梶裕貴、涙をこぼしながら収録『さよならの朝に約束の花をかざろう』初日舞台挨拶
『さよならの朝に約束の花をかざろう』の初日舞台挨拶が行われ、声優キャストの石見舞菜香、入野自由、梶裕貴、rionos（主題歌）、岡田麿里（監督・脚本）、堀川憲司（プロデューサー／P.A.WORKS社長）が登壇した。（2018年2月24日 新宿バルト9）
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『心が叫びたがってるんだ。』の脚本を手掛けた岡田麿里が初監督・脚本を務める本作。外見の成長が止まり、“別れの一族”と呼ばれるイオルフ族の少女・マキア（石見舞菜香）と、幼くして両親のいない男の子エリアル（入野自由）。見た目が変わらないマキアと成長していくエリアルの絆を描く、出会いと別れの感動巨編となっている。
「長い間この作品に付き合わせていただいてきてやっと公開ということで嬉しく思っています」とクリムを担当した梶が笑顔で挨拶し、岡田監督は「企画がはじまって5年、製作をはじめて3年。みなさんに観ていただくために頑張ってきた」と渾身の思いを吐露した。
台本を読んで感動した入野はその場で岡田監督に「めっちゃ感動しました！素敵な作品になりますね！とメールをした」と思い返しながら、「初日を迎えられて、ありがとうという気持ちとおめでとうという気持ちでいっぱいです」と続けた。
岡田監督が脚本を手掛ける作品に多数関わってきた梶は「岡田さんが初監督というなかで、関われたらいいなという思いと、今までの感謝の意味を込めてお手伝いできたらという気持ちでいました。クリムという素敵な役をさせていただきとても嬉しかった」と岡田監督への敬意を込めつつ、「プレスコ（プレスコアリング）という画がない段階で声をあてて映像を作っていく形だったんですけど、その時からみんな感情移入して涙をこぼしながら収録をしたのを覚えているので、こうして映画館でご覧いただけているのはとても嬉しい」と喜びをあらわにした。
「とても緊張しています」と終始緊張気味の石見は、事務所に入ってすぐに本作に関わったことを明かし「現場の経験もなく不安でいっぱいでした。入野さんをはじめ、たくさんの尊敬する先輩たちに支えていただきました。根本的な性格がマキアに近いので等身大で素直に向き合っていった」と当時を振り返った。
現場の先輩たちからアドバイスはありましたか？という質問に対して、石見は「入野さんが、このシーンはこの感情をちょっと足したらもっと良くなるとか色んなことを教えていただいて、とても助けていただきました」と答えると、「助けるという感じではないですが、僕の考えだけじゃなく今まで先輩方に教えてもらって自分の中で大事だと思ったことを渡した」と入野は自身の経験を踏まえた上で親身にアドバイスをしていたようす。
主題歌を担当したrionosは作品の印象について「人生には一度しか咲かない花のような瞬間が確かにあるということを一番強く思った」とアーティストらしく表現しながら「特別な出会いをしたり日々を送ったりして、いつか別れは誰もが経験すると思うんです。それが悲しかったり苦しかったりでその瞬間は辛いものになってしまうこともありますが、おばあちゃんくらいになったときに、かけがえのない日々を思い出して、悲しかった別れも含めてこれで良かったと思えるまで生きたい。そんなふうに生きる希望を与えてくれる作品」との感想を述べると、キャスト陣はうなずいて言葉を噛みしめた。
最後に岡田監督が「スタッフやキャストのみなさん、関係してくださるすべての人たちで１つの作品が織りあがったなと思います。こうしてみなさんに観ていただくことで本当の意味で完成したんだなと思って、幸せを感じています」と締めくくった。
取材・スチール撮影 南野こずえ
