山崎まさよし×篠原監督が再タッグ!不祥事だけは避けたいなと『影踏み』公開記念舞台挨拶
『影踏み』の公開記念舞台挨拶が行われ、14年ぶりに映画の主演を務める山崎まさよし、尾野真千子、北村匠海、篠原哲雄監督が登壇した。(2019年11月16日 テアトル新宿)
青春映画『月とキャベツ』(1996年)で初主演を務めた山崎まさよしと篠原哲雄監督が再タッグ!ロケ地も同じくオール群馬で撮影されており、さらには真田麻垂美、鶴見辰吾、田中要次といった“月キャベ”組の出演にも目が離せない。
本作のストーリーは、夜中に家に忍び込んで窃盗をする「ノビ師」と呼ばれる泥棒・真壁修一(山崎まさよし)が、ある事件に巻き込まれて逮捕されてしまう。出所後、啓二(北村匠海)とともに事件の真相を突き止めようとするのだが――。「半落ち」「64-ロクヨン-」など、警察小説を得意とする横山秀夫のミステリー小説のなかで、泥棒という犯罪者を主人公にした異色作を実写化。
主演と主題歌を担当している山崎は「ひとしおと言いますか、感無量と言いますか。何回も足を運んでいただきたい」と喜びを語ったが、公開を迎えるまでの心境を「やはり不祥事だけは避けたいなと(笑)警察のご厄介になるとか、そんな風になったらアカンから、ちょっとびびってました」と笑いを誘いながら安堵の表情を見せた。
啓二役の北村は、自身の役がネタバレに繋がるためプロモーションで苦労したといい「取材でも何もお答えすることができなかったんです。オブラートに包みながら喋っていました」と公開を迎えてようやく解放されたようす。
また、メガホンを握った篠原監督は「『月とキャベツ』でミュージシャン役の山ちゃんが、今回は泥棒役でダークネスな部分を出してもらって。新しい魅力が発見できたんじゃないかと思います」と見どころを紹介した。
北村の印象を聞かれると「初顔合わせで、台本をコンビニ袋に入れて半ズボンでやってきた。形式にこだわらない、破天荒な一面を見せてくる子だと思った」と山崎は第一印象を述べたが、撮影中は「弟のように気を使ってくれた。フランクで打ち解けやすかった」と意外にもあっさりと仲良くなったことを明かした。
それに対して北村は「服装は間違えました。雪駄で、“天才”って書いてあるトレーナーで、コンビニ袋ですよね。最悪ですね。20歳だったあの時は、反骨精神みたいなのが(あったのかも)」と当時を猛反省しながら、逆に山崎の印象について「音楽界のレジェンドと会える!という喜びもあったし、フランクで同じ目線で喋ってくれた。楽しく無邪気に過ごせた」と振り返った。
いっぽう、修一を待ち続ける恋人・久子を演じた尾野の印象を「こんなオモロいネエちゃんとは思わなかった」と山崎はコメントし、北村からも「こんなにもパワフルな方なんだと。いい意味でびっくりしました」と言われたことについて「喋らないと死んでしまうんです、私。初めての方とお芝居するにあたって緊張をほぐすためなんです」と尾野は舌好調の理由を説明。
山崎と尾野ともに関西出身だが、尾野は「お互いにオモロいこと喋って、現場が盛り上がるかなと思っていたんです。寡黙で、真面目ですよね。(撮影が)終わってから死ぬほど喋りましたから良かったです」と真面目な姿勢の山崎がうかがえた。
作品のヒット祈願をするため、群馬名物の高崎ダルマが登場。山崎似の特注ダルマを見て、思わず「鼻がデカいな!」と山崎は笑いつつ、ダルマの目を入れて祈願した。
最後に山崎が「最高のキャストと最高の監督、最高の原作者、最高の話、最高のスタッフで一生懸命作りました。今まではネタバレを気にしていましたが、ネタがばれていてもすごく楽しい映画だと思っております。この映画を愛してやってください」と韻を踏みながら強く語りかけた。
取材・撮影 南野こずえ
『影踏み』
配給:東京テアトル ©2019「影踏み」製作委員会
絶賛公開中