『Mr.サンデー』から生まれた老老介護ドキュメンタリー『ぼけますから、よろしくお願いします。』初日舞台挨拶



認知症の患者を抱えた家族の内側を丹念に描いたドキュメンタリー『ぼけますから、よろしくお願いします。』の初日舞台挨拶が行われ、信友直子監督が登壇した。(2018年11月3日 ポレポレ東中野)

本作は、現役のテレビディレクターとして活躍中の信友監督が、故郷で暮らす両親の老後の日々を通して、老々介護や認知症の問題を浮き彫りにしたドキュメンタリー。2016年と2017年にフジテレビ/関西テレビ『Mr.サンデー』で放送された作品に追加取材と再編集を完成された、信友直子監督にとっては劇場初監督作品となる映画である。

物語の舞台は信友監督が生まれ育った広島県呉市の実家。両親の日常を撮り続けていた信友監督が母親の異変に気づいたのは2014年。84歳の母はアルツハイマー型認知症と診断された。そのときから90歳を超えた父による介護の日々が始まることに……。

上映後、観客から起こった拍手に感激の信友監督。記念すべきこの日のために、母のお手製のブラウスで登場した。「テレビはお茶の間で見るものなので、見終わった方々のお顔を拝見することはありません。でも映画館だと見ていただいている皆さんが感じている様子がよくわかります。ありがたい経験をさせていただいているなと実感しました」と感謝の言葉を述べた。

プライベートで撮り続けていた両親の映像をテレビ放送することに躊躇していた信友監督だったが、「直子の仕事だからね。協力するよ」と両親からの後押しを受けて『Mr.サンデー』で放送。「放送後にたくさんの方々から反響をいただいて、プロデューサーの大島新さんに映画にしていただきました。どの要素がひとつ欠けてもこの映画は成り立たなかったので、奇跡だと思っています」

公開初日、父は98歳、母は89歳。9月に母は脳梗塞で倒れて入院中。父は2日に1度は病床の母に会いに行っていると、信友監督から近況が語られた。

取材・撮影 シン上田

『ぼけますから、よろしくお願いします。』
制作配給 ネツゲン フジテレビ 関西テレビ
©2018「ぼけますから、よろしくお願いします。」製作・配給委員会
ポレポレ東中野にて公開中

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