二階堂ふみ「大切な作品になった」『リバーズ・エッジ』公開記念舞台挨拶



『第68回ベルリン国際映画祭』オープニング作品にも選ばれた『リバーズ・エッジ』の公開記念舞台挨拶が行われ、二階堂ふみ、吉沢亮、森川葵、上杉柊平、SUMIRE、土居志央梨、行定勲監督が登壇した。(2018年2月18日 TOHOシネマズ 新宿)

高校生の若草ハルナ(二階堂ふみ)がミステリアスな存在の山田一郎(吉沢亮)を助けたことがきっかけで、山田と吉川(SUMIRE)の秘密を共有することになる。ハルナの彼氏である観音崎(上杉柊平)は空虚を埋めるように欲望と暴力を繰り返し、事態は思わぬ方向へと進んでいく――。爽やかさも甘酸っぱさもない、大人と子供の狭間で葛藤する歪んだ青春を描いており、惜しげもなく披露する二階堂のヌードには実力派の女優魂を見せつけられる本作。

MC みなさんからひと言ずつご挨拶をお願いします。
二階堂ふみ こうやってお披露目することができて本当に嬉しく思います。
吉沢亮 沢山の方に集まっていただけて光栄です。これからもっともっと広まっていけばいいなと思います。
森川葵 この『リバーズ・エッジ』がもっと広まっていけばいいなと思っています。
上杉柊平 演じた観音崎の時と違って髪もバッサリ切りました。みなさん楽しんでください。
SUMIRE もっと多くの方に『リバーズ・エッジ』を観ていただけたら嬉しいです。
土居志央梨 みなさんの体の中にずっと残ってくれる作品になってくれたらいいなと思います。
行定勲監督 二階堂ふみから『リバーズ・エッジ』をやらないかと声をかけられて、果たして完成するだろうかと思いましたが、この場を迎えられて嬉しく思います。

MC 『第68回ベルリン国際映画祭』に行かれていかがでしたか?
吉沢 会場の熱気が凄くて楽しかったです。映画祭自体が初めてだったのですが、本当にお祭りみたいにワイワイしていて面白かったです。
二階堂 緊張しました。この映画で行くことができて本当に幸せだなと感じながらレッドカーペットを歩かせていただきました。映画好きの方が多くて、プリントしてきた写真にサインを求められたんですけど、どうしてこの写真?みたいなのもあって。行定監督はものすごく若い頃の写真だったりで(笑)
行定監督 (本作の上映が)即日完売だったんです。どの国もティーンを描く映画はエッジが優しいんです。この映画はそうじゃないという部分が刺さっているんですよ、映画の本来あるべき姿というか。映画祭側が選んでくれたことは勇気があるというか感激しました。

MC 海外のお客さんの反応はどうでしたか?
吉沢 ドキドキでしたね。笑いが起きたり、シュールなところは素直な反応だったりで面白い発見でした。
二階堂 上映後の質疑では私たちが気付かされることがあったりで、1つの映画で沢山の発見があって海外ならではというか。刺激的な時間でした。

MC 二階堂さん・吉沢さんと同じ1994年生まれの羽生結弦選手が金メダルを獲ったニュースは見ましたか?
二階堂 ここに来るときのバスでその話でみんなで盛り上がって。特に上杉くんはずっと熱弁していました。
上杉 泣いちゃって。ポーズとかもマネしちゃって。すごく感動しました。

MC 森川さんは演じた田島カンナと似ている部分があるそうですが、どんなところですか?
森川 ベレー帽と編み物が好きなのがまったくカンナと一緒ですね。編み物の練習時間をいただいたんですけど、もともとやっていたので「大丈夫、大丈夫」と先生に言っていただけたので、お芝居に集中できたかなと思います。

MC 喜怒哀楽がはっきりしている観音崎を演じて、熱量がありすぎて靴を壊したそうですが。
上杉 そうなんですよ。90年代の靴を用意していただいたんですけど、底だけ抜けちゃったんです。僕が色違いを持っていたので変えて使いました。激しいシーンが多かったので靴にダメージが蓄積されちゃったのかなと。

MC SUMIREさんは行定組の撮影はどうでしたか?過食のシーンなどの女優体験はいかがでしたか?
SUMIRE 演技自体そんなに経験がないんですけど、食べて吐くのは吉川こずえのキャラクターとして『リバーズ・エッジ』の世界観を表しているのかなと。キャストの年齢が近かったので楽しかったですね。
二階堂 スーちゃん(SUMIRE)と(上杉)柊平くんがムードメーカーで。2人が現場の笑いを作っていて。
上杉 いじられていましたね(笑)体張ってるのは僕とSUMIREちゃんが多かったです。

MC 吉沢さんは役作りでどんなところに苦労されましたか?
吉沢 周りから見られている山田と山田自身が持っている物のギャップというか。他人に見られている山田を撮ることが多くて。原作でも山田自身が発している情報量がすごく少なくて、その余白をどう埋めるのかについてずっと悩んで、わからないまま終わったんです。これだけ悩める役に出会えるのは役者としてとても幸せなことだと感じました。役者人生のなかで重要な役だったと思います

MC 16歳の時に原作に出会って映画化したい想いがあって、遂にお客様に観ていただいてどうですか?
二階堂 叶うものなんだなというか。もちろん最初の衝撃だったり、やりたいと言葉に出す大切さもそうなんですけど、行定監督やキャストの方々、色んな方に出会うことができたので、私にとってすごく思い入れのある大切な作品になったと思います。

MC 最後にひと言お願いします。
行定監督 映画が完成することも作られることも、奇跡的な事だといつも思っています。二階堂ふみと出会って「『リバーズ・エッジ』に興味あるか」と言われて、興味がないわけがない。でも心の中では偉大な岡崎京子の最高傑作を映画化するなんておこがましいし、本当に出来るんだろうかという思いがありました。原動力になった二階堂ふみがいて、「映画にしたい、自分がハルナをやるには時間がない」と言うわけです。若い後輩から挑戦状をもらって、おっさんの俺たちが動くという。奇跡的なことが今日みなさんに届いて、帰結するんです。この思いが一人でも多くのかたに広がっていけばいいなと思います。

取材・スチール撮影 南野こずえ


『リバーズ・エッジ』
2月16日(金)よりTOHOシネマズ 新宿他全国公開中
配給:キノフィルムズ
© 2018「リバーズ・エッジ」製作委員会/岡崎京子・宝島社

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