立ち上がってから死ぬつもりで挑んだ『百円の恋』!安藤サクラ×新井浩文、初日舞台挨拶


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話題沸騰中の映画『百円の恋』の初日舞台挨拶が行われ、立見も出る大盛況の中、主演の安藤サクラ、新井浩文、武正晴監督、脚本家の足立紳が登壇しました。(2014年12月20日 テアトル新宿)

Q:脚本を気に入られてご出演された本作ですが、実際にご覧になられてどんな率直な感想をお持ちでしたか??
安藤:「もちろん自分の出ている作品は、そわそわしてしまうんですけど、後半はそわそわするのを忘れてしまうほど、すごく興奮していて、自分じゃない人の感覚で、最後の試合のシーン以降は見ていて、かっこいいよ!ってすごく血行が良くなりました」
新井:「自分の映画って客観的には観られなくて、反省が多々あるんですけど、作品とサクラに関しては、うわっー、すごいかっこいいって」

Q:二週間でダメダメの一子から、闘う一子に心も体も変わっていく、相当女優としても大変な作業だったと思いますが

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安藤:「そうですね、すごく肉体的にはむちゃをしているんですけど、でも武組ではみんな一子みたいに現場で闘っていて、なんにも精神的には苦じゃなく、なんとも幸せな時間なんだよって感じでしたね。なかなかないんすよ!もう色んなものを出して、ぐっちゃぐちゃに闘える現場っていうのは」

Q:サクラさんにとっても、この映画の出会いは、女優としても変化が?
安藤:「一子を人科の生物として、こんなにも肉体が短期間で変われることに、すごく驚いて、とても神秘的なことだと思って、動物すごいなってずっと思ってたんですけど、いやいやいや人間すげぇぞ!っていう(笑)しかも、みんなで作っている武組の現場があるからこそ、すごい力を発揮できて、人間、人科動物として最強なんじゃないかと思って、生き物としての自信に繋がったというか、人間はすごい!ということに気付けたことはかなり大きかったと思います」

Q:お互いが変化していくの見ながら、恋愛を繰り広げる共演はいかがでしたか??
新井:「今、現役の日本女優ではサクラがNO.1だと思っているので、(今回の役は)やって当然だし、すごいなっていうのが多々ありましたね」
安藤:「『百円の恋』の新井さん、私めっちゃめちゃかっこいくて好きで、バナナをコンビニに置きに来たときの顔とかたまらないんですよね!なにあの顔って、いっつも、なにこの顔って思うんですけど(笑)」
新井:「それ、褒めてる??」
安藤:「褒めてるんです!もう忘れられなくて、新井さんの(役の)中で一番好きなんです」

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Q:武監督は、お二人をどのようにカメラから見つめていたんでしょうか??
武監督:「もう実力のあるお二人なんですけども、非常に難しいことにチャレンジする気持ちが強くて、欲が強いというか、欲望の強いお二人で。本当に苦労されていたんですが、あのお二人の肉体が現れたときに非常にうれしくなってしまって、幸せな毎日でした。早く明日にならないかなっていう珍しい撮影現場でしたね」

Q:新井さんも本当に体も絞り込んで、ずっとトレーニングされてたんですよね??
新井:「三カ月しっかり(トレーニングを)やって変わって、終わって三カ月経ってしっかり元に戻る、人間ってすごいなって(笑)」
安藤:「だって、水も取ってなかったんですよ?!」
新井:「二日間水抜きって」
安藤:「水も取ってないと、人の顔はあんなバナナ置きに来た顔になるっていう(笑)顔が小っちゃくなってたもんね、プロのボクサーと同じ献立を決めてやってて、試合してすぐ後に、中華屋さんで餃子食べるシーンだったんですけど、飢えてるからがーって食べるじゃないですか!その後、しゃっくり止まらないでやんの(笑)それがすごく、生きてるなと思って」
新井:「びっくりしたんだろうね、体が。殴った後、急に食べたから!結構きつかったね」
安藤:「試合のシーンは、自分でコントロールできないくらいアドレナリンが出ちゃって、普通にしてようと思っても、目ががっーって開いたままで、道を歩いて知り合いの人にばったり会ったときは、今、人殺しそうな顔してたよって言われていました」
新井:「朝一からずっと、永遠夜まで(撮影)やってて、見たら最後の方!リアルな“あしたのジョー”みたいになってます(笑)」
安藤:「写しちゃいけない状態になってます(笑)試合のシーン、20時間(撮影)やってたんですよ!」

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武監督:「出来上がりも、本当に自信を持ってお届けできる、作品になっていると思います。本当に俳優の力というか、人間の力がすごいんだってことが、この映画を作ることによって実感できたような気がします。最終的にはお客さまに見ていただいて、映画は完成するものだと思っておりますので、今日は本当に良かったです。」
安藤:「武組みんなが、どうせ死ぬなら立って死ぬっていう、そんな感じの気持ちで映画を作っていました。やっと今日公開されて、今、3ラウンド目でやっと死ねる感じがして、また始まりのゴングがカンってなるような感じだと思っているので、みなさんと新たに飛び立っていくことが楽しみでなりません」

監督やプロデューサーの手垢のついていない、新しい感動や興奮が味わえる「松田優作氏の魂を受け継ぐ脚本」として、松田優作賞グランプリを獲得した足立紳脚本の本作。
安藤サクラ、新井浩文の魂と肉体を張った共演、そしてクリープハイプの主題歌『百八円の恋』は、痛い痛い痛いほどに熱く、胸に鳴り響きます。

取材:佐藤ありす

【STORY】
32歳の一子(安藤サクラ)は実家にひきこもり、自堕落な日々を送っていた。ある日、離婚して子連れで実家に帰ってきた妹の二三子と喧嘩になってしまい、ヤケクソで家を出て一人暮らしを始める。夜な夜な買い食いしていた百円ショップで深夜労働にありつくが、そこは底辺の人間たちの巣窟だった。そんな冴えない日々の中、一子は帰り道に通るボクシングジムで寡黙に練習するボクサー狩野(新井浩文)と出会い、遅咲きの恋が始まる。しかし、ささやかな幸せの日々は長くは続かなかった。どうしてもうまくいかない日々の中で、衝動的に自らボクシングを始める一子。人生のリターンマッチのゴングが鳴り響こうとしていた――。

『百円の恋』
出演:安藤サクラ 新井浩文
監督:武正晴 脚本:足立紳(「第一回松田優作賞」グランプリ受賞作)
主題歌:クリープハイプ「百八円の恋」(UNIVERSAL MUSIC)
配給・宣伝:SPOTTED PRODUCTIONS (C)2014東映ビデオ/R15+
テアトル新宿ほか全国順次公開
http://100yen-koi.jp/

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