佐藤二朗、ポンコツ感は十八番!『ルイスと不思議の時計』吹替版完成会見



『ルイスと不思議の時計』日本語吹替版完成会見が行われ、ボイスキャストを務めた佐藤二朗、宮沢りえ、松本梨香、矢島晶子、本名陽子が登壇した。(2018年9月24日 ペニンシュラ東京)

ジョン・ベレアーズの児童文学をイーライ・ロス監督が実写映画化した本作は、ハリー・ポッターの原点とも言われるマジックファンタジー。劇中の“魔法の時計”を思わせる大きな時計が設置された会場にて会見がスタート。

主人公のポンコツ魔法使いジョナサンを演じた佐藤二朗は「今回初めて洋画の吹き替えをやりました。『スクール・オブ・ロック』という大好きな映画で、主演のジャック・ブラックさんも大好きな俳優なんで、吹替ができるってすごい光栄だなと思いますし、楽しくやりました」と自信たっぷりに語り、ルイスの同級生ローズ役の矢島晶子は「皆さんが私の名前を聞いてご存知なのはある5歳児くんだと思いますけど、でも、私がデビューしたのは女の子役でしたのですごくまた素敵な作品で女の子役をやれることが原点に戻れた感じがして嬉しいです」と笑顔を見せた。

少年タービー役松本梨香は「アニメの方では男の子の役がすごい多いんですけど、洋画の吹替版の方では女性をよくやらせていただいていたので、字幕で最初に拝見した時は高山みなみさん演じるルイスのお母さん役だと思い声を当て練習していました。でも、『あ、男の子なんだ!?』と知って(笑)」と勘違いがあったことを語り、亡き母・ルイスママ役本名陽子は「私は(高山)みなみさんとは数々の作品でみなみさんが先生で私が生徒だったり、敵対する役だったりいろいろやらせていただいたんですけど、今回はまさかみなみさんのお母さん役をやるということで、すごく嬉しく演じさせていただきました!」と高山との再共演に喜びを述べた。

4人の豪華なボイスキャストが揃ったが、佐藤の隣には空席が!ここで劇中のジョナサンさながら佐藤が魔法を披露し、最後のボイスキャストであるツィマーマン役の方を呼び寄せることに!文句を言いつつも渋々時計の前に立った佐藤が時計に向かって「出でよ、ツィマ~マ~ン!」と呪文を唱えると、時計の鐘が鳴り始め…時計の中からではなく、佐藤が呪文を唱えた反対側から宮沢りえが登場!

大きな拍手に包まれる中、白いドレスを身に纏い登壇した宮沢は「大好きなケイト・ブランシェットの顔を見ながら彼女の演技に自分の心を寄せていくのは非常にエキサイティングでしたし緊張もしましたが、一生懸命演じました」と笑顔で挨拶。
一方、魔法が失敗したことを指摘された佐藤は「今日は失敗に終わりましたけど、10月4日の特別試写会には絶対成功させます!」とリベンジを誓った。

ここからは登壇者それぞれの声入りの映像を観ながら進行。はじめに矢島、松本、本名パートの映像が披露されると、矢島は「先にみなみさんと松本さんの声が入っていたのでやりやすかったです。ローズは個性を尊重することができるすごく魅力的な子」と収録当時のことや自身のキャラクターについて振り返った。

「タービーの役というのが本当に度々出てくるんですけど」と笑いを誘った松本は長年コナンをやってきた高山と長年ポケモンのサトシをやってきた自身に触れ、「コナンとサトシが友達ってすごくないかな?っていうのをみなみさんとずーっと喋ってました。今回キャスティングしていただいて自分もちょっとわくわくドキドキしました!」と人気声優ならではのエピソードを明かした。

また本名は「ルイスを導きつつもちょっぴり不気味な演技をされていて、上手く日本語をのせていくのがすごく難しかったので、丁寧に演じさせていただきました。ルイスママ以外にも学校のガヤやのシーンとかその他大勢の声もやらせていただいたのでそれも楽しかったです」と振り返った。

続いて、なんと主演を務めたジャック・ブラックから佐藤に向けたメッセージ映像が到着!このサプライズには佐藤も登壇者も興奮!「滑舌よくポンコツ感を出してくれよな!」というブラックのメッセージに対し、「まかせろよ、ジャック!」と力強く応えた佐藤は「滑舌のポンコツ感は十八番ですから(笑)」と続けた。
また、ブラックと佐藤が同い年ということで宮沢「他人とは思えない」、松本「似てる!」と言った声も飛び、佐藤自身も「体積が似ている気がする」と認め、骨格からキャスティングすることもあるという話に喜びを分かち合った。

そして、いよいよ佐藤と宮沢の吹替パートが披露。宮沢の演技について佐藤は「結構いいんじゃないかと思いましたよ!」と称賛の声を上げ、宮沢は「やる度に声優さんたちへの尊敬と憧れが増していきますね」と謙遜しながらも安堵の表情を見せた。

気を遣った点について問われると宮沢は「やっぱり、本当のケイト・ブランシェットの声はとっても低いんですね。できるだけ低~い響くような声を出してみたいと思って練習してみたんですけど、自分の骨格というか声帯には無理があるんです。だから、私ができる範囲の中でいつもと違う声で挑戦しました」と苦悩を語り、一方の佐藤はあまり何も考えずにやったと明かしたが、「最初は佐藤二朗の声だと思っても、最後にはもう忘れてのめり込んでいただければ」と思いを語った。

たくさんの魔法が出てくる本作に因み「もし一つ魔法が使えるとしたら、どんな魔法を使いたいですか?」という質問に対し、本名「3歳と1歳の子供がおりまして、二人を一度に相手にすると本当に身体が悲鳴をあげそうなことが何度もあるので、ちょっとでも仮眠をとれたら…ということで、時間を止める魔法です!」

松本「どこでもドアみたいな…魔法かけたらすぐパンパン!って飛んでどこにでも行けるものがいいですね。海外で歌わせていただくことが多いんですけど、チリとかブラジルは行くだけで本当に時間がかかって…なのに弾丸で帰らなければならないので」

矢島「若返りですかね…というのも、7年前の東日本大震災があった際にもっとお手伝いがしたかったのですが、今は年齢的に体力的にもできないことも多くて…もう少し若かったらあんなことやこんことも手伝えたのにと思うからです」

1個というのが寂しい…という宮沢は「私は旅行がすごく好きなのでその国に行ったら、その国の言葉が喋れる魔法が欲しいです。その人が思ってる言葉を何かを返さずに直接触れてみたいという気持ちがすごくありますし、きっと視野が広がるだろうし自分の中で知識も増えるんじゃないかと。コミュニケーションがどこの国の人たちとも取れるというのは子供の頃からの夢でした!」と子供の頃から使いたかった魔法を明かした。

たくさんの魔法が挙がったが佐藤は「りえさんの今言った『どこに行ってもその土地の言葉が喋れる魔法』それにします!」と宮沢に同調。「ズルイ!」とブーイングが上がると、佐藤「それが一番だもん!か、非常にベッタベタなんだけど、透明人間ですかね。飛行機とか乗り放題じゃん」と願望を明かした。それでも宮沢に「相手が自分の存在を気付かないでいられるのってずっといられます?寂しくならないですか?」と問われると、「謝ります。もうりえさんに言われたら取り消します」と宮沢には頭の上がらない様子の佐藤だった。

最後に宮沢が「ファンタジーの中にとても強いメッセージも込められていて、年齢問わず性別問わず楽しめる映画だと思います。絶対これは大きい画面で観た方がいいんじゃないかと思いますので、ぜひ劇場に足をお運びください」と呼びかけ、佐藤が「りえさんもさっき仰いましたけど、ファンタジーでお子さんが観ても楽しいし、大人の方が観てもグッとくるようなメッセージもあったりしますんで。僕すごい個人的に好きなのは三人が巨大な敵に立ち向かうんですけど、みんなちょっと“負”の部分を抱えてまして…すごい好きなんですよ!本当に老いも若きも性別問わず楽しめる作品だと思いますので、ぜひ劇場でお楽しみください」と熱烈にアピールした。
この日惜しくも出席できなかったルイス役の高山からボイスメッセージも到着する等、会見は大盛況の中終了した。

取材 本郷美亜、撮影 南野こずえ

【ストーリー】
両親を亡くした少年ルイスは、叔父ジョナサンの古い屋敷で暮らすことになるが、なんとジョナサンおじさんは二流のポンコツだが不思議な力を使える魔法使いだった。隣人のツィマーマンさんも魔女だと知る。ただし、こちらは一流。ある日、屋敷に世界を破滅させる力を持った“魔法の時計”が隠されていることを知ったルイス。果たして、二人の魔法使いと “時計”を探し出して謎を解き、世界を救うことができるのか!?

『ルイスと不思議の時計』
配給:東宝東和
(C)2018 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO.,LLC
10月12日(金)全国ロードショー

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