ありがとう賞に広瀬すず!『ターミナル』本田翼も!クロージングセレモニー


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『第28回東京国際映画祭』クロージングセレモニーが行われ、「ARIGATŌ(ありがとう)賞」 には、樹木希林、広瀬すず、リリー・フランキーなどが授賞。クロージング作品『起終点駅 ターミナル』の舞台挨拶では、佐藤浩市、本田翼、尾野真千子、篠原監督が登壇。また、各賞の発表・表彰式も行われ、本年度の映画祭がついに閉幕した。(2015年10月31日 TOHOシネマズ 六本木ヒルズ)

■「ARIGATŌ(ありがとう)賞」には、樹木希林、広瀬すず、リリー・フランキー、細田守監督、日野晃博の5名が選ばれた。日本映画界へ目覚ましく貢献している人に贈る、新設された賞となっている。tiffcolse002
樹木希林 「昨日、高齢者免許取得の講習会に3時間行ってまいりました。歳をとるという事は大変なことだと思います。それに、人さまから「ありがとう」などと言ってもらえるという事は、こちらこそ、ありがとうございます」

広瀬すず 「今回、このような賞を贈ってくださって、本当にありがとうございます。日本での授賞式が初めてなので、少し自分の中で恥ずかしい気持ちもありますが、支えてくださった沢山の方に感謝の気持ちを込めて、一生懸命頑張ります」

リリー・フランキー 「映画の世界から「ありがとう」と言われる程、樹木さんの様に長く貢献した訳でもなく、なぜ僕が頂けたのか・・・。どちらかというと、僕は広瀬すず枠として、爽やかな風を吹かせたのだと(会場笑)。いち映画ファンとして、この賞を頂きたいと思っております」

細田守監督 「アニメーション監督として、スタッフやキャストに「この作品に参加してくれて、ありがとう」とか「いい画を描いてくれてありがとう」という事を言っている訳なんですけれど、本日は「ありがとう」ということを逆に声をかけられた感じでありまして、ちょっと照れくさいような、でも嬉しいような気持ちがあります。このような賞を頂けたのも、スタッフ・キャストのおかげだと思っています」

日野晃博監督 「僕はゲームソフトを作っていまして、今回は『妖怪ウォッチ』という作品でゲームだけでなく、映画、テレビアニメ、漫画などと言ったクロスメディアで子供たちを楽しませるような事を計画しまして、それが成功して。このような映画業界で賞を頂けるのは、非常に光栄だと思っています」

■クロージング作品『起終点駅 ターミナル』舞台挨拶には、佐藤浩市、本田翼、尾野真千子、篠原哲雄監督が登壇。25年前に起きた悲劇に罪を感じ、自ら罰を背負った人間が生き直す姿を、きめ細やかな感情で描いた作品。2015年11月7日より全国公開となる。tiffcolse014

MC 原作は桜木紫乃の短編小説ですが、脚本を読まれていかがでしたか?
佐藤浩市 「短編であるからこそ、本質的な部分を削がないようにしながら、どのように肉付けしていけるかの作業を監督らと一緒に楽しみながら作ることができました」
本田翼 「原作と自分の役設定がだいぶ違ったので、どう表現していけばいのかを考えました」
尾野真千子 「初めて読んだ時、日本映画に失われつつあるものがこの映画にはあるような気がして。そして、篠原監督が撮ってくれるという事で、これは間違いなく日本を代表する映画になると感じました」

MC 完治(佐藤浩市)によって、人生を大きく変えられた女性を演じましたが、佐藤さんとの共演はいかがでしたか?
本田 「ほとんど二人芝居だったので毎日緊張していましたが、浩市さんの仕事に対する姿勢を目の前で見る事ができ、充実した日々でした」
尾野 「この映画の通り、人生を変えて頂いたんではないかと思います」

MC 完治のような男性はいかがですか?
本田 「完治は静かに物事をとらえる人で、ただ一つ、料理には熱中していまして。一つのことに集中できる方は素敵だと思います」
尾野 「一人の人を長く想う男性は、この世の中には多いのではないかと。そして私の周りには多いです」

MC 佐藤さんは完治という男について、どのように思いますか?
佐藤 「ここにいるほぼ全員の男性が、男の愚かさと優しさの履き違えが、どこにあるのかを重々わかっていただけると思います。人間同士でも、言葉を持っているから救われるものもあれば、言葉を持っているからこそボタンを掛け違い、考え違いをしてしまう。25年に起きた悲劇を自分自身、罪として罰として、果ての地に流刑している男の役です。人が見ていないから許されるのではなく、罪というのは必ず自分の心の中にあって。人はそれをどうやって抱えていけるんだろうな、という事をずっと考えながらこの役を演じました」

MC 最後に監督から、この作品を通じてどのようなことを感じていただきたいですか?
篠原哲雄監督 「人は自分の罪を感じて、罰を課しながら生きるということ。この男の人生を通して、人はもう一度、生きる直す事ができるんだということを、しみじみと描いた作品です。最近の日本映画は、仕掛けの大きい作品がウケている時代になっていますが、我々の作ったものは、日本映画の王道のような、きめ細やかな感情を描いたつもりです。ご自身と照らし合わせながら、どう生き直せるのか、人生を振り返るきっかけになれば嬉しいです」

■『第28回東京国際映画祭』受賞作品・受賞者の一覧tiffcolse009
・コンペティション部門
東京グランプリ:『ニーゼ』
審査員特別賞:『スリー・オブ・アス』、最優秀芸術貢献賞:『家族の映画』
最優秀監督賞:ムスタファ・カラ監督(カランダールの雪)、最優秀女優賞:グロリア・ピレス(ニーゼ)
最優秀男優賞:ローラン・モラー/ルイス・ホフマン(地雷と少年兵)
・アジアの未来部門 作品賞:『孤島の葬列』、国際交流基金特別賞:デグナー監督(告別
・日本映画スプラッシュ部門 作品賞:『ケンとカズ』
・WOWOW賞:『カランダールの雪』・観客賞:『神様の思し召し』

取材・スチール撮影 南野こずえ

『第28回東京国際映画祭』 会期 2015年10月22日~10月31日
会場 六本木ヒルズ、新宿バルト9、新宿ピカデリー、TOHOシネマズ新宿

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