響け 勝ち鬨!われら ボイメン!!『サムライ・ロック』鑑賞記


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響け 勝ち鬨!われら ボイメン!! ――『サムライ・ロック』鑑賞記――

BOYS AND MEN――通称、ボイメン。“全国に通用する名古屋発のタレント作り”のコンセプトのもと生まれた、歌って、踊って、演じる11名の男性グループ。東海地方では若い女性を中心に人気を不動のものとしているが、近年では全国各地でのライヴ活動やメンバー小林 豊の『仮面ライダー鎧武/ガイム』出演(仮面ライダーバロン役)もあって全国的に知名度が広がっている。

『サムライ・ロック』は、そんな“ボイメン”の初主演映画。それもメンバー11名全員が出演すると言う、実に大きなチャレンジとなる。メガホンを取るのは『スイッチを押すとき』(2011年/110分)『俺たちの明日』(2014年/108分)の中島 良監督。群像アクション劇『幕末奇譚 SHINSEN5』シリーズ『剣豪降臨』(2013年/73分)『弐 風雲伊賀越え』(2013年/78分)も記憶に新しい。

製作に在名テレビ局4社が名を連ねる“ALL愛知・ALL名古屋”体制で臨む本作品に相応しく、2015年5月3日、東建ホール(名古屋市 中区)で行われた『サムライ・ロック』完成披露上映会は“『サムライ・ロック』応援隊”として各局のアナウンサー4名(CBCテレビ 永岡 歩・東海テレビ 本仮屋リイナ・メ~テレ 神取恭子・中京テレビ 濱田隼平)が司会を務め、スペシャルゲストとして登壇した河村たかし名古屋市長がBOYS AND MENの“応援歌”を即興で唄いあげ428席を埋め尽くした観客を大いに盛り上げた。

正に“ALL愛知・ALL名古屋”の看板に偽りなしであるが、もう一つ地元ならではの要素が『サムライ・ロック』には存在する。それは、三英傑を扱っていると言うことだ。他の都道府県民には全く浸透していないことを知って驚くほど愛知県民にはお馴染みの“三英傑”なる単語、一応説明すると織田信長(尾張出身)・豊臣秀吉(尾張出身)・徳川家康(三河出身)のことである。尾張、三河――まさしく“ALL愛知”の英雄三人なのだ。

『サムライ・ロック』Story:
西暦1551年、戦国時代。父・信秀の葬儀を飛び出した織田信長(小林 豊)と、それに付き従う秀吉(本田剛文)。「父上……わしは、どうすればいい?……一体どうすれば……」。信長は日蝕で太陽が黒く欠けていく空を見上げていた。突如暗雲が立ちこめ、轟く雷鳴。閃光に包まれる信長と秀吉。2人の身体は光の中へと溶けていった――。
2015年、名古屋。バンド『リズムヘッド』のギタリスト・正巳(水野 勝)は、弱小プロダクション『柴プロ』に所属しながら No.1アーティストを決めるJMC(ジャパン・ミュージック・カーニバル)でグランプリを獲ることを夢みていた。イベントステージで大きな落雷があり、停電が起きる。すぐに明かりが点くが、ステージ上に仰向けに倒れた正巳の上に秀吉が、さらにその上に信長が……。現代へタイムスリップした信長と秀吉は、柴プロの社長・柴田(石黒 賢)の目に止まり、リズムヘッドのメンバーとして活動することに。

しかし、正巳は父の夢を叶えたいとロックバンドにこだわり、苦悩していた。そんな正巳を見つめる信長もまた、自らの心の奥底にある迷いに翻弄されることに。そして突然、松平竹千代のちの徳川家康(田中俊介)が現れた。柴田は、家康をさらにメンバーに加え「エンターテインメントを究極まで突き詰めた新しいアイドル」を目指す。ここに『サムライ・ロック』が誕生した。
総勢6人となった彼らに、カリスマアイドルグループ『バディーズ』 の背中が見えてくる。しかし彼らの前に、希望を切り裂く大きな壁が立ちふさがり……。
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水野 勝(丹羽正巳(サムライ・ロック)役) 「沢山の方の応援があって完成した映画です。皆の力が合わさって出来た大切な作品なので、色んな方に観てもらえたらと思います。劇中では、元々僕と勇翔と若菜でギター・ボーカル、ドラム、ベースをやってる売れないバンドなんですよ。そこに三英傑が入ってきて出来たグループが“サムライ・ロック”です。事務所社長役の石黒賢さんには色々と教わりまして、間の取り方は石黒さんのアドバイスで本当に救われました」

小林 豊(織田信長(サムライ・ロック)役) 「BOYS AND MENとして活動を始め、映画を作ることを目標に5年間やってきました。凄く苦しいこともあったんですけど、楽しんで観てもらえたらと思います。剣を使った殺陣は初めてで、基礎は教えてもらっていたんですが、「こうやって戦います」って指示は撮影の当日だったので、集中力を使う……心で戦うみたいな部分もあって、皆ダウンしてました。僕なんて、カットが掛かった瞬間に寝てたんですよ(笑)」

田村侑久(加藤英夫(Buddies)役) 「映画の中で“Buddies”はスーパーアイドルで、色々と嫌味なところもあったりします。加藤英夫と言う役は、トップアイドルのリーダーとして演らせてもらってるんですけれど、プロ意識が誰よりも高い……プロとして生きていく覚悟を持ってるんです。そんな表情なんかも汲み取ってもらえたら嬉しく思います」

本田剛文(木下藤吉郎秀吉(サムライ・ロック)役) 「今回の『サムライ・ロック』と言う映画は、Buddiesとサムライ・ロックの対立がありつつ、夢に向かっていく作品です。その中で秀吉は、何やかんやで戦国時代から現代にやってきて、何やかんやで3人と出会って、何やかんやで仲間になって行く(場内笑)……雰囲気を明るくするような役回りだと思っています。三英傑が出てくるんですが、肩の力を抜いて観てもらえる作品になってるので、どうぞ楽しんでください」

田中俊介(松平竹千代(サムライ・ロック)役) 「皆さんの持ってる徳川家康のイメージと今回の脚本は違っていて……腹黒さとか、闇の部分が描かれてたんです。そこを表現するのに、撮影中は一人の時間を作るようにしてました。メンバーを掻き乱すお芝居をしていますので、「あいつは今、何を考えているんだろうか?」とか思いながら作品を楽しんでもらえたらと思います」

吉原雅斗(佐々佳彦(Buddies)役) 「僕の演じた佐々佳彦は、ライヴ上のパフォーマンスに一番拘る役だったんです。だからこそ嫌味な言葉を吐いてしまうような役なんですが、皆さんと一緒に作ったライヴシーンは凄く良いシーンだと思いますので、そこに注目していただけたらと思います」

平松賢人(竹中亮太(Buddies)役) 「竹中亮太は、佐々佳彦とつるみながらサムライ・ロックのメンバーに嫌がらせをしたりする凄く嫌な役で、本当に嫌われるんじゃないかと思うくらいの仕上がりですが、竹中亮太と平松賢人は別人なので(場内笑)。フィルムの中の嫌な竹中亮太を、是非楽しみにしてください」

土田拓海(矢野徹人(Buddies)役) 「僕の役矢野徹人は、ステージ上とステージ裏のギャップ……淡々と嫌味を言うクールな部分……是非、その辺りをチェックしてください。宜しくお願いします」

辻本達規(前田圭介(Buddies)役) 「チーム“Buddies”は、本当こんな風に嫌味な役って言ってますけど……ボイメンのことは嫌いになっても、前田のことは嫌いにならないでくださいッ(場内爆笑)!!」

若菜太喜(池田弘樹(サムライ・ロック)役) 「池田弘樹と言う役は、勇翔とコンビになってます……こいつがボケで、僕がツッコミです(場内笑)。三英傑がいる中、僕たちはオリジナルキャラクターなので、そこを分かりやすく演じられたらと心がけました」

勇翔(滝川一翔(サムライ・ロック)役) 「今回の一翔と言う役は自分の気持ちを表に出すタイプで、感情の浮き沈みが激しく、ムードメーカー的な……最初に動いたり喋ったりする役でした。役の上で喋る場面が多かったので、普段から太喜と話すようにしてました」

俺たちの道は、どこへ続いて行くんだろう――旧くて新しい青春群像劇『サムライ・ロック』は、5月9日から愛知・岐阜・三重・石川・福井で先行ロードショー、6月6日から随時全国公開となる。
「われら、BOYS AND MEN!!」なる勝ち鬨がスクリーンから聞こえてくるような極上のエンターテインメント、是非とも御観逃しなく。

取材 高橋アツシ

『サムライ・ロック』
キャスト:小林豊 水野勝 本田剛文 田中俊介 勇翔 若菜太喜 田村侑久 辻本達規 土田拓海 平松賢人 吉原雅斗 篠田光亮/藤吉久美子/石黒賢 監督:中島良
主題歌:BOYS AND MEN 「零」 ©2015Nagoya Dream Project製作委員会
公式サイト http://www.samurairock-movie.com/
2015年5月9日(土) 東海地区先行公開

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