小松菜奈、坂口健太郎の笑顔が救いだった『余命10年』公開記念舞台挨拶



ベストセラー小説を映像化した『余命10年』の公開記念舞台挨拶が行われ、小松菜奈、坂口健太郎、山田裕貴、奈緒、藤井道人監督が登壇した。(2022年3月5日 丸の内ピカデリー)

本作の内容は、余命10年と言われている不治の病を宣告された 茉莉(小松菜奈)が同窓会での再会をきっかけに和人(坂口健太郎)と距離を縮めていくが、病に侵されていることを隠しつつ、残りの時間と向き合う姿を描いたハートフルな物語に仕上がっている。

『新聞記者』の藤井道人監督がメガホンを取り、主題歌および劇中曲は実写としては初めて全編に渡ってRADWIMPSが担当している。

気丈に振舞いながらも病と闘い続ける主人公・茉莉を演じた小松は「原作者の小坂流加さんにこの作品が一番届いたらいいなと思って、みんなで愛を込めて1年間作ってきました」と文庫化を待たずして逝去した著者への思いを込めて挨拶。

坂口の芝居を間近で見ていた小松は「投げかけてくれる笑顔が本当に救いだった。スクリーンに生きている和人は、ひとりの男性として成長していく姿が素晴らしくて。最後のシーンもいい顔をしていて。もうこの映画は大丈夫だという確信があった」と振り返り、先に試写を見ていた坂口は「(小松に感想の)思いを伝えたくて伝えたくて。彼女が観終わるのを待っていた」と感情が高ぶるほどの完成度に満足。

茉莉に対して恋心を抱く和人だが、坂口は「茉莉は一番言いたいことを言えないまま物語が進んでいくので、ただの笑顔が笑顔じゃないというか。計り知れない辛さがあっただろうな」と小松の演技表現を称え、本作について周囲からの反響を「物語的に大どんでん返しや驚きの展開が待っているとかではないけど、ただのラブトーリーじゃない。いろんな方の心に響く作品と言ってくれた」と自身に届いた感想を明かした。

公開直後から多くの反響が寄せられている本作だが、茉莉と和人の中学時代の友人・タケルを演じた山田は「僕は友達として支える側で。プレッシャーや小坂さんの思いを背負った2人なので、菜奈ちゃんと坂口くんが良かったって言ってもらえるのが嬉しくて。この作品に携われて良かったと思う」と2人への反響に喜びを隠せないようす。

茉莉の大学時代からの友人・沙苗役の奈緒も「誰かの心が動く瞬間に、この作品が立ち会えていることがみんなの感想を読んで感じられてすごく嬉しい。演じた沙苗は、茉莉が生きた証を誰かに届けることを使命としていて、沙苗が生きていく大きな目的と意味を茉莉からもらって。みなさんに観てもらえたことを(作品のなかの)沙苗も喜ぶんじゃないかなと。幸せな気持ちです」とコメント。

本作を手掛けた藤井監督は「小坂さんのご家族がこの作品を家宝にしますと言ってくださったこと、全国のみなさんに届いてくださっているのが嬉しい」と感慨深い思いを語った。

最後に原作者・小坂流加のご家族からの手紙がサプライズとしてMCによって読み上げられ、思わず大粒の涙を流したのは小松。

「そのお手紙をコピーしてください。家宝にします。たくさんの方に作品が届いているのは心から嬉しいです。小坂家のみなさんの優しさに背中を押してもらい、掛け替えのない時間を過ごさせていただきました。この作品を末永く愛してもらえるよう広めていただけたらいいなと思います」と言葉を詰まらせながらも 呼びかけた。

取材・撮影 南野こずえ


『余命10年』
配給 ワーナー・ブラザース映画
©2022 映画「余命 10 年」製作委員会
大ヒット上映中

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