宙ガール・篠原ともえ降臨!『ムーン・ウォーカーズ』×したまちコメディ映画祭


moon_05 世界をダマせ!
月面着陸の捏造をアメリカ政府がキューブリックに依頼した!?

東京随一の下町である浅草・上野の魅力を、コメディ映画を通じて存分に味わうことが出来る『第8回したまちコメディ映画祭in台東』。2015年11月14日 (土) の公開に先駆け、人類史上最大の捏造作戦を企てた奴らのノンストップ・コメディ・アクション映画『ムーン・ウォーカーズ』プレミア上映会に、お月様を知り尽くす宙 (ソラ) ガールの篠原ともえを迎えてトークショーが行われました。(2015年9月20日 第8回したまちコメディ映画祭in台東 浅草公会堂)
(こちらもチェック→月面フーテンSwinging!『ムーン・ウォーカーズ』レビュー)
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篠原ともえ:みなさん、よろしくお願いします~!お招きいただいて、嬉しいです!!
いとうせいこう:20年くらい前から、クラブイベントの楽屋ではよく会っていたけど。
篠原:本当、せいこうさんに育てていただいて。
いとう:違うよ!そんな育ててないよ!
篠原:そうですか??育ててないですか??
いとう:この頃ちょこちょこと会うようになってたら、今日は舞台の上で!奇遇なことですね。
篠原:素敵じゃないですか!下町で映画をみれるなんて!篠原もみたんですよ!とても楽しませていただきました。
いとう:近頃、宙 (ソラ) ガールになってるのだって??
篠原:そうなんですよ!実は高校時代に天文部で、星座の名前を全部知ってたり、プラネタリウムで星の解説したり、コンサートをやらさせていただいたりしていて、宙ガールって呼ばれています。
いとう:宇宙の宙って書いてね。仏像にも手を出してるのだよね??俺とみうらじゅん的には「なんで俺たちの縄張りに入ってきているんだ?!」って感じで。
篠原:え!?なんでなんで??篠原、仏ガールでもあるのですよ!
いとう:宙ガールに仏ガール、もうそれくらいで。
篠原:後、お裁縫ガールとか!今日『ムーン・ウォーカーズ』をイメージして、篠原がオリジナルでデザインした星座スタイルのワンピースを着てきました!!
いとう:
パチパチ撮るもんだから、調子に乗っちゃって(笑)。
篠原:クルクルする??クルクル~。
いとう:関係ないから!映画の話!フランス映画は意外に、60年・70年代のイギリスやアメリカを模倣をしてパロディを撮っている作品がいくつか出てきていて。セットを建てて、ファッションも全部その時代に合わせて撮る!っていう凄いことをしている訳ですよね。
moon_01 篠原:みるからにお金かかっているな!って。お金と時間をコメディに捧げているな!って分かって、凄く堪能できますよね。
いとう:ファッション的にはどうですか??篠原もファッションが大好きでしょ??オシャレなスーツとかいっぱい出てきて。
篠原:私が一番好きなシーンはオープニングで、イラストレーションが本当に生きているみたいに流れていくのですよね。そのシーンが私の中では結構ハイライトで!
いとう:オッシャレー!
篠原:本当にオシャレで!私は映画をみるっていうよりも、流すっていう感じなのです。
いとう:浴びる的な??
篠原:そう!浴びるようにみると、何かファッションでデザインをしようって思った時、あの映画のあのシーンのようにって思い出して背中を押してくれるのです。
いとう:インスピレーションがあるのが、アートだからね!次の人が、何かモノを作れるようなエネルギーを与えるのがアートだからね。
篠原:そうそう!なのであのオープニングは、これからお洋服にしたくなるような、凄くドラマティックな演出でした。
いとう:女性的には、やはりそうでしたか??
奥浜レイラ:とてもシャレているなって感じます。広告っぽいというか。アントワーヌ・バルドー=ジャケ監督は、CMやミュージック・ビデオも撮っている方なので。
moon_03 いとう:(ミシェル・)ゴンドリー一派でしょ??
篠原:ミシェル・ゴンドリー大好き!!
いとう:ミシェル・ゴンドリーは、本当に超オシャレでチャーミングな素晴らしい作品を作る方で、その一派の監督なのですよね!
奥浜:どこをみてもオシャレじゃないですか??どこ切り取ってもポストカードみたいで。
いとう:そしてバカなんだよね(笑)!!そこがいいよね!日本だとオシャレな映画を作れる人はいても、バカじゃないのだよね。バカとオシャレの両方があるっていうのは、羨ましい。バカバカしいことにお金と時間をかけて、妥協をしないで撮っていくのは、コメディに対するリスペクトが凄くあるのじゃないかなと思うのです!『ムーン・ウォーカーズ』に関しては、月面を嘘で作るって内容になってるけど、宙ガール的にはどうなの??
篠原:それを理由に遊んでるって感じがしました(笑)。みんなが注目するものは何か??って導き出した答えが月だったと思って。その当時、月面着陸に、人々がどのくらい魅了されたのかってことが凄く聞こえてくる、そういうシーンがたくさんありましたね!
いとう:そうだよね。篠原の世代にはないものね。俺なんかはもう、そういう意味ではおじいさんだから、この世代ですよ!
篠原:今まさに宇宙開発に取り組んでいる方は、アポロ計画に刺激を受けていて。
いとう:それはそうでしょ!人類は月に着陸しちゃったのだからね!
篠原:それは私世代には分からない刺激だったので、その息吹が、この映画にぎゅっと詰まっている感じがしました。
いとう:国家の威信をかけてアメリカが成功させる!成功しなかったら捏造しようというのがこの映画の筋なのですが「じゃ、どう捏造するの??」って。宙ガールは、これに沿って本も出しているの??
篠原:そうです!これ (宙ガール 篠原ともえの「星の教科書」) は篠原がみなさんに星座を覚えていただこうと思って!イラストレーションで描いて、お月様も解説しています!お月様にはそれぞれうさぎの影の形に名前があって「豊かの海」「静かの海」とか、月面着陸した方の名前が付いていたりします。また月には昔、海があったとか水があったとかいわれてて「夢の湖」「虹の入り江」とか、水にちなんだ名前が付いているのです。お月様が凄く大好きなので「お月様好きだよ!星好きだよ!」って宙ガールの方も一度、アートのひとつとして『ムーン・ウォーカーズ』をご覧になるのも楽しめると思います。
moon_04 いとう:今の時期は、月はみやすい季節??
篠原:秋はちょうど、みやすい高さにお月様が流れる季節で。
いとう:だから秋がいいんだ!高さの問題なんだね。光の明度の問題かと思ってた。
篠原:ちょうど見上げたところに、お月様が出るので。だから凄くみやすい時期になっています。冬は割と星の方がきらめくので、冬は星を秋は月を眺めましょうっていいます。
いとう:丸いものはいいね。
篠原:和みますよね。
いとう:子どもの頃はみるけど、大人になるとついつい仕事のことばかり考えて、月をみなくなるのは良くないことだね。俺は凄い月好きだからさ!
篠原:本当ですか??仏像も月も大好き??
いとう:一番は月光に照らされた仏像!分かるでしょ??
篠原:分かります!いいですね~!
いとう:仏像って金ぴかじゃん??月の光の中でみたら分かる!いぶし銀みたいに光るのです!そこを昔の人は拝んでいたことが分かる。ライトとして月の明かりを楽しみましょうって伝えたいですね。
篠原:金閣寺も月がみえやすいように、泉を作ったっていいますね。
いとう:月光の金閣寺は日中とはまた違うのです!いい話したね!!
篠原:そうですね!この本 (宙ガール 篠原ともえの「星の教科書」) に書いてありますから!
奥浜:私、満月の前日の月が一番大きくみえるのです。本当の満月かなと思って調べると、次の日だったってことがあって、理由があるのですか??
篠原:月面の光にパーセンテージがあって、大体それは98%や99%だと思うのです。月って地球と同じ距離ではなくて、ちょっと楕円になっているのです。なので、楕円が遠い時はちょっと小さくて、近い時は大きくなるのです。この大きくみえる満月が、スーパームーンって呼ばれているのです。今小さい月をミニマムーンといいますが、みたタイミングがたまたま近いとか、そのミニマムーンとスーパームーンの見比べで大きさが変わってみえるのかもしれないです。基本的に大きさは変わらないので、五円玉の真ん中 (の穴) と、お月様の満月の大きさは一緒っていわれています。それでみると本当の満月が分かるっていいます!
いとう:五円玉を持ってこうやっていると、人の視線がちょっと気になりますね。
篠原:せいこうさん、ぜひやってみてください!!
奥浜:本当にバカバカしくてオシャレで、すみずみまで見逃せない映画です。
いとう:いい映画なのでみなさん、よろしくお願いしますね!
篠原:『ムーン・ウォーカーズ』はまさに!とっても刺激的で、みなさんにインスピレーションや新しい物語をくれる作品だと思っています。このしたまちコメディ映画祭の思い出になるような、とってもアーティスティックな時間をお楽しみ下さい!本日はどうもありがとうございました!

取材:佐藤ありす

【ストーリー】
moon_02 1969年、なかなか月面着陸を成功出来ないNASAを見かねた米政府は、映画『2001年宇宙の旅』のキューブリック監督に月面着陸映像の捏造を依頼するため、CIA諜報員・キッドマン (ロン・パールマン) をロンドンに送り込んだ。しかし、ベトナム戦争帰りで映画に全く詳しくないキッドマンは、偶然キューブリックのエージェントオフィスにいた借金まみれのダメ男・ジョニー (ルパート・グリント) に莫大な制作費を騙し取られてしまう。すぐに自分が騙されたことに気づき奪い返しに向かうが―。

『ムーン・ウォーカーズ』R15+
監督:アントワーヌ・バルドー=ジャケ
出演:ロン・パールマン、ルパート・グリント、ロバート・シーハン
(C)Partizan Films- Nexus Factory – Potemkino 2015
2015年11月14日 (土)、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開!
http://moonwalkers-movie.jp

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