問題作『戦争と一人の女』初日舞台挨拶に、江口のりこ・永瀬正敏らが登壇。



『戦争と一人の女』初日舞台挨拶が行われ、江口のりこ・永瀬正敏・村上淳・柄本明・寺脇研プロデューサー・井上淳一監督が登壇した。(2013年4月27日テアトル新宿)

本作は、坂口安吾の小説を映画化し、戦争に翻弄されながらも、欲望に生きる3人の男女を過激に描いた問題作。

欲望のままに生きる元娼婦役を体当たりで演じた江口は、「演じる側なので、正直わからない部分が多いんです。台本に書いてある人物を演じるのが仕事なので、作品について賛同するとかそういう立場じゃないです」とコメント。

自身の出演作をあまり観ないという江口だが、「公開後に何を言われるかわからないと思ったので、2回観ました。2回目の方が面白かったので、皆さんにも2回観てほしいです」とアピール。「僕は3回観たんですけど…いや、嘘です」と、便乗した永瀬は、「色んな映画があっていいと思うので、その選択肢の一つとして観ていただければ」と続けた。

戦線で片腕を失った帰還兵を演じた村上は、「僕は永瀬君の背中を見て育った役者なので、すごく憧れです」と永瀬への敬意を表し、戦争に絶望した飲んだくれの作家を演じた永瀬は、「30年前、初めての舞台挨拶がテアトル新宿だったので、僕がこの作品でここに立てるのも皆さんのおかげです。ありがとうございます」と、デビュー30周年の感慨深い思いを語った。

取材・スチール撮影:南野こずえ

【ストーリー】 「戦争が好き」と女は言う。「みんな燃えてしまえば、平等になるから」と。
女は元娼婦の呑み屋の女将。男は坂口安吾自身を模した飲んだくれの作家。自分の欲望に忠実に生きる女と、戦争に絶望した男。……そこにもう一人の男が絡む。中国戦線で片腕を失い、戦争を十字架のように背負った帰還兵だ。戦争に被害者も加害者もない。どのように生きようとも、戦争から逃れられず、少しずつ損なわれていく。それでも人間は生きていく。生きていかねばならない。脆さや弱さ、たくましさやしたたかさ、哀しみや可笑しみを抱えながら――。戦争に翻弄される男と女。絶望なのか、希望なのか…今、蘇る、昭和官能文藝ロマン。


『戦争と一人の女』
キャスト:江口のりこ 永瀬正敏 村上 淳 柄本 明 監督:井上淳一
(c)戦争と一人の女製作運動体  テアトル新宿他全国順次公開

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