Hero No.1、大 集 結!! 【谷口雄一郎監督大全?!】@シアターカフェ


Hero No.1、大 集 結!!
【谷口雄一郎監督大全?!】@シアターカフェ

2015年7月18日(土)より、シアターカフェ(名古屋市 中区 大須)では、夏休み企画第一弾として【谷口雄一郎監督大全?!】が開催される。
谷口雄一郎監督――1980年、愛知県春日井市生まれ。一年程のサラリーマン生活の後、日本映画学校(現:日本映画大学)へ入学。脚本家・丸内敏春氏、映画監督・サトウトシキ氏に師事。在学中、『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(監督:若松孝二/2008年/190分)等の録音助手を務める。卒業後、【伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞】2009短編部門大賞を受賞。翌年、自ら映像化した『純子はご機嫌ななめ』は、国内映画祭四冠を受賞。2013年『ゆびわのひみつ』が【札幌国際短編映画祭】最優秀国内作品賞、【LA Eiga Fest】、【Golden Zipang Award】含む国内外映画祭七冠を含む多数国内外映画祭にノミネートされるなど、映画監督・シナリオライターとして活躍を続けている。
地元・愛知県出身である谷口監督の作品が一気に観られるまたとない機会なので、【谷口雄一郎監督大全?!】是非お観逃しなく。
全監督作5作品が一同に会する特集上映は、全国でも初となる。

なんと今回は、谷口雄一郎監督ご本人から全作品の解説を頂いた。これから観る方だけでなく、既に鑑賞済みの方にとっても大変面白いコラムなので、是非ともお読みいただきたい。
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【Aプログラム】
『純子はご機嫌ななめ』(2010年/24分)
監督・脚本・製作:谷口 雄一郎
出演:千明姫瑠、油井麻衣奈、黒田藍千 鹿野脩太 ほか
谷口監督談:
初監督作品で地方ロケ、そして地元オーディションで選んだ素人子役主演、今思うと、なかなかの撮影条件ですね。
子供達は皆高校生の年齢です。今観たらどう思うでしょうか?
拙く恥ずかしい面もありますが、この作品がスタートで、本当に恵まれていたなと思います。僕の力というよりスタッフ、キャストの力が大きいです。感謝です。
古本屋店主役の斧アツシさんは知る人ぞ知る有名声優さんです。貴重な斧さんの演技も注目です。
この作品で子供ものイメージがつき、大人の恋愛を描きたい!という欲求が芽生え、「ゆびわのひみつ」に繋がったという面もあったりします。

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『ゆびわのひみつ』(2012年/ 16分)
監督・脚本・製作:谷口 雄一郎
出演:結、泉光典、後藤ユウミ、中村朝佳 ほか
谷口監督談:
『純子……』から二年空いての監督二作品目。前作以上に色々な映画祭で評価され、僕の名前を広めてくれたありがたい作品です。
編集ではニヤニヤ笑ってはいたのですが、まさかハリウッドでもウケるとは……
本作のシナリオ、行きたかった飲み会を腹痛でキャンセルし、悔しい想いを抱え、ベッドに横になりながらも、iPad片手にシナリオを書いてました。
まさに怪我の功名(使い方がちょっと違う)
僕の中ではわりと残酷というか怖い話だなとは思ってます。そして、一見そうと思えない捉え方をされてもいいかも、というバランスで作っていたりします。
この作品は所謂ネタバレ厳禁もので、鑑賞後『○○○のひみつ』と間違えて広めたりしないでくださいね。

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『彼女がドレスを脱ぐ理由』(2014年/ 19分)
監督・脚本:谷口雄一郎
出演:平野鈴、小澤雄志、吉田芽吹、地曵豪 八木春美 高橋恭子 三浦景虎
谷口監督談:
最新作です。
今迄、男女に対する想いについての話が多かったのですが、今回は少し毛色を変え発展させました。
想いのすれ違いは、どんなにわかりあっていても起こりえてしまうもので、けれど、相手を想うことを止めてはいけない。
そんなことを意識したり。
まあ、そんな身構えなくてもいいですが。
今迄僕の作品は所謂女性ウケが良かったのですが、今作では男性にもウケてもらえたらな、と思ってます。
僕はこの作品のエンディング迄の流れ、個人的に好きです。

【Bプログラム】

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『AlmondTaste』(2013年/ 5分)
監督・脚本:谷口雄一郎
出演:緑茶麻悠、北浦マサシ
谷口監督談:
某映画館閉館に伴い、追悼として閉館をテーマに『Theater of the dead』と同一タイトルでYouTubeに一斉にアップし、後日一斉上映するという企画でした。
時間も予算も無い。というか、『Selfish.(ButKind)』の撮影日程も近付いている。
けれども、やる!なんならスピンオフにする!と決めてわりとすぐ撮影した作品です。シナリオもアイディア思いついてから書き終わる迄たぶん1時間もかからなかったと思います。
終わりというマイナスなことでも、何か救われる、というか、プラスに作用する人々がいるのでは?という考えのもと、撮影しました。閉館という悲しいことへの、せめてもの救いといいますか。そうあって欲しいという願望といいますか。風が吹けば桶屋が儲かる
とはちょっと違いますけど。
今思うと、この撮影を踏まえた上で『Selfish……』を撮影出来たのはとてもプラスに働いたと思います。
短い分、とても僕の色が出てるかと。

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『Selfish.(ButKind)』(2013年/48分)
監督・脚本:谷口雄一郎
出演:前彩子、山林真紀、緑茶麻悠、杉木隆幸、北浦マサシ ほか
谷口監督談:
48分と、一番長い作品です。
けれど、体感としては、そんなに長く感じないと思います。
自己が出てしまい、特に後半に出てくる台詞は特に、自分の想いというか、そういうのを色濃く出した作品です。
その分仕掛けものでもあるので、色々苦慮したのですが、私の未熟な面も露呈してしまったと反省しております。
そして、この作品により、監督、ということ、演出、ということを更に強く意識するようになりました。
前半と後半が全く違う映画だ、と良く言われますが、それは僕の中での相反するもののバランスを考えている結果なのでは?と思います。ラブコメとシリアスドラマ。相反するどっちも大好きな僕の、兎に角、現状やるべきこと、というのを強く意識したものだと思います。
その分、思い入れも特にある作品で、ラストのあるシーンで思わず演出しながら涙してしまったのはココだけの秘密です。(バラしてる)
僕が考える上で、一番やさしく、けれど残酷なやるせないシーンだと思います。
『ゆびわのひみつ』から続く三部作構成の二部という位置づけです。
これを観た方は是非ゆびわも、ゆびわを観た方は、こちらも観ると、さらに楽しめると思います。
そして、気に入った方は第三部への支援(特に資金面)宜しくお願いします!(笑)

7/18(土)・19(日)・20(月祝)は、谷口雄一郎監督が来場、舞台挨拶を執り行う。正直、こんなに詳細な解説を頂いては、当日お話しすることが無いのではあるまいか……などと要らぬ気を回してしまったが、そこは心配無用のようだ。なんと舞台挨拶だけでなく、脚本・演出講座等も開催すると言う。
【伊参スタジオ映画祭】グランプリ受賞の谷口監督から、脚本・演出のレクチャーを受けられるとは、本当に楽しみである。
また、上映回によっては“オマケ作品”を観られるかも……シアターカフェの公式blogを、要チェックだ。

文:高橋アツシ

シアターカフェ公式blog【カッパとリンゴ】

 

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