンチュリーシティモールでご覧になっていただきました。『ベイビー・ドライバー』のインスピレーションとなったひとつ、ヒル監督の『ザ・ドライバー(1978年)』はまさにセンチュリーシティモールの地下駐車場で撮影されているんです。そんなところも不思議なご縁を感じました。ヒル監督にお金を払って観ていただいた訳なので、ディナーを1回、いや10回はお返ししなきゃなと思っているところです。
ーギレルモ・デル・トロ監督も13回にもおよぶツイートをされていましたね。
監督 ギレルモ監督はロンドンで観ていただいたんです。ご本人からツイートする前にご連絡をいただいていまして、すごくたくさん褒めていただきました。そうやって他の監督の方に言葉を寄せていただくのはとても嬉しくて、中には史上最強のカーチェイス(『フレンチ・コネクション(1971年)』と『L.A.大捜査線/狼たちの街(1985年)』)を2つも撮ったウィリアム・フリードキン監督もとても素敵な言葉を作品に対してかけて下さって嬉しい限りです。ヒル監督も観た後すぐに電話を下さって、最高だったよと仰って下さいました。

Q. 『ショーン・オブ・ザ・デッド』のジュークボックスから流れるクイーンのドント・ストップ・ミー・ナウに合わせたゾンビの戦闘シーンが好きです。『ベイビー・ドライバー』ではカーアクションと音楽が見事にマッチしていますが、そのアプローチのアイディアはどのように生まれたのでしょうか?また、そこに対するこだわりがあれば教えてください。
監督 実はそのアイディアを思いついたは『ショーン・オブ・ザ・デッド』を作る前でした。そこまで全体像が見えていた訳ではなかったんですが、オープニングのトラックは、95年に耳にした21歳の時から閃いていて、音楽とアクションを融合させるというビジョンを持っていました。それも短い時間ではなく、ひとつの映画に渡ってそれが出来ないかと、その頃からずっと温めていたんです。そしてその同じような試みを、ショーン、スコピル、ワールズエンドでもシーンとしてはやっています。キャラクターが音楽に導かれるように動くということです。それを『ベイビー・ドライバー』は、映画の全体でやっているという訳です。ひとつのアクション映画の全編が音楽によって突き動かされているという作品になったと思っています。『ベイビー・ドライバー』ってどんな映画ですか?と聞かれた時に“『ショーン・オブ・ザ・デッド』のクイーンのシーン覚えているよね?あれが全編あんな感じ”とよく答えています。

Q. 既に続編のオファーを受けているようですが、具体的な構想はあるのでしょうか?
監督 もしかしたら…。実は、続編の話は公開前からいただいていました。作品に着手するまで、続編に至ることまでは一切考えていなかったのですが、制作時に本当にこのキャラクターたちと作業することが楽しくて仕方なかったんです。彼らが次にどうなっていくのか、ということに興味が出てきました。決定しているという訳ではないんですが、そういう話もちらりほらりと出てきてはいます。

Q. 劇中にはスバルも登場していますが、今後日本で映画を作るというお気持ちはありませんか?
監督 日本で映画をぜひ作りたいと思っています。自分は英国出身ですが、英国以外で作った作品は本当に楽しんで作ることが出来たので日本でもぜひやってみたい。ただそのためには、ぴったりくる物語にまず出会わなければなと思っています。スバルに関しては、最初脚本の中ではトヨタのカローラと書いていたのですが、それをみたスタントチームからスバルのWRXを勧められました。全輪駆動のゼダンタイプなので、日常で見かけるような車ではあるんだけれども、ラリー車と同じような動きが出来るということで起用となりました。スバルファンには大変好評です(笑)

Q. 主人公のベイビーと監督には共通点があるということでしたが、アンセルの決め手はなんだったのでしょうか?
監督 アンセルの方が僕より全然背が高いけどね(笑)。彼との共通点は、音楽が大好きであること、音楽に対する情熱です。僕自身、音楽を聞きながら運転することが大好きです。音楽は自分にインスピレーションを与えてくれるものであり、モチベーションを高めてくれるものでもあります。そういったところが僕とベイビーの共通点でもあるし、映画を作る時は、何かしら自分の中にあるものを使うんです。簡単にいえば僕は銀行泥棒のための逃走車の運転手になったことはないけれども、全く異次元な場所に置いてみてどうなるか、そういう形で映画を作っていく。それがまさに映画作りの醍醐味なんです。自分だったら実際には経験出来ないことを、婉曲的にはあるけれども体験していくことが出来る。特にこの作品はリサーチをかなりしていて、実際の犯罪に手を染められた方にもたくさん話を聞きました。そこで色々と知ることもとても興味深い体験でした。アンセルは本当にカリスマ性のある役者さんだと思います。若い役者さんでは、皆が持っているとはいえないようなスクリーンでの自信みたいな、そういったものを漂わせている役者さんです。後、僕にとってすごく重要だったのは、自分と物語を結びつけてくれるもの、音楽への愛を共有していることです。

Q. 影響を受けた日本の作品は何かありますか?
監督 『ベイビー・ドライバー』に関しては『東京流れ者(1966年)』と言っていただくことが多いです。スタイル的には自分でも納得しています。十代の時は北野武監督やジョニー・トー監督なんかをよく観ていました。クライムものというとこのあたりが多かったです。今はロスに住んでいるんですが、残念なことにあまり外国映画が劇場公開されないので、ロンドンにいた頃の方が外国映画を観るチャンスが多くて、『HANA-BI(1998年)』『ソナチネ(1993年)』『その男、凶暴につき(1989年)』を劇場で観た覚えがあります。

取材:佐藤ありす

【ストーリー】天才的なドライビング・センスを買われ、犯罪組織の“逃がし屋”として活躍する若きドライバー、通称「ベイビー」(アンセル・エルゴート)。彼の最高のテクニックを発揮するための小道具、それは完璧なプレイリストが揃っているiPod。子供のころの事故の後遺症で耳鳴りが激しい彼だが、音楽にノって外界から完璧に遮断されると、耳鳴りは消え、イカれたドライバーへと変貌する。ある日、運命の女の子デボラ(リリー・ジェームズ)と出会ってしまった彼は犯罪現場から足を洗うことを決意。しかし彼の才能を惜しむ組織のボス(ケヴィン・スペイシー)にデボラの存在を嗅ぎ付けられ、無謀な強盗に手を貸すことになり、彼の人生は脅かされ始める――。

『ベイビー・ドライバー』
監督・脚本:エドガー・ライト
出演:アンセル・エルゴート/ケヴィン・スペイシー/リリー・ジェームズ/エイザ・ゴンザレス/ジョン・ハム/ジェイミー・フォックス
8月19日(土)新宿バルト9 他、全国ロードショー!
http://www.babydriver.jp/

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『ベイビー・ドライバー』エドガー・ライト監督来日会見!http://eigairo.com/wp-content/uploads/2017/07/170731_Baby-Driver_01-600x400.jpghttp://eigairo.com/wp-content/uploads/2017/07/170731_Baby-Driver_01-200x150.jpgシネマカラーズ画像満載!取材レポエドガー・ライト,ベイビー・ドライバー,佐藤ありすMUSIC ON,GET MONEY. 『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ホットファズ-俺たちスーパーポリスメン!』『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う』。この作品群に無条件で反応してしまうそこの貴方!間違いなくお友達になれる気がします!一度ツボにハマると抜け出せない中毒性の高い映像センスで世界中から愛されているエドガー・ライト監督が、本格的ハリウッド長編映画デビューとなる最新作を引っさげて6年ぶりの来日を果たし都内で会見が行われました。※たまたま私物のSONY製品で、楽しそうに報道陣にカメラを向けるエドガー・ライト監督。(2017年7月31日)Q. 音楽と演技を合わせるために曲をかけながら撮影した部分はあるのでしょうか??具体的なシーンがあれば教えてください。 監督 実際に現場では音楽をかけて撮影を行いました。リハーサルの段階から音楽は全部かけていて、セリフがないシーンも大音量で楽曲をかけたり、主人公のベイビーだけが楽曲を聴いている場合は、アンセル(・エルゴート)自身がヘッドフォンで楽曲を聴いて撮影もしていました。全ての登場人物がその楽曲に反応しているというシーンであれば、みんなにイヤーウイッグを耳に入れて、みんなに聴いてもらいながら演技をしてもらっています。それぞれメソッドは異なりますが、全編音楽をかけながらの撮影をしていて、ここで大きな鍵となったのは実際に劇中で使用する音楽を、役者さんもその時に聴きながら演技をしてもらっていました。Q. 主人公が後遺症を持っていて、音楽聴くことで覚醒するというのはどういったところから生まれたんでしょうか? 監督 初期の段階から幾つかのアイディアがあって、それがひとつになったという感じです。もともと常に音楽を聴いているキャラクターで、音楽を聴いている時にしか機能できないというところをとても気にいっています。オリバー・サックスの『音楽嗜好症』という書籍の中に、この主人公が患っている耳鳴りの症状について書かれているのをみて、実は僕自身、7・8歳の時に耳鳴りの症状を持っていることを思い出しました。家族の中で引き継がれているもので今はないんですが。人によっては耳鳴りを抑えるために一日中音楽を聴いている方がいるというのを知って、はっとしたんです。ベイビーがなぜいつも音楽を聴いているのかという理由付けになるなと思いました。ちなみに、このベイビーというキャラクターは僕ととても似ているところがあります。音楽はいつも聴いていますし、音楽は自分のインスピレーションであり、モチベーションになってくれるものだからです。Q. 監督が仲の良い、カーアクション映画の巨匠ウォルター・ヒル監督からは何かアドバスを貰いましたか? 監督 ウォルター・ヒル監督は知り合いになってから6・7年ほど経っていて、親しくさせていただいているんですけど、正直『ベイビー・ドライバー』のアイディアを話すのはちょっと緊張しました。“あなたの作品へのトリビュートなんです”というのもの緊張してしまって、アドバスは貰わなかったような気がします。実は、映画の最後の5分で声だけなんですがヒル監督に出演して頂いているんです。僕自身それがすごく嬉しかったのは、スピリチュアルな面で監督にありがとうの気持ちを表現出来たかなと思っているんです。 ちょっと面白いエピソードがありまして、作品の試写やプレミアでお誘いはしていたんですが、中々ヒル監督が足を運ぶことが出来ず、“もしかしたら『ベイビー・ドライバー』みたくないのかな…”と心配をし始めていたところ、“いや、お金を払いたいんだ。お金を払ってこの映画をみたい。そうやってサポートすることが僕にとって重要だから”と仰ったんです。なので“初日に観に行くよ!”といわれました。お金払うなんて!と僕の方は思ったんですが、奥様と初日にセンチュリーシティモールでご覧になっていただきました。『ベイビー・ドライバー』のインスピレーションとなったひとつ、ヒル監督の『ザ・ドライバー(1978年)』はまさにセンチュリーシティモールの地下駐車場で撮影されているんです。そんなところも不思議なご縁を感じました。ヒル監督にお金を払って観ていただいた訳なので、ディナーを1回、いや10回はお返ししなきゃなと思っているところです。 ーギレルモ・デル・トロ監督も13回にもおよぶツイートをされていましたね。 監督 ギレルモ監督はロンドンで観ていただいたんです。ご本人からツイートする前にご連絡をいただいていまして、すごくたくさん褒めていただきました。そうやって他の監督の方に言葉を寄せていただくのはとても嬉しくて、中には史上最強のカーチェイス(『フレンチ・コネクション(1971年)』と『L.A.大捜査線/狼たちの街(1985年)』)を2つも撮ったウィリアム・フリードキン監督もとても素敵な言葉を作品に対してかけて下さって嬉しい限りです。ヒル監督も観た後すぐに電話を下さって、最高だったよと仰って下さいました。Q. 『ショーン・オブ・ザ・デッド』のジュークボックスから流れるクイーンのドント・ストップ・ミー・ナウに合わせたゾンビの戦闘シーンが好きです。『ベイビー・ドライバー』ではカーアクションと音楽が見事にマッチしていますが、そのアプローチのアイディアはどのように生まれたのでしょうか?また、そこに対するこだわりがあれば教えてください。 監督 実はそのアイディアを思いついたは『ショーン・オブ・ザ・デッド』を作る前でした。そこまで全体像が見えていた訳ではなかったんですが、オープニングのトラックは、95年に耳にした21歳の時から閃いていて、音楽とアクションを融合させるというビジョンを持っていました。それも短い時間ではなく、ひとつの映画に渡ってそれが出来ないかと、その頃からずっと温めていたんです。そしてその同じような試みを、ショーン、スコピル、ワールズエンドでもシーンとしてはやっています。キャラクターが音楽に導かれるように動くということです。それを『ベイビー・ドライバー』は、映画の全体でやっているという訳です。ひとつのアクション映画の全編が音楽によって突き動かされているという作品になったと思っています。『ベイビー・ドライバー』ってどんな映画ですか?と聞かれた時に“『ショーン・オブ・ザ・デッド』のクイーンのシーン覚えているよね?あれが全編あんな感じ”とよく答えています。Q. 既に続編のオファーを受けているようですが、具体的な構想はあるのでしょうか? 監督 もしかしたら…。実は、続編の話は公開前からいただいていました。作品に着手するまで、続編に至ることまでは一切考えていなかったのですが、制作時に本当にこのキャラクターたちと作業することが楽しくて仕方なかったんです。彼らが次にどうなっていくのか、ということに興味が出てきました。決定しているという訳ではないんですが、そういう話もちらりほらりと出てきてはいます。Q. 劇中にはスバルも登場していますが、今後日本で映画を作るというお気持ちはありませんか? 監督 日本で映画をぜひ作りたいと思っています。自分は英国出身ですが、英国以外で作った作品は本当に楽しんで作ることが出来たので日本でもぜひやってみたい。ただそのためには、ぴったりくる物語にまず出会わなければなと思っています。スバルに関しては、最初脚本の中ではトヨタのカローラと書いていたのですが、それをみたスタントチームからスバルのWRXを勧められました。全輪駆動のゼダンタイプなので、日常で見かけるような車ではあるんだけれども、ラリー車と同じような動きが出来るということで起用となりました。スバルファンには大変好評です(笑)Q. 主人公のベイビーと監督には共通点があるということでしたが、アンセルの決め手はなんだったのでしょうか? 監督 アンセルの方が僕より全然背が高いけどね(笑)。彼との共通点は、音楽が大好きであること、音楽に対する情熱です。僕自身、音楽を聞きながら運転することが大好きです。音楽は自分にインスピレーションを与えてくれるものであり、モチベーションを高めてくれるものでもあります。そういったところが僕とベイビーの共通点でもあるし、映画を作る時は、何かしら自分の中にあるものを使うんです。簡単にいえば僕は銀行泥棒のための逃走車の運転手になったことはないけれども、全く異次元な場所に置いてみてどうなるか、そういう形で映画を作っていく。それがまさに映画作りの醍醐味なんです。自分だったら実際には経験出来ないことを、婉曲的にはあるけれども体験していくことが出来る。特にこの作品はリサーチをかなりしていて、実際の犯罪に手を染められた方にもたくさん話を聞きました。そこで色々と知ることもとても興味深い体験でした。アンセルは本当にカリスマ性のある役者さんだと思います。若い役者さんでは、皆が持っているとはいえないようなスクリーンでの自信みたいな、そういったものを漂わせている役者さんです。後、僕にとってすごく重要だったのは、自分と物語を結びつけてくれるもの、音楽への愛を共有していることです。Q. 影響を受けた日本の作品は何かありますか? 監督 『ベイビー・ドライバー』に関しては『東京流れ者(1966年)』と言っていただくことが多いです。スタイル的には自分でも納得しています。十代の時は北野武監督やジョニー・トー監督なんかをよく観ていました。クライムものというとこのあたりが多かったです。今はロスに住んでいるんですが、残念なことにあまり外国映画が劇場公開されないので、ロンドンにいた頃の方が外国映画を観るチャンスが多くて、『HANA-BI(1998年)』『ソナチネ(1993年)』『その男、凶暴につき(1989年)』を劇場で観た覚えがあります。 取材:佐藤ありす 【ストーリー】天才的なドライビング・センスを買われ、犯罪組織の“逃がし屋”として活躍する若きドライバー、通称「ベイビー」(アンセル・エルゴート)。彼の最高のテクニックを発揮するための小道具、それは完璧なプレイリストが揃っているiPod。子供のころの事故の後遺症で耳鳴りが激しい彼だが、音楽にノって外界から完璧に遮断されると、耳鳴りは消え、イカれたドライバーへと変貌する。ある日、運命の女の子デボラ(リリー・ジェームズ)と出会ってしまった彼は犯罪現場から足を洗うことを決意。しかし彼の才能を惜しむ組織のボス(ケヴィン・スペイシー)にデボラの存在を嗅ぎ付けられ、無謀な強盗に手を貸すことになり、彼の人生は脅かされ始める――。『ベイビー・ドライバー』 監督・脚本:エドガー・ライト 出演:アンセル・エルゴート/ケヴィン・スペイシー/リリー・ジェームズ/エイザ・ゴンザレス/ジョン・ハム/ジェイミー・フォックス 8月19日(土)新宿バルト9 他、全国ロードショー! http://www.babydriver.jp/シネマから、はじめよう。