『パパ、遺伝子組み換えってなぁに?』ジェレミー監督舞台挨拶先行上映会


papa_idenshi_01
『モンサントの不自然な食べもの』『世界が食べられなくなる日』に続く、遺伝子組み換え食品を描いた食べものドキュメンタリー第三弾として、『パパ、遺伝子組み換えってなぁに?』の公開が決定!世界中の映画祭で、22の賞を受賞したジェレミー監督と奥さまのジェンが舞台挨拶に登場して、先行上映会が行われました。(2015年2月25日 日比谷図書文化館)
papa_idenshi_03
Q:お子さんが種を好きっていうのが、とてもユニークですが、最初からその構成でこの作品を作ろうと思われたのでしょうか??
ジェレミー監督:「前回の作品を撮った時に、家族を巻き込んだということがありまして、私自身も家族も映画に登場させるつもりは全くなかったんです。けれども私が、GMO(遺伝子組み換え生物)について調べれば調べるほど、家族とは切っても切れない問題で、家族を抜きには語れないと思い、登場させることにしました。私がカメラを向けたり、かなり彼女(奥さまのジェン)の邪魔をしたんですけども、辛抱強く耐えてくれました。あちこち連れ回すことも快く受け入れてくれて、その辛抱強さと彼女の素晴らしさを、この場を借りて称えさせていただきたいと思います」

Q:ジェンさんは、監督がこの作品を作っている時、どんなお気持ちで見守られていたんでしょうか??
ジェン:「最初は毎日カメラマンや録音の方が来て、カメラを向けられるという状況に違和感を感じていました。それがとても馴染めなかったんですけども、段々慣れてきて、そのうち彼らも家族の一員みたいで、彼らのことを気にせずに、生活できるようになっていきました」

Q:ジェンさんは、食べ物を選ぶ上で、変化していった部分はあるんでしょうか??
papa_idenshi_07
ジェン:「以前は、どちらかというと食べ物の味や値段でした。安いからこれを買うという感じで、どこで作られているかなどは、あまり気にしていませんでした。ですが、この映画を作ったことで、大きく変化して、家ではほぼ100%オーガニックになりました。ただ外食する時や、友達付き合いの中では難しいので、そこは多少のバランスを取るようになっています」

Q:すべてオーガニックで、安全なものを選ぶのはとても難しいことで、そこに対する葛藤がとても丁寧に描かれていると思っていますが、その点はいかがでしょうか??
ジェレミー監督:「(劇中の)ハロウィンが、私たち家族にあった現実です。私ひとりが、かなり熱くなっていて。私がそういう考えを持っているからといって、子供たちを家に閉じ込め、ハロウィンの楽しいイベントをさせないのも可哀想なので、とにかくコスチュームを着させて、いろんなところにいって、お菓子をもらっておいでと。そして翌日、昨日もらったお菓子を出させて、そのかわりに、パパが素敵なおもちゃと交換してあげるよ!と。お菓子を全部集めて、すべてゴミ箱へ捨てました(笑)。ちょっと工夫をして、子どもたちにハロウィンで楽しませつつ、良いものと交換する体験もさせました」

Q:お子さんが今でも、マックやアイスが食べたいといわれた時はどうされてますか??
ジェレミー監督:「お尻を叩きます(笑)。オーガニックのアイスやお菓子もあるので、出来ることはあると思っています。少なくとも、悪いものを作っている会社を支援することなっていないので、私たちの気持ちも少しは和らいでいます」

Q:フィンくん(息子さん)はなぜ、3歳の頃から種に興味を持っていたのか、集めた種はどういう風に使われているか教えてください。
papa_idenshi_05
ジェレミー監督:「彼が種に興味を持ち始めたのは、2歳半の時です。畑を庭に作って、こうやって植えるんだよって教えたら、そのうち芽が出てきて、たくさんのトマトが出来て、そこからまた100個ほど種が取れて。自然ってなんて美しいんだろうという、彼の驚きに繋がったわけです。彼は本当に生物多様性をとても愛していて、去年も25品種ほどのトマトをわっと植えまして、やるのはいいんですけど、そこらじゅうから種を持ってきてしまうので、手におえない状況で妻がほとほと困っています(笑)。」

Q:ジェンさんは、フィンくんのサポートをされているんですか??
ジェン:「私は、封筒に入れて種を管理しなさいと、整理を手伝っています。ジェレミーは植物を育てるのが上手いので、農作業を手伝わされています。私は育てるのは下手なので、主に料理と収穫担当です(笑)。」

Q:本作に対する、具体的な批判の内容を教えてください。
ジェレミー監督:「そもそもGMO賛成派のライターが書いていることがあります。彼らの望みは、もっと科学的な証拠を取り上げて、詳しいものを作るべきということでした。私が作ったような個人的で、家族が登場するような作品を彼らは望んでいなかったのです。とにかく、彼らが望んでいたものと違うから、ということで批判されたのです」

Q:モンサント社は、どのようなメディアに対しても門前払いなのでしょうか??
papa_idenshi_09
ジェレミー監督:「私は取材中、あちこちの有機農家へお邪魔していて、彼らは自分たちの作ったものを、どうぞどうぞとオープンになんでも見せてくれたんです。その一方で、(大手企業は)完全に外部の人はシャットアウトという感じで、本当に秘密を隠しているようでした。私がモンサントの社員の方に、追い返されるシーンでは、マイケル・ムーア監督のように、カメラを担いで行ったわけではないんです。私たったひとりで、マイクをシャツの中に隠して、一般人として、ひとりの父親として、食の安全に関心があって知りたいから教えてくれと言ったんですけど、次々に体格のいいお兄さんが出てきて、そんな質問は困ると追い出されてしまいました。有機農家の方々とは本当に真逆な、対象的な対応をされたのです」

Q:アメリカで、100%オーガニックの品物を手に入れるとすれば、どのような方法があるのでしょうか??
ジェレミー監督:「アメリカの農務省がオーガニックに関しては表示をしているので、自分のものだけを買う分には、100%オーガニックに出来ます。ただ友達や、家族がいたりすると、外食する時も、100%オーガニックというのは難しい現状です」

Q:今後は、どのような活動をされていくのでしょうか??
ジェレミー監督:「私が問題視していることに対して、どう対処するかは、果てなき戦いなんですけども、私の場合は、映画という形で闘っています。私たちが、どこの食べ物を食べるか、誰に貢献するのかっていう意味があるんです。オーガニックを食べるのか、そのシステムのものを食べるのか、食べることでどちらを支持するのかの活動といえると思うんです。後は、無関心でいるのは良くないと思っています」

Q:世界を変えることができる、小さなアイディアがあれば、お聞かせいただければ幸いです。
papa_idenshi_08
ジェレミー監督:「とても大きな社会問題に立ち向かう時、似たような大きな解決策というものを考えがちです。とにかく小さなことをいろんな角度から、長い時間を掛けてやっていくことが出来ると思うんです。私の息子(フィンくん)が映画の中で、“買うのを止めれば、この会社やお店は潰れちゃうんでしょ?そうすればいいじゃない!”って、とても子どものシンプルな意見の中に、深い知恵があると思います。私たちが、よくないシステムに対してお金を使わず、もっと良いものにお金を使うことが、ひとつの方法だと思います。そのあり方は、切っても切れないもので、そのことを忘れないこと、私たちが食べる、食のあり方を変えるということです。この地球を搾取するような企業を支持するのか、この地球を育む方を支持するのか、そして環境や水、人に対して優しいものを選んでいくかということです」

ジェン:「大切なことは、あまりにも大きな問題だからといって、圧倒されてしまわないことです。一度にすべてをやらなけばいけないと絶望するのではなく、一歩一歩少しずつ、自然にとって良いことをやっていけば、何とかなると思います」

取材:佐藤ありす

【STORY】
わたしたちの食べものの未来をコントロールしているのは一体誰なのだろう?
papa_idenshi_02

3人の子どもを持ったことで“食”について考えるようになった一人の父親であり、映画監督であるジェレミー・セイファートは、種が大好きな長男の影響もあって「遺伝子組み換え生物=GMO」に興味を持つ。そもそも、アメリカでは表示義務すらないため、GM食品の存在自体がほぼ知られていないのが現状だ。ジェレミーは疑問に思い、家族と共に遺伝子組み換え食品の謎を解く旅にでる。遺伝子組み換え市場シェア90%のモンサント本社や、ノルウェーにある種を保管する“種子銀行”の巨大な冷凍貯蔵庫、GM食品の長期給餌の実験を行ったフランスのセラリーニ教授など、世界各国への取材を重ねるうちに、徐々に明るみになっていく食産業の実態にジェレミーは言葉を失う。
本作は、遺伝子組み換え食品の真実を追うドキュメンタリーでありながら、『どんな食べものを、家族で選択していくのか』という答えをみつけるまでの、家族の成長物語だ。GMOをめぐる、オー・マイ・ゴッド(Oh! My God)なロード・ムービー。この旅の最後に、ジェレミーの家族は何を選択していくのだろうか。

『パパ、遺伝子組み換えってなぁに?』
監督:ジェレミー・セイファート
出演:ジェレミー監督のファミリー、ジルエリック・セラリー二、ヴァンダナ・シヴァ、
配給・宣伝:アップリンク
4月25日(土)より、渋谷アップリンクほか全国順次公開!
http://www.uplink.co.jp/gmo/

記事が気に入ったらいいね !
最新情報をお届け!

最新情報をTwitter で