全員暴走!!『アウトレイジ 最終章』初日舞台挨拶



全員暴走!!
とうとうシリーズラストを飾る最新作『アウトレイジ 最終章』の公開を記念して、北野武監督(70)、西田敏行(69)、大森南朋(45)、ピエール瀧(50)、松重豊(54)、大杉漣(66)、金田時男(80)が登壇し、豪華強面キャストたちの暴走ぶりに拍車の掛かった初日舞台挨拶が行われました。(2017年10月7日 新宿ピカデリー)


MC 本日初日を迎えました。西田さん、撮影などを振り返っていかがでしたでしょうか?
西田 本日は小説『アナログ』の販売促進会にお出でいただきまして、ありがとうございます。お陰様を持ちまして、このように沢山おいで頂いて、感謝に堪えません。西田組…じゃねぇや。花菱会を代表して心より御礼を申し上げます。ありがとうございました!以上です。
会場 爆笑・拍手喝采
-西田さんにとって、役者の世界での生き残り術があれば教えてください。
西田 ともかく、風が吹く方に向かって尻尾を振りながら、元気に歩いていく。それが生き残る方法だと思います。

MC 大杉さん、九年ぶりの北野監督作品、いかがでしたでしょうか?
大杉 『アウトレイジ』のシリーズに出させていただくなんて、夢にも思っていなかったものですから、本当に凄く良い緊張感の現場でしたし、本当に光栄に思いました。北野組は僕にとってのある意味帰ってきたというか、そこに立てたんだという気持ちで今いっぱいです。ありがとうございます。
-会長役ですが、服装がバラエティに飛んでおりました。個性的なキャラクターの役作りはいかがでしたか?
大杉 個性的というか、誰からも信頼されていないというか…。その中途半端さが難しいところであったんですけれど、とてもやりがいのある、ある意味深い役だなと思いながら、やらせていただきました。

MC ピエール瀧さん、北野組初参加となりましたが、いかがでしたでしょうか?
ピエール瀧 北野組、初めてだったものですから、どんな風にやるのかわからないまま現場に行って、わからないまま終わってしまった感じもちょっとあるんですけれども…。とにかく、『アウトレイジ』という最高のシリーズに出させていただきまして、有難かったなと思っております。
-役を演じるにあたって、難しかったところや大変だったところはありますか?
ピエール瀧 変態のヤクザという役ですので、いつも通りといいますか、プライベートを出しすぎないようにやるのが大変でしたけれども(笑)。入れ墨を二回ほど入れることがありまして、一回入れるのに八時間くらいかかるんですね。全身びっしり、八時間かけて入れまして、出来上がりを観た時に、二回目の背中は描かなくてもよかったんじゃないかという…ことに、今気づいたところです。


MC 金田さん、本業は実業家ということですが、撮影はいかがでしたか?
金田 前作の時もそうだったんですけども、台本みた時に読めば読むほど、監督がこの映画で何を感じさせたいのか、だんだんわかってきたんです。それで、自分なりに監督の恩義を感じて義に徹して、あの時の気持ちを考えると、今の世の中、あまり恩義がないんですけれども、監督はそれをわかってもらいたいと思って作ったのではないかと考えました。そのうちだんだん映画にハマりまして、「おい、こら」とつい孫に言ってしまいまして…。受験が近い孫がなかなか会いに来てくれなくなってしまいました。それだけ私はこの映画に入り込みました。私のような素人がこのような場で挨拶を出来ることを本当に嬉しく思い、一生の思い出にしたいと思います。ありがとうございました。

MC 松重さん、前作に続いてとなりましたが、いかがでしたでしょうか?
松重 前作で刑事役で登場しまして、台本上では死ぬ役だったんですけれども、前作の撮影からみんな死にたくないという空気が出てまして、桐谷健太くんと新井浩文くんが死ぬシーンがあったんですけど、どうしても死にたくないと二人が朝から言っていて、どうやったら生きてるぜって証を残せるかってことを、瞬きしてやろうかとか、足をピクピク動かしてやろうかという死んだシーンでそれだけ工夫をするという、本当に生き残りにかけた男たちの物語でした。それが僕の場合はたまたま一週間くらい前にFAXで生き残る台本がやって参りまして、彼らに悪いことしたなぁと思ったんですけれども。この『アウトレイジ』という世界観の中で生き残ったというだけでも、凄く光栄な五年間でした。
-正義感溢れる刑事役でしたが、そんなところに共感するところはありましたか?
松重 全員悪人という看板の中で、一人だけ善良な公務員がいるので、本当にいいのかな?という気持ちだったんですけれども、常に一人だけ浮いているんじゃないかなと思っていました。それもバランスなんでしょうが。


MC 大森さん、『アウトレイジ』初参加となりましたが、いかがでしたでしょうか?
大森 もう夢にまでみた『アウトレイジ』、いつ出番が回ってくるのかと、今か今かと待っていましたら、この最終章でお声をいただきまして、非常に感動いたしました。
-主演者からみて、このシリーズの魅力はどういったところなんでしょうか?
大森 僕は北野監督のファンでもあり、バイオレンス映画が結構好きっていうのもあるので。そして今、この現代でここまでヤクザをしっかり描けているような作品っていうのはあまりないような気もするので、その辺がやはり見どころなんじゃないでしょうかね。

MC 西田さん、撮影中に印象に残ったエピソードは何かありますでしょうか?
西田 毎回、全てのシーンに思いれがあるんですけれども、塩見(三省)さんとの絡みのシーンを初日に撮ったんです。塩見の方は脳出血の後遺症がまだあって、私も頚椎を亜脱臼して歩行が定かではない状態の中で、二人とも四人ぐらいの人に抱えられながら、対峙するシーンと撮ったんですけど、監督に気遣いをしていただいて、「大丈夫だよー、大丈夫大丈夫、ホン変えちゃおうかー」くらい、優しい言葉をかけていただいたことが、義理を、恩を感じましたね。


MC 最後に北野武監督、よろしくお願い致します。
北野監督 今日はどうもありがとうございました。今回は西田さんが怪我をしたり、塩見さんもちょっと病気になったり、ちょっと体の悪さ具合が、最初撮った時にもの凄い迫力で、これは活かさなければいけないなと思ったんですけれども、それを見ている俺の首がこう曲がってるから、この三人は一体なんだろうという、病気グループになってちゃって(笑)。『アウトレイジ』は一回死ぬと二度と出られないということになっているので、随分死んできて、いよいよ最終章になりましたが、次の映画で恋愛ものとか、ちょっと俯瞰というか客観的にバイオレンス映画を見直して。次にやる時は、西田さんと先程楽屋で話したんですけれども、日本の役者をオールスターズで、次回作に選ばれていない役者は、あまり認められていないという追い込みかたをして、全員車代だけで出てもらうという。仲代さんも五百円で出てもらう作戦に出ようと今、考えています。『アウトレイジ』は三部作で最終章になりましたが、自分なりにうまいまとめ方をしてあるなという感じで、私の場合は評論家と喧嘩ばかりしているので、あまり人気がないんですけれども、今回はあまり文句垂れてる奴もいないし、まぁ、西田さんたちが出ているからだと思いますけど。自分で編集してて、映像的な面でもいいなと、かなりの自信作で楽しんでいただければ有り難いし、また関係者に『アウトレイジ』みていただいて五円でも十円でも払っていただければ有り難い。よろしくお願い致します!ありがとうございました!

取材:佐藤ありす

【あらすじ】
《関東【山王会】 vs関西【花菱会】》の巨大抗争後、大友(ビートたけし)は韓国に渡り、日韓を牛耳るフィクサー張会長(金田時男)の下にいた。そんな折、取引のため韓国滞在中の【花菱会】幹部・花田がトラブルを起こし、張会長の手下を殺してしまう。これをきっかけに、《国際的フィクサー【張グループ】vs巨大暴力団組織【花菱会】》一触即発の状態に。激怒した大友は、全ての因縁に決着をつけるべく日本に戻ってくる。時を同じくして、その【花菱会】では卑劣な内紛が勃発していた…。

『アウトレイジ 最終章』
■監督・脚本・編集:北野 武
■出演:ビートたけし 西田敏行
大森南朋 ピエール瀧 松重 豊 大杉 漣 塩見三省
白竜 名高達男 光石 研 原田泰造 池内博之 津田寛治 金田時男 中村育二 岸部一徳
配給:ワーナー・ブラザーズ映画/オフィス北野
©2017『アウトレイジ 最終章』製作委員会
outrage-movie.jp
10月7日(土)、全員暴走中!

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